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第八話 みんな(二人を除く)のいない日曜日

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みんな(二人を除く)のいない日曜日


俺は昨日、祈雨からのお誘いの乗って一緒に寝たのはまだいいとしよう。

だが、そのせいで朝起きたら理性のライフがマイナスまで達しているというのはどうだろうか?

「俺はそれでも男か。否、理性を失ってもなお本能が襲うなと警告を鳴り響かせる強さを誇る祈雨が男なのか」

そう言ってクマだらけの目を擦って言い放つ。

昨日の交戦はやばかった。危うく鼻血を出すところだった。

「なんたって俺がこんな目に会わなきゃならんのだ。まったく、リアルはなんで俺に付きまとうんだ」

俺はふてぶてしく、そして、雄々しく言う。

中二病? そんなこと知ったことか!

なんだ? この可愛そうな子を見つめるような目で見られている感覚は! おい! そこの君! その目をやめなさい!

「ゆーう。むにゃむにゃ」

俺に抱きつき祈雨が俺を呼ぶ。この上ない可愛らしい甘声で。

「……ふ、ふん! 今日くらいは許してやろうじゃないか」

俺は再びベットに横になる。

なんだよなんだよ。現実は理不尽だ。なんたって幼馴染の可愛い一面をを見なけりゃならんのだ。

俺は祈雨の方に顔を向け祈雨の顔を見る。

クソッ、可愛いじゃないかよ、バカやろぉ!

俺は瞬時に逆を向き悔し泣きと嬉し泣きの混ざった何とも言えない涙を流す。

「悠君、起きる時間だよ? 早く起きて」

泉香の声が聞こえた。

俺はドキリと体を震わすがゆっくりと泉香の声の方を見るとそこには笑顔の泉香がいた。

「お、おはよう」

「うん。おはよう」

俺たちの声はいつもより小さい。

理由はとなりで寝ている祈雨を起こさないためだ。

「ふふ。寝起きの悠君可愛い」

そう言って泉香は俺の唇に唇を近づける。

おいおいおい! これはどういうことだ!? このままじゃ――

「ん……んぅ……」

キスしちまってるよ。

しかも昨日と同じく舌と舌の絡み合いが……

うぅ、やばい。これは鼻血が出そうだ。そうでなくても祈雨との交戦で理性ライフがもうマイナスまで達してるっていうのに。

「ん……ふふ、悠君。体が硬いよ? もっと――」

唇を離した泉香は笑顔で俺の顔を見てきている。

ん? 待てよ? コイツの視線がどんどん下に……

「あれ? 悠君こんなに大きくしてる……」

「ぎぃぃぃぃぃぃやああああああああああ!!」

俺は隣で祈雨が寝ていることも忘れ大声を出していた。

いや! そんなところ見ないで!

俺は体全体で泉香を押しのけ部屋を飛び出した。

「あ、あはは、悠君ってばちょっとオーバーリアクションすぎるよ」

と部屋を出る一瞬で聞こえた泉香の本音であった。


朝のあの一件からすでに一時間が経った頃

俺たちは朝飯のためリビングに集結していた。

「それでは皆さんご一緒に」

「「「「「いただきます」」」」」

みんなの規則正しい声と共に俺たちは飯を食べ始めた。

うん。美味い。いつもみたくうまいよこの料理は。

ちなみに何を食べているかは内緒だ。

なぜかって? 察してくれ。

「それでは皆さんご一緒に」

「「「「「ごちそうさまでした」」」」」

俺の掛け声と共に朝飯を終え俺の今週最後の休み日曜日が始まった。

まずはきららたんに久々に挨拶でもしてこようかな?

それとも溜めてたゲームをしようかな?

「おにぃ、今日はどこ行くの?」

「どこも行かんし行きたくない」

「まさかの即答!?」

うん。うざい妹だ。

なんで俺が思考を巡らしてる時に限って声をかけてくるんだ。

「あ、悠。私一度親がいるホテルに行ってくるから」

「ああ、わかった」

俺はポケットから取り出したゲームをしながら半ば流し気味に答える。

「あ、悠様、私もちょっと諸事情がありまして家を一週間くらい留守にしたいのですが……」

「おう! 行ってこい! 大いに構わんぞ!」

俺はその場で飛び跳ねた。

ヤッッッッタァァァァァァアアアアアアアア!!

