第八話
家族旅行二日目。今日は帰る日なのです。
ぽかぽか温暖陽気は気持ちいいです。
お兄様とお姉さまが寝ていたのでダイブしてしまいました!!
無理やり起こしてから、砂浜へお散歩に出かけました。
足跡が砂浜に残るのが楽しくて、ついたくさん歩いたら、汗をたくさんかいてしまいました。
お兄様とお姉さまに交互に抱っこしてもらいながら、宿に戻りました。
「あらあら…元気ね。」
お母様がニコニコしながら、手を差し伸べてきたので、お姉さまからお母様へ抱っこ交換です。
お母様の香り大好きです!!いつもたくさんスーと息を吸い込んで香りをいっぱい吸い込むのです。
「まあまあ…。フィリスったら甘えん坊さんね。」
「お父様はどこですか??」
「まだ寝ているわよ。」
なんと寝ているですか!!是非ともダイブしに行かなくて!!
「おこしに行くです。」
「そう…。じゃあ行ってらっしゃい。」
僕を床に降ろしてから、走ってお父様とお母様の部屋に向かいました。
「お母様、良いのですか?今日俺たちと同じ目にあいますよ。」
「良いのよ。子供は元気なのが一番。それに、良い加減に起きてもらわないと。」
「お母様…どこか不機嫌ではないですか??」
「だってえ…お父様と朝の砂浜お散歩しましょうね?と約束したのに、ちっっとも起きてくれないのよ!!だから、少し罰を与えなくっちゃ。」
ヴィリアは頬を膨らましたと同時に「お父様ああああああー」と言う可愛い声と「うげ!!」という声が同時に聞こえて、家族三人はくすくす笑い合った。
「私の天使がお仕置きしてくれたわ。」
「さあ、食堂に行ってご飯を待ちましょう。」
「ヴィリア…本当にすまない。」
お父様は手を合わしてお母様に謝ってます。
「まあ。なんのことなんですの?まさか、朝の砂浜のお散歩の件をお忘れになられたことかしら??わたくし、ちっっとも気にしていませんわ!」
お母様は顔をプイッと横に向けていますが、目が笑ってます。
「ヴィリア…本当にすまない。そ…そうだ帰る前に砂浜散歩行こう!!な!」
「散歩だけですか??わたくし、昨日素敵なアクセサリーを見つけましたの。」
「わ…わかった。アクセサリーを買ってから、散歩を行こう。」
お母様はしたり顔でうなづいてから、にっこりと微笑んで、僕たちを見てから言いました。
『いいこと、男はこうして、操るのよ!!』
日本語の時のお母様は一気に魔性度が上がる気がするのはなぜでしょう??
ミリウスお姉さまは目を輝かして、ネヴィスお兄様とお父様は「女超こええ、マジこえええ」とガクガク震え始めました。
お母様は、その言葉を聞いてさらににっこりと微笑みました。
微笑みが増えた同時に、さらにガクガク震え始めた、お兄様とお父様、なんで震えたのでしょうか?
僕はまだ小さいから、わかりません。わかったとしてもわかりません。大事なことなので二回言いました!
食堂で食べた朝食は、海鮮物を使った料理がたくさんあって、食べていたら、お米が食べたくなりました。
ジャパニーズソウルフード…食べたいです!味覚って絶対に忘れることができないとこの食事で、思いました。
「米食いたいなあ。」
お父様がそう呟いて、僕たちがうなづいた時家族なんだなあと実感しました。
「家族なんだよな。すごい今更なんだけど、前世の記憶をみんな持っているとわかったとき驚いたんだよな。ヴィリアとは話したんだけどさ。俺さ、前世結構悪いことしてさ、院にぶち込まれたりして、親を泣かして、そして、院から出たら、今度はちゃんと家族と向き合おうとした時に、前悪さを一緒にしていた人間に殺されてさ、ああ、今度生まれ変わったら、家族を大事にして、絶対に幸せにさせると誓ったら、今度はなんかの因果か家族仲がすっごくいい王家に生まれてさ、もう俺だけ、魔力も、体力もなくて、三男と云うこともあって、気楽だったのに、貴族がその気楽さを許してくれなくてさ、なんかその貴族たちが本気で嫌な時にその時敵国だったヴィリアにあって、恋して
家族はそれほどではなかったけど、周りがすったもんだした挙句、キレそうになった時に親がもう土地とある程度の爵位を与えるから、そこへ行けと言ってくれてその時すごく楽になったんだ。でもさ…フィリスを見て気がついたんだよな。ああ、楽ってダメだな。楽ってすごく自分に言い訳を作るんだなあって、そう気が付いたら、いてもたってもいられなくって気が付いたら、領地改革をするって叫んでたんだよなあ。
なあ…俺ちゃんと父親やれているか??」
