8話
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早朝、3人はこの街を出る為、門を抜けた。
あのあと男達は騎士達に捕まったが、再起不能の様な目をしているらしい。その原因は何かと現在調査中だとか・・・。
街から少し距離をとり、ルスクに乗る。
「目的地は?」
ルスクは祭に聞く。
祭は街で購入した地図をルスクの背中に広げて言った。
「当然、王都!」
「分かりました。確かここから北に行くとあるんでしたよね?」
「うん、行くよ!」
「はい」
大きな翼を広げルスクは飛びっ立った。
目的地はこの国最大の都市、王都。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
この街で学んだ事だが、この大陸は主に4つの国で構成されている。
まずこの国、『ニストゥル王国』
人口の8割が人間で異種人(エルフ・獣人・妖精)は珍しいのだとか。その為この街では一度も異種人を見ていない。
そして隣の国、『アーディウス帝国』
龍の国が滅んだと同時に国土を吸収した軍事国家。現在、ニストゥル王国と同盟を組んでいるらしい。
その隣の国、『ハスト神聖国』
宗教が盛んな国。平和主義でどの戦争も中立を保っている。
そして最後の国が、『メイラストール皇国』
現在、アーディウス帝国と戦争中。魔法が盛んで、国をあげて魔法使いの戦地導入に力を入れている。
以上の4国で大陸は構成されている。
なお、ルスク等の龍は現在絶滅の危機に瀕しているらしい。
敵対の意思は人間にないようだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「ここが王都かぁ」
ルスクの背に乗ったまま祭は呟く。
上空から見ると、首都だと分かるほどに王都は大きい。王都の周りは巨大な砦に囲まれ、中央に出来た外壁が白一色の王城を囲むように白や茶等といった屋根の建造物がとても印象的だ。
「そろそろ降りますよ」
「うん、お願い」
ルスクはどんどん降下していく。
門番にギルドカードを提示して通行料の銀貨10枚を3人分支払った後、3人は何の障害もなく王都に入ることが出来た。
「うわぁ~~~~!!」
人の多さと、活気あふれる空気を目の当たりにして祭は感嘆の声を上げる。
「・・・お母さ―――マツリちゃん。あてもなく来たけど、どうするの?」
街中なのでミディアは祭の事をお母さんと呼ばない。
「う~ん・・・。まだお昼には早いしな・・・」
時刻はまだ午前10時。確かにお昼にはまだ早い。
「先に宿を探しておきますか?」
「そだね」
3人は、宿を探すことにした。
1時間程で宿を見つけ、十分に部屋が余っていたからお金もある為一番いい部屋をとり街の観光に出る。
「どうする、お母さん?」
「そうですね・・・。取り敢えずギルドに行ってみましょうか?あそこなら色々な情報が横行していますから」
「そだね、ミディアお姉ちゃんはなんか意見ある?」
「・・・ない」
ギルドの場所を人に聞きながら3人は、王都のギルドに向かった。
「へー、流石王都だね。ギルドの大きさがあの街のギルドの5倍はあるよ」
ギルドの扉を開けると、そこにはずらりと並ぶ受付と少し離れた場所に酒場の様な物が出来ていた。
まだお昼なので酒場のお客の数は少ないが、数人の酔いつぶれている男が見える。
「すみません」
ルスクは受付の女性に話しかけた。
「どうしましたか?」
「王都に来たのは初めてでこの王都の情報が欲しいのです。何でもいいので何か教えては頂けませんか?」
「そうですね・・・」
あまりに大雑把な質問に受付の女性は少し困った顔をした。
「えっと、今王都は建国記念日に備えてどこも準備期間に入っています。当日は、沢山の屋台や街の鍛冶職人、法器職人が自慢の力作を披露したりしますね」
「法器?それは何ですか?」
「法器を知らないんですか?法器とは『魔法式武器』の略で簡単に言うと魔力で特殊な効果を発揮する武器の事です。最近は『魔装』なる鎧の類も開発中だと聞いた事があります」
「すごーい!」
それに祭はかなり驚く。
600年前はそんなもの無かったのだ。
「続けますが、記念日の数週間後には王都にある色々な学校が入学シーズンを迎えます。その為、今から王都に足を運んでいる受験生やその親族も多くいます。貴方がたもそうなのですか?」
「違いますよ。私達はただの観光です」
「そうですか。ではやはり記念日のために?」
「いえ、それは初めて知りました」
「初めて?もしかして他国の方ですか?」
「ちょっと色々ありまして」
600年も森で暮らしていたなんて言えないのでルスクは、適当にお茶を濁し3人はギルドを後にした。
「まさか法器なんて物が出来てたなんてね」
祭はルスクと手を繋ぎながら嬉しそうに言う。
「・・・あたしも知らなかった」
「私も1個法器買ってみようかな」
「買いに行ってみます?」
「うん、行こう!」
3人は法器を扱っている武器屋を探す。