どん、どん
どん、どん
また聞こえる。
ゆっくりと目を閉じベッドに横になる。
どん、どん、どん
音が大きくなっていく。
それに気づかないように必死に耳をふさぐ。
脳みそに直接くる振動をかき消すようにますます強く目を瞑る。
どん、どん、どん、どん
荒くなる音を遠くに流しながら、電気がついていない天井をそっと見上げた。
今はダメなんだ。
「………お願い…開けて…」
細々とした女性の声共にますます音が響く。
僕はそっとベッドの横にあるとても大きな木の箱を触る。
「まだ、開けてあげないよ」
だって僕は君をアイシテいるのだから。