「あなた…大丈夫ですわ。ちゃんと父親やれてます。それを言うなら、私だって、そう変わらないわよ。だって、父親から虐待されて、母親からはネグレストされてさ、どういうわけか、美人だったのよね、私。で、美人って結構武器になるのよね、ちょっと甘い言葉と甘やかしを見せるとほいほい、男が優しくしてくれるのよ。で、私バカだったのよね。優しさの裏返しを知らなかったの。くれる愛情が優しさだって思ってその愛情がどんなに痛くてもさ、で最終的に私に嫉妬した母親に殺されたのよ。その時、神様に思ったのよね。絶対に今度は私を愛してくれる人と絶対に家族を大事にするって。だから、私は…わたくしは幸せなのですわ。こんなに可愛い子供が三人もいるのですもの。わたくしはこの三人の母親になれてとても幸せですの。」
僕たちはお父様とお母様の前世の話を聞いて、涙が出てきました。
「お父様。お母様、俺たちはあなたたちと家族になれたことを神様に感謝しますよ!」
ネヴィスお兄様が代表して僕たちの気持ちを伝えてくれました。
「「ありがとう。その言葉があるだけで、お父様とお母様は頑張れる(わ)」」
「さあさあ…全くお父様のせいで、湿っぽくなったけど、家族で出かけましょう。
わたくし、お父様にアクセサリー買ってもらわないといけないですもの」
「え?俺??俺がいけないのか??」
今度は家族全員で笑い声をあげました。
笑って、泣いて。朝から感情の大運動会を広げてしまいましたが、そのことがとても心地がいいのです!!
「あ!はいはーい!!私もアクセサリー欲しいです!!買ってください。お.と.う.さ.ま♡」
「ミリウス気持ち悪い!!」
「てへぺろ」
「……。」
「てへぺろ」
「…。俺が悪かったよ。」
「ネヴィス兄様も私に買ってくれてもいいわよ。」
「ほらほら…兄妹でじゃれてないで、さっさと出かけるぞ。」
僕はお父様のところに行って抱っこをねだりました。
「フィリスは甘えん坊さんだな。ほーら高いたかーい!!」
お父様の高い高い大好きです!!嬉しすぎてキャキャと声を上げてしまいました。
約束どうりアクセサリー屋さん行って、お母様とお姉さまはふたりであーでもない、こーでもないと言いながら、アクセサリーを見て結局お父様に買ってもらったのは二時間後でした。
「女の買い物ってなげえ」
全くもってお兄様のつぶやきに同感です。ですが、前世女性の僕からしてみれば、あそこに混ざりたかった!たいていの女子は買い物になると血が騒ぐのですよ。
私の時は結婚前になりますが、そういう楽しみは。結婚してからはそういう楽しみとは縁が無かった…。
もう少し大きくなったら、お母様とお姉さまとショッピングしたいです。
お父様とお母様は手をつないで、砂浜を散歩してます。
小一時間くらいたってから宿に戻り、お父様とお母様は街の長と話し合いをしに行きました。
そして、午後になってからまた馬車に乗り、今度は道になれたからか、お馬さんのスピードが行きの時より大分上がり、行きは六時間くらいかかったのですが、四時間くらいで帰れました。馭者さんが道がいい近道を見つけてくれたみたいです。
優秀な馭者さんは、馬に負担をかけない道を走りながら探すのが得意らしいです。
お父様は、その馭者さんをさっそく使用人として雇うことにしました。
「近いところに、測量士がいた!俺ってついてるんじゃないか?」
と不気味な笑い声を上げて、お母様が呆れていました。
メルハートの交通網特に都市間をつなぐ無駄のない道は、メルハート公爵家が初めて行った家族旅行の時に使った馭者、アルバート.ラプトンの功績が大きい。
行きの道よりも、帰りの道が明らかに楽で、かつ短い時間を疑問に思えた公爵が馭者に尋ねたところ、優秀な馭者は馬に負担をかけず、かつ最短な道を探すのが得意だと答えたところから、使用人として雇ってもらった。
アルバート.ラプトンはその後、測量士としてメルハート領の道を始め、様々な国の道を整備し、優秀な地図を作った。その精巧な地図を上回る地図は現在になっても、出てこず、伝説の地図製作者と、地図を制作する人間にとっては憧れの人間でもある。
<伝説の地図製作者アルバート.ラプトンの功績>ネルソン.ラプトン著より抜粋
今日は少しだけシリアスな部分が出てきますが、ここの部分はずっと書きたかったところですので、申し訳ありませんが…よろしくお願いします。
やっと、お父様とお母様の前世部分出せました。思ったより悲惨だったです泣