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第四話 妹という名の怪物と戦う物

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妹という名の怪物と戦う者


現在俺は困り果てていた。

今日、俺は異様なムサ苦しさと熱気で目が覚めた。

夏だからこういう日はよくある。だが、それは夏のせいではなかった。

「な、な、な、なんじゃこらりゃぁぁぁぁあああああああ!!」

俺は寝ながら叫んでいた。

俺に覆いかぶさるように祈雨、白虎、そして裸の泉香が寝ていたのだ。

一体俺が気絶したあとに何があってこうなったんでしょうか!?

俺は内心パニックにパニックを起こし思考回路が少女たちを襲えと諭してくる。

「う、ん~どうしたの? 悠君」

眠い目を擦りながらゆっくりと泉香が起き上がる。

ってぎゃー! この子裸なのに隠さずに起き上がってるぅぅぅぅ!!

真っ白いどこまでも真っ白な肌でマシュマロのように柔らかそうな二つの膨らみがゆっくり弾むのが俺の目に入る。

「あ、れ? なんで私、はだか――」

そこで自分の立場が分かり泉香は両手で胸を隠し俺の顎を膝蹴りしてきた。

「ブベデゥっ!」

俺は新しい叫び声を開発しながらも現実という理不尽に泣きながらもう一度眠りに着いた。


あれからどれほど寝たのだろう。

「悠君、起きて。学校遅れちゃうよ?」

俺の肩を鷲掴みして揺らす泉香の声が聞こえる。

ああ、このまま泉香を困らせておきたい。そんな気持ちが心の奥にあったのであろう。俺は泉香をそのままにしておこうと寝ているフリをしていると

一秒後、チェーンソーの独特のエンジン音がする。

二秒後、俺は目を開けチェーンソーを片手にニヤつく白虎を見る。

三秒後、布団を瞬時にどかし飛び起きる俺。

という三秒間という時間で俺は冷や汗を三百ミリリットルペットボトル一本半かいてなんとかこの世に生きていられた。

「チッ」

「今、舌打ちしました!?」

白虎がチェーンソーをどこかに投げたあと不満そうに舌打ちをして俺の部屋を出ていくのを見守った。

「ゆ、悠君」

振り返ると泉香が耳まで赤くして下を向いていた。

「ん? なんだ? 俺は心の安定に忙しいんだが」

俺は動揺する心を落ち着かせるためゲームをしていた。

「き、昨日はご、ごめんね? わ、私、その……ホントにごめんね!」

そう言って泉香は俺の部屋を走って出て行った。

俺か? 俺はゲームを落として固まってるよ。

なんだよ! 心を落ち着かせているって言ったのになんで昨日の酒池肉林の事を思い出させる!?

いや、嬉しくなかったわけじゃないんだ。どちらかというと嬉しいよ! そりゃあ、嬉しいさ! 俺だって男子だよ! 可愛い女の子と一緒に寝れて嬉しかったさ!

「なぜだ……なぜ昨日の記憶が途中で途切れているんだ!」

俺は頭を抱えたまま地に伏せていた。

そうなんだよ! 俺、昨日の気絶するところまで覚えているんだ。だけど気絶する寸前泉香が大切な事を言ったような気がするけどそれが思い出せないんだよ!

俺は悔しさのあまり駄々をこねる子供みたく転がっていた。

「何やってんのさ。支度しないと遅刻するよ?」

祈雨が俺の部屋のドアを開け不機嫌そうな顔で俺を見下ろす。

「そ、そうだ。今日はまだ平日じゃないか! 学校は潰れなかったのか!?」

俺は立ち上がり祈雨に聞くが祈雨は頭が痛いのか頭を抱えて立ち尽くしていた。

「そんなこと言ってないでさ。支度しなってば」

祈雨が俺の背中を叩き着替えを急かす。

待って、今叩かれたところが嫌な音したの気のせいですか?

俺はいやいや~と叫びながらも制服に着替えさせられ首を掴まれて学校まで連れてかれる。

「い、いってらっしゃい」

泉香はいつものようにドアで顔を隠しながら挨拶をしてくる。

え? 白虎? あいつは昨日買ってきたお菓子をあさってるんじゃありませんか?

