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killed the knight

ちょいと前に投稿してた短編をちょいと構想が膨らんだので、ちょいと手直しして、ちょいと投稿して見ました。はい、思いつきです

 「ふぅ、ここまで来れれば何とかなるかな?」


 俺は、肩に担いでいた巨大な木箱の荷物を青草の映える地面に下ろすと、額の汗を拭った。


 まだ朝方だって言うのにこんなに汗が出てくるのだ、やはり夜の内に森を抜けておいて良かった。


 俺はそう思いながらうんと伸びをしてみせた、微かに開いたまぶたから眩しい太陽が覗く。


 空はまるで俺の仕事の成功を祝福するように雲も殆ど無いような快晴っぷりだ。


 うーん、どうせこのペースだったら昼過ぎくらいまでには目的地につけるんだもんな! 少しくらいは休んでも問題ないよな?


 俺は、今自分が立っている丘の上から小さく見える街を見下ろして心中言い訳をしていた。


 こんなに綺麗な草原があるのがいけないんだよな、俺だって昨日は寝ずにずっと荷物を運んで来たんだし、依頼主だって多目に見てくれるよな?


 俺は、そんな風にまた自分に言い訳をすると、ゴロンと草原に寝転がった。


 う~ん、草のいい香りが鼻孔をつく。


 俺は、今自分が着ている皮鎧の留め金に手を掛けた。 やっぱコレ着たマンマは眠りにくいんだよな~


 流石に夜の森の中とかだったら着けて眠るけど……ここは街も近いし、日も高いからな……


 ほんの数十秒後には草原に俺の寝息が響き渡っていた。


 




 俺は、この時完全に寝入っていた。 そりゃあ、昨日夜通し森の中を走った疲れが出たんだろう。


 まぁ、要するに……


 俺は爆睡していた、多分夢も見ていなかったと思う。


 が……俺の目覚めは唐突だった。


 「ぐるあああぁぁぁ‼‼」


 うぉ!


 俺は、そんな昼寝時の平和な静寂を壊す声に叩き起こされた。


 目覚ましにしては悪趣味なダミ声だな……。


 俺は、若干の寝不足と気持ち良く眠って居たのを叩き起こされたのとで多少不機嫌に成りながら身体を起こした。


 むくりと起こされた上半身には至る所に青草がくっついている。


 ちくしょう! 人が気持ち良く眠ってるってのに誰だよな!


 俺は、俺を起こした奴を確認しようとして辺りを見渡した。


 すると……


 「ハァ……ハァ…… 誰か……!」


 おいおい、マジかよ、勘弁してくれ。


 俺の視界の先には、ついさっき咆哮をあげたと思う人型の怪物……魔物と、その魔物に剣を斬りつける少し年下と見えるの少女の姿が有った。


 魔物はそこまで巨大では無いが少女はもちろん、俺よりも2回りほどでかく、異常に発達した剛腕が生えていてそこから拳を突き出していた。


 少女はそんな拳の応酬に自分の持つ剣を構えることでギリギリ直撃を免れていた……けど、長くは持たないだろう。


  「はぁ~…… 厄介なやつにエンカウントしちまったなぁ……」


 俺は、いまだ半分寝ぼけている頭でその魔物のことを考える。


 確かあの魔物“ナイト級”だろ? くそ、あのお嬢ちゃん厄介なモン連れて来てくれたよな……


 一瞬、依頼を受けて倒しに来たのか? と思ったがそれにしては様子がおかしい。


 辺りを見渡しても少女の仲間らしい者たちはどこにもいない。 それに、“ナイト級”と言えばあの子が持ってる剣程度では傷1つつかないだろう。


 確かに、あのお嬢ちゃんのもつ剣は傍目に見ても俺が持っている剣よりもずっと高級だろうが、それでも、お嬢ちゃんの細い腕では切れ味は望めないだろうな。


 となると、まだ駆け出しかなんかのお嬢ちゃんが運悪くあの“ナイト級”に遭遇(エンカウント)

しちまったてところかな……?


 と、俺は取り敢えずの当たりをつけた。


 ……あの女の子には悪いが俺も次依頼を失敗したら解雇されちまうだろうからな……


 俺は、さっきまで寝るときの為に外していた鎧を再度つけ、枕にしていた荷物を肩に抱え直し、少女達に背を向けた。


 目指すはあの丘の下の街。


 俺は其処でこの荷物を無事な形で運べばそれで依頼は完了で……。


 そうすれば俺もこれ以上解雇だとかそうじゃないとかで肩身の狭い思いはしなくても済む訳で……。


 その瞬間、鈍い、何かを殴りつける様な音と、軽い何かがこの草原に落ちる音がした……その瞬間!




 「誰か……誰か助けてよぉーー‼‼」




 だあぁ~! ちくしょう‼ やっぱそんな簡単に見捨てれるかよ!


 気がつけば、俺は音がした方へと駆け出していた。


 ☆


 「なんとか……間に合ったみてぇだな……?」


 「え……?」


 俺は、俺の背中の方で不思議そうにキョロキョロとしているお嬢ちゃんを見て苦笑しか出来なかった。


 「なぁ、良かったら其処どいてくれねぇか? このままこいつの腕抑えるの辛いんだけど? 」


 そう、今俺は魔物の腕を抑えている。


 あの時、この少女が吹き飛ばされ、そしてこの魔物がこの子にトドメを刺そうとしていた所……俺は間一髪、止めることに成功した。


 もう一瞬遅かったらマジでヤバかったな。


 あ……それと。


 「そこの木箱の荷物もさ、一緒にどっか安全な場所に行っててくんない?」


 なんたって俺の首がかかってるんだからな、命を守った対価としては易いだろ。


 「えっ…… あ、ハイ!」


 俺の言葉に素直に返事をして、木箱を大事そうに胸に抱えて走るお嬢ちゃん。


 うーん、転ばなきゃいいけど、あの子ドンクさそうだからな~


 と……いい加減腕も辛くなって来たし……


 「でりゃ! 」


 俺は掛け声と共に思い切り上に魔物の腕を跳ね飛ばす。


 それのせいで魔物がバランスを崩した隙に俺は大急ぎで間合いを取った。


 「流石に……人間体のまんま“ナイト級”を相手に為るのはしんどいっぽいな……」


 俺は自嘲を込めて苦笑を浮かべ、そして周りを確認した。


 さっきのお嬢ちゃんは……いた。

木陰で俺の事を心配そうに見つめている。胸には律儀に俺の荷物まで抱きかかえられていた。


 はぁ……しょうがない、人がみている所であんまりこれはやりたくなかったんだけどな……鎧も無駄になるし。


 が、ここまで来てはそう引き下がれない。相手は仮にも“ナイト級”だしな、そう易々

とは逃がしてくれないだろう。


 俺は、ストンと、静かに覚悟を決め、そして解放した……。

なんて予想できる終わり方!


ナイト級という言葉から予想される方もいるでしょうが、なんと、この魔物というものたちには強さの階級があるのです!

しかもナイト級は下から2番目に強いのです!

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