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7話

お気に入りが100を突破していました!

本当にありがとうございます!



街の一角、とある4人の男達は自分達がした事を全力で後悔していた。


「もっ、もう許してくれっ!」「ひっっっっ!?」「ギャ―――――――――!!」「・・・・・・・・・」


「まだまだ。ルスク、回復ね」


「はい」


ルスクは男達に回復魔法をかける。


「そんじゃ行くよ」


『うわぁああああああああああああああああ!!!』


そこには男達の断末魔と絶対零度の祭の声が響く。




それは数十分前に遡る。




☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「今日どうするー」


時刻はお昼頃、屋台のいい匂いが街に漂っていた。


そんな中、あてもなく街をぶらぶらしながら祭はルスクに聞く。


「そうですね、適当にお昼は済ませましょうか?」


「・・・うん」


「私もそれに賛成」


3人が購入したのは数個のお肉が串に刺さっている物だった。


「おいしー!」


「はい、美味しいですね」


注文してから焼いてくれるらしく、祭とルスクは焼き終わった物を食べている。


「あれ?ミディアは?」


「まだ焼き終わるのを待ってる筈ですが?」


と、背後の屋台を見るとそこにミディアの姿はなかった。


「ミディアがいない!?」


「どこいったんでしょうか?」


「とっ取り敢えず探してみる!」


祭は魔力を『気体』にして街中に放つ。


「見つけた!なんかすごい勢いで移動してる!」


「すごい勢い?で、どこにいるんですか?」


「えっと・・・この通りを真っ直ぐ行った所かな。ちょっと先回りしてみよう!」


「はい」


2人も走り出す。




「ん――――!ん――――!」


袋に詰められ、口を塞がれたミディアは抗議する。


「静かにしろ!」


男の1人がミディアの腹に拳をいれる。


「おいおい、こいつは大事な金の種なんだから大切にしろよ」


「それより傷物にしてもいいか?」


「ダメダメ、俺が先だ」


4人の男達は不気味に笑う。


「それにしても驚く程簡単に捕まえられたな」


「だから言っただろ?安全だって」


「これで身代金の要求もできるな」


「晶貨100枚位言ってみるか!アイツ等なら用意できるだろう!」


『ハハハハハハハハハハハハハハ!!』


「何がそんなに面白いの?おにーさん」


「何がって、簡単に捕まえら・・・って、えぇえええええええええええええ!!?」


目の前には祭が笑顔で立っていた。


「逃げろ!」


男の中の1人が出した声で一斉に逃げようとした。が、男達は動く事が出来なかった。


「なっ!?」


「私の糸から逃れようとしても無駄だよ。絶対に切れないから」


祭の口の端が釣り上がる。


「ねぇー、死にたい?それとも死にたくなるほど苦しめられたい?」


糸が締め上げられていく。


「私的には苦しめてから殺したいんだけど、異議はないよね?」


男達の顔は青ざめていく。


「それじゃいくよ」


糸はどんどん締め上げられていき、ミシミシと音を立て始める。


男達は悲痛の叫びを上げながら苦しみ出す。


「痛いよね?それ、死なない程度に骨砕いていくから」


そう言うがその言葉は届かない。


「ルスク、死にそうだったら回復よろしくね」


「分かっています」






そして現在に至る。


「えっとこれで16回目だね。ねぇー、後何回がいい?」


そう言うが男達の目は虚ろで何を言っても反応しない。


「沈黙は死ぬまでがいいって捉えるね。ま、まだまだ殺さないけど」


「お母様、それぐらいにした方が・・・」


「へ?なんで?」


「ミディアは帰ってきましたし・・・それより周りを気にしてください」


「あ」


祭の周りは野次馬で一杯だった。


「失礼しました―――――――!!」


祭はミディアとルスクの手を引っ張って宿に走