白虎がいない=天国と相場が決まっているのですよ!

しかも一週間ですと!? 大いに行ってきなさい! 自由だぁぁぁぁ!!

「何か、ひどいことを言われた気がします。試しに切り――」

「よし、善は急げだ。準備は整ったな? お菓子は三百万円までだぞ? よし、行ってこい」

俺はベランダから白虎を投げ出しパンパンと手を叩いて下に降りるのだった。

「悠君どんだけ力ずくで白虎ちゃんを追い出したかったの?」

泉香は呆れ顔で言う。

だが、俺はそんなのお構いなしに自室に戻りゲームをし始めた。

「今日は……今日だけは俺のイージーデーだ」

「それ、きっと違うとおもうなぁ」

「何!?」

今のは単純に泉香が俺の部屋に入っていたのにびっくりしたのだ。本当だぞ?

「お前、なぜ俺の部屋に入れた?」

俺は恐る恐る聞くと泉香は笑顔で鍵を垂らした。

「合鍵は常備しておくものだよ?」

…………………………………。

「お前は犯罪者か!」

俺は長い沈黙の末、泉香が犯罪者の階段を登り始めていることに気づき逃げる準備をする。

「もう、それは冗談でも傷つくよぉ」

そう言って泉香は俺の背中に絡みつく。

ああ、いい感じに育った胸が俺の背中に当たってるよ。

「おにぃ! 泉香さん知らない? どこにもいないんだけど」

と快感に浸っていると和羽の声が聞こえ我に返る。

俺は泉香の方を向くと泉香は笑顔で囁いた。

(大丈夫、鍵は閉めたよ)

問題はそこじゃねぇ!

(今のこの状況を見られたらそれこそ俺の人生終わりですけど!?)

俺は最大限声を低くし叫ぶ。

(そんなに声出すと死が迫るよ?)

まったくもってその通りです、ありがとうございました。

(それより――)

嫌な予感が俺を襲う。

「みんないないしヤっちゃおうよ」

ほらぁ! やっぱり来たよ。

それ、どこのエロゲ?

って、そんな悠長なこと言ってる場合じゃないよ! 俺の初めて今日なくしちゃうよ?

俺は泉香の顔をまじまじと見る。

うん。可愛いからOK。

「いいでしょ?」

そう言って泉香は俺の了承もなしに脱ぎ始める。

長めのショートを揺らしながら赤みがかった髪を手で制す。

下着は暗いオレンジという希にしか見れない下着を着けておりなんというかエロい。

肌は真っ白のくせに柔らかそうな肉付き、もしかしたら祈雨よりスタイルがいいんじゃないかと思うくらいのスタイルだ。

羞恥のせいか肌が桜色に染まる。

「え、えへへ。やっぱり恥ずかしいな」

「じ、じゃあ、さっさと服を着ればいいじゃないか」

俺も顔を熱くし目を逸らす。

「もう、悠君こっち見て!」

そう言って泉香が俺に抱きついてきた。

服の上からとは違い豊かな弾力性を持ったお山が俺の体に当たる。

俺の思考回路はそこでオーバーヒート、再起不能となり停止状態だ。

「私、悠君のこと大好きなんだよ? わかってる? 私を助けてくれた、そばにいてくれた悠君が私は大好きなの」

なんだよ。それ。

そんなこと言われたら、断れないじゃんかよ。

「おにぃ! 泉香さんと一緒にいるんだね? そうなんでしょ? 開けるよ?」

ズドーンと爆撃を受けたが如くドアが吹き飛んだ。

な、何をしたんだ?

「おにぃ、今何歳だっけ?」

「じ、十七です」

俺は顔をこわばらせ答える。

ああ、思い出した。

和羽の二つ名を。

「なら、子供はまだ早いよね?」

大いなる母シスター・ザ・ブラコンだったことに。

「……あい」

その日、俺は一日中妹に説教を受けたのだった。

なんで、俺が休みの時に限ってこうなるんだ。

次回予告

「許嫁? これはまた唐突だなぁ」

「ごめん、私、もうここにはいられないよ」

「ただいま神様を屠って参上しましたのです」


では次回

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