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第九話 幼馴染から許嫁へのクラスチェンジ!?

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幼馴染から許嫁へのクラスチェンジ!?


この頃みんなからの攻撃が激しくなりそろそろ俺のライフはゼロになってしましそうになるのが現実だ。

「朝起きれば両サイドに美少女が、飯を食うときも美少女が……一体俺はどこで選択肢をミスったんだ?」

いや、嬉しいんだよ?

嬉しいんだけどただの美少女じゃないから困ったものだ。

一人は元指名手配者。

一人は世界チャンプを軽々と叩き潰す少女。

一人は極度のブラコン。

一人はもはや人間ですらない。

どうだい? コレでもみんなとてつもない美少女だから困るよ。

そして、なぜかみんな俺を慕ってくれていてなんだか怖い。

「よし、今度から特技は身震いとでも言うかな」

俺は身震いで体が硬直する。

まったく。俺の楽しかった日常はどこへ行ったんだ?

朝起きたらパソコンを開ききららたんにおはようといい。

ゲームを取り出し登校ギリギリまでプレイする。

こんな素晴らしい日常よ、カムバック!

だがしかし、そんなのは関係ないと時間は俺を置いて進んでいく。

まったく、理不尽たらありゃしない。

「なあ、なんでみんな俺のベットで寝てるわけ? 自分の部屋とベットとお駄賃あげてるよね?」

左には泉香が、右には祈雨がスースーと寝息をあげている。

俺の体にしがみついている幼女、白虎は規則正しい寝息を俺の体に吹きかけている。

非常にくすぐったいのですが……。

え? 妹?

いるよ? いますよ?

「ぐへ、ぐへへ、ぐへへへへ」

ニヤけながらヨダレ垂らして間抜けな顔をしながら俺の足にしがみついてますが何か?

何回も言うがこの状況はとても嬉しいです、ありがとうございました。

でも、状況が状況だ。

今日は地獄の月曜日、文字通り学校だ。

そして、このままなら学校行かなくてもいいかな? とか考えたがそれは通用しないと気づき起こそうかと考えたがそれはあっけなく砕かれた。

俺の聖剣を何度も叩かれ、蹴られ、踏まれて俺の聖剣は朝にもかかわらずしおれてしまった。

「この状況をどう打破しろと? マイゴット」

ああ、なんか涙出てきた。

「悠君」

ふと気を抜いていると声をかけられた。

「ああ、泉香おはよ。起こしちゃったか?」

俺は申し訳なさそうな顔を向けた。

「ううん。でも、そう思うなら……ん」

そう言って顔を近づけ目を閉じる。

「……キスしろと?」

泉香は静かに頷く。

おいおい。何言っているんですか、この方は。

少なくともみんないますよ? 全員集合中ですよ? それでもしなくちゃいけないと?

「早く。みんな起きちゃうよ?」

……よし、やったろうじゃないか!

俺は意を決し顔を近づける。

あと十センチ

……

ゴォォォォォォォォォォォル

……あれ?

感触がないんですけど……。

俺は目を開け状況を見る。

ああ。死んだ。これは死んだ。

そこには目を覚ました祈雨、白虎、変態の目を向ける和羽。

それらの人物によってガッチリとホールドされていた。

「ん! んん! んん~!!」

口を抑えられ言葉が出せない俺は必死にもがいたが時すでに遅し、祈雨の手が俺の首に回る。

ゴキっと嫌な音を立て俺は再び眠りに着いた。

次に起きるときは健全な人間でいたいな。


目が覚めるとそこは道路だった。

いや、別に寝かされているわけじゃない。どちらかというとおぶられてる。

「……って、待て待て! おぶられてんじゃん俺!」

意識がはっきりするにつれ状況を判断し始めた。

俺は今祈雨におぶられ通学路を進んでいた。

「あ、起きたのさ? まったく、朝から人の隣でイチャイチャしないでもらいたいのさ。こっちだって――」

「そんなことはどうでもいい! さっさと下ろせ!」

俺はもがく、だが祈雨に危害は加えない。

なぜかって? 反撃が怖いからだよ!

「あれれ~? なに? 照れてんの? わはははは~可愛いのさ」

ぎぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!! 離して! 下ろして! 俺をお~ろ~し~て~!!

「そんなに暴れるとまた絞め技入るのさ?」

俺はそこでぴたりと動きを止める。

「是非、おぶって行ってください!」

俺は敬礼じみた格好を取りその場で固まる。

「ワハハ~。言うこと聞く悠はいい子なのさ」

そう言って上機嫌の祈雨は学校まで拉致された。

ホームルーム、俺は二度目のドッキリかと思ったよ。

だって――

「はじめまして、私、作井泉香です。現在、そこにいる悠君の家で訳あって住まわせてもらってます」

なんていうんですもん。

「悠、俺たち友達だよな?」

ごめん俺、君知らないんだけど……。

「何? あの二次元に彼女? あれもオタクなの?」

おおい! そこの女、俺を好きになるのが二次元だけとは限らんだろう!