俺はギブアップを表明して十五分後にやっと首から手を離してくれた祈雨に向かって文句を言っていた。

「本気で死ぬと思ったんだからね!?」

「なんでいきなりツンデレになるのさ。てか、ツンがないし」

俺はけほけほと咳払いをしてから冷静を取り戻すためスマホで有名なパズルゲームをしていた。

「悠。いつも思うんだけどさ。私といるのにゲームする?」

苦笑いを浮かべながら祈雨は俺に言う。

「何を言う。俺の存在意義はゲームの女の子と仲良くなること――ブベラッ!」

俺が話している最中に祈雨が鳩尾にアイアンクローを放ってきた。

「な、何をしやがる。お前は人類最強なんだぞ!? 俺だから良かったもののほかのやつにやったらきっと痛がる素振りすらせずに先祖に会いに行っちゃうかもしれないぞ!?」

俺は鳩尾を摩りながら祈雨にクレームを言う。

「悠以外にそんなこと……しないよ」

それは俺が嫌いととってもいいのかな? てか俺、祈雨に何かしたっけ?

「なんでそんなにお前怒ってるんだよ」

俺が聞くと祈雨はプイッと明後日な方向を見てしまった。

「え? なんでそこでその反応!? 俺はどういう反応をすればいいのかわからないんですけど!?」

俺はなんとか機嫌を直してもらおうと頑張ったが無駄だった。


家に帰り俺は絶句していた。

その場で逃げようかとも考えたが無駄だったみたいだ。

「おっにぃちゃーん!」

と言って抱きついてきたのは妹の和羽だった。

俺はコイツにあまり会いたくない。理由はただ一つこいつは極度のブラコンだ。

「ふっはー、これがこれがおにぃの匂いだぁ。ああ、甘い、甘いよおにぃ!」

って、こいつ何俺の体臭を嗅いでやがる!

「は、離れろ! この怪物が!」

俺は和羽の頭を鷲掴みし投げた。和羽は俺より一つ下の妹だがロリ体型で体重が異様に軽い。よって投げることも可能なのだ。

「うわー。悠、まだそんなこと言ってんの? こんなに可愛い妹はいないよ?」

祈雨が和羽を抱きかかえ頭を撫でている。やめろ! バカが感染るぞ!

ん? 変だな。家には白虎と泉香がいたはずだが……。

その疑問はすぐに晴れた。白虎はお菓子の袋に顔を沈ませ幸せそうに頬張っていた。

泉香は……何してんだ?

「おい、泉香。何し――」

てんだよ、お前は!

俺は泉香の見ているものを横から見るとそこには俺の小さい時の写真が貼ってあった。

「うわ! ごごごごめんね! わわわ、私こんなに可愛いなんて知らなかったからつい……」

それは弁解になってないぞ泉香。

俺はフォトブックを取り上げ妹に投げつけた。

「グバッ! 何するの、おにぃ! ま、まさか、体罰!? それともSMなのお――」

そこで俺は和羽のボディに全力のボディーブローが炸裂した。

「って、本気で死ぬかと思ったよ、おにぃ!」

「チッ」

「舌打ちした!? まさか、本気で殺ろうとした!?」

なんてやかましい妹なんだ。

俺は頭を抱えたまま妹に要件を聞いた。

「私、寮をを追い出されたからここに住まわせて?」

「却下だ」

「即答!?」

誰がこんなやかましい妹と一緒に住まなきゃならんのだ。

「皆さんは私が住むの賛成だって!」

俺がそんなハズはないだろうとみんなの方を見ると白虎は満足そうに頷き、泉香はごめんと手を合わせ、祈雨は頷いていた。

「ほらぁ、これでおにぃは私の物だって決定したでしょ?」

「どこから俺が所有物になる話をした!?」

「とにかく」

そこで和羽は溜めを作り

「おにぃは私の物なんだからね!」

意味がわからない。何? どこの世界に兄を所有物にする妹が存在するんだよ。

俺は膝を折り力なくその場に倒れた。

「悠!」

「悠君!」

「悠様!」

「ぐへへ、これで襲い放題」

おい、我が妹よ。お前は実の兄に何をしようとしているんだ?