「ええーっと、私オタクではありません。まあ、彼女でもありません。悠君とは一緒に寝るくらいで――」

そこでクラスの視線は俺に向き

「「「殺す!!」」」

待て待て! ちょっと待ってくれ! なんで殺されなけりゃいけん! てか、今まで俺のこと空気としか思ってなかった連中が揃いも揃ってなんで意気投合しているんですか!?

「……先生! 俺! トイレ行ってきます!」

「却下です」

「なぜに!?」

先生まで裏切っただと!?

クソッ、こうなったら奥の手を――

「それより校長室まで行きなさい。それからなら行っても構わないわ」

はい? 校長室?


校長室、それは生徒にとって魔の海峡であり、未知の世界である。

なぜか、そこは怒られる生徒しかいないという考えしか浮かばない。

「……俺、何かやったかな?」

思い当たる節は……ないわけではない。

家に女の子を何人も住まわせている問題児と言ったところだろうか。

だが、そんな情報を一体誰が……

泉香だろうな。

俺はため息混じりに校長室のドアをくぐる。

「失礼、しま、す?」

そこには祈雨がいた。

え? ホントにさっきのことで怒られるの?

「悠、ごめん――」

そう言って校長室を出た祈雨。俺の横を通るとき一瞬だけ見えた顔が泣いているように見えたのは気のせいだろうか。

「ああ、君が海道悠君かな?」

「え? ああ、はい」

ヒゲを生やし仙人と慕われる校長は俺の方を向き真剣な眼差しで言ってくる。

「今回呼んだのは他でもない。君の許嫁の紹介をと思ったのだが……」

許嫁?

「ああ、そういえば君たちは幼馴染だったな。なら、話は早いか。祈雨くんは君の妻に認定された少女だ」

ああ、これは夢ですね、分かります。

「許嫁? これまた唐突だなぁ」

俺は遠い目をして夢が覚めるのを待った。

「って、許嫁!?」

そこで俺は初めてこれが現実だと理解する。

「認識遅くないか?」

まったくその通りです。

「な、なんで、そんなことに」

「知らん、知りたきゃ本人に聞き給え。以上だ」

そう言って校長は部屋の奥にいく。

え? 許嫁? そんなのアリですか?

俺は校長室を飛び出し祈雨の教室に向かった。

だが、そこに祈雨はいない。あいつのことだ。きっと俺の家にいるのだろう。

俺は再び走り出し家へ向かう。

学校? そんなもん行ってたってしょうがない!

今は祈雨なんだよ!

家に着き玄関を開ける。そこには祈雨が私服で立っていた。大きなカバンを持って。

「お、お前、何してんだよ」

俺は荒い息を整えながら問う。

「うん。私出てく」

「なんで!」

俺は叫んでいた。

だってそうだろう? 叫びたくもなるさ。

「ごめん、私、もうここにはいられないよ」

そう言って俺を押しのけ家を出て行った。

俺は何もできなかった。ただ、祈雨を見送ってしまった。

「最低だ。俺は、なんで止めなかったんだ」

俺はうなだれたままその場に崩れる。

「諦めるには早いんじゃない? 悠君」

俺の背後から声が聞こえる。

「いつからいたんだ?」

その声の主は泉香だった。

「えっと、悠君が学校を飛び出してから」

「はっ、最初からかよ」

俺は地面に手を着き立ち上がる。

「もう一度言うけど、諦めるには早いんじゃない?」

ああ、そうだな。早いな。

俺は諦めるのが好きじゃない。だから泉香を守った時も最後まで一緒に戦った。

ゲームだってそうだ。俺は諦めが悪いらしい。

「助けるんだよね?」

「もちろんだ。祈雨は俺のたった一人の幼馴染だぞ?」

俺は笑顔を向け空に向かって叫んだ。

「白虎! さっさと俺のところまできやがれ!」

声は周囲に木霊す。

ひと吹きの風が吹いた時、声が聞こえた。

「ただいま神様を屠って参上しましたです」

白虎が俺の声に答え参上してくれた。

まあ、神様を屠ったと言うのは聞かなかったことにしよう。

「行くぞ。祈雨を助けに」

俺は歩き出した。祈雨の元まで。

その後ろを泉香、白虎が続く。

はあ、また俺は現実という理不尽と戦うのか。

次回予告

「私が許嫁でもいいの?」

「諦めるの? なら、悠君は私が全部もらっちゃうけどいいよね?」

「現実なんて知るか! お前の親も、現実も、関係ない! 要はお前がどう考えてるかってことだけだ!」


では、次回

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