「最悪だ。今日は俺の厄日かもしれん」

そう言って俺はよろよろと立ち上がり部屋に戻るのであった。

どうやら、白虎はお菓子を一生分与えるという無茶な条件で俺を売り、泉香は最後まで嫌だと言い張ったが俺の幼い写真のフィルムを上げると言ったらOKと言ったらしい。

俺はなんて安く売られてしまったのだろう。

当の俺は正気と勝機を失いゲームに逃避していた。

「悠君、ご飯できたけど、どうする?」

飯を食べにリビングに来なかった俺を心配して泉香が来たようだ。

「ああ、食べるよ。今部屋開けるから待ってて」

俺は立ち上がり部屋のドアを開けた。

「部屋で食べるの?」

泉香が疑問に思ったのか聞いて来る。

「ああ、下に降りるの面倒だし。ダメか?」

そう言うと泉香は首を激しく横に振り否定を示す。

「ううん。いいよ。じゃあ、お邪魔しまーす」

泉香が俺の部屋に入ってきた。

別に入らなくても良かったのにまあ、いいけど。

俺は運ばれてきた飯を食べ始めた。何も話してはいないけど泉香はニコニコした顔で俺を見る。

「な、なんだよ。俺の顔になんか付いてんのか?」

俺は気恥ずかしくなり顔を逸らしながら言う。

「ううん。別に何も付いてないよ? ただ、可愛いから見惚れてただけだよ?」

そ、そんな可愛い顔でそんなこと言うんじゃねぇよ!

俺は顔が熱くなる感覚を止められず恥ずかしさを紛らわすために飯をかき込んだ。

「そんなに無理して食べなくてもいいのに。喉につっかえちゃうよ?」

ふふっと笑いながら俺を見る泉香。

ぎゃー、そんな目で見つめないで! お、俺の理性が破壊される!

「何私のおにぃといちゃついてくれてますかな?」

ドアには鍵をかけたつもりだがなぜかドアを開けて入ってきた和羽に俺はドン引きしていた。

なぜなら、その手には捌きかけの魚を手にしていたからだ。

「それは私の物なの!」

そんなことよりお兄ちゃんはお前の今の格好について聞きたいよ!

どうしたらそうなるの!?

「って、俺は物じゃねぇ! そして、お前のでもねぇ!」

ハッと我に返った俺はそう叫んでいた。

そして、それに続くように泉香も叫ぶ。

「そ、そうだよ! なんでそんな格好してるのかわからないけど。悠君の言う通りだよ!」

おお、泉香も言う時は言うんだな。

俺は泉香に感心しながら話を聞いていると和羽が人差し指を泉香に突き付け叫んだ。

「泉香さん! あなたはおにぃの何なの!?」

おいおい。正妻が夫の浮気相手を見つけて言うセリフをここで言うなよ。

「わ、私は……」

流石の泉香も困り果てていた。

俺が助け舟を出すつもりで口を開くと先に泉香が叫んだ。

「悠君は私の大切な人だよ!」

俺は口を開いたまま固まっていた。

だって、ねぇ? 馬鹿な妹がこの言葉を聞いたら、ねぇ? わかるでしょ?

「は……へ? ええーっと。え?」

和羽は錯乱状態に陥ってしまった。まあ、無理もないだろう。

「だって、だって……」

泉香の攻撃はまだ終わってなかった。

「悠君は私とこ、子供作るって言ったもん!」

……………………………………。はい?

「「えええええええええええええええ!?!?」」

俺の部屋に俺と妹の声が散乱する。

待て待て、俺そんなこと言ったっけ? 言ってないぞ! あれ? 俺、昨日のことあんまり思い出せない!

言った犯人は恥ずかしかったのだろうその場にへたりこんでしまった。

いやいやいや、待ってよ。できれば俺が言った言動全て教えてくれませんか!?

「お、お、お、おにぃ」

そう言って理解しきれなくなった和羽の脳は気絶することを推奨したらしく和羽は意識を失った。

「悠君!」

そう言って問題の泉香さんは俺に抱きついてきた。

うん。胸が柔らかい。

それを機に俺は眠りに着いたのだった。

ああ、なんだかこの頃気絶して寝るのが多くなった気がするよ。

これから俺の人生はどうなるんだろう?

そう思いながら俺は気絶するのだった。

次回予告

「おにぃがモテモテなんてありえないよぉ」

「は? 俺がお前に何をしたって言うんだ?」

「切り刻まれるの好きですか?」


では、次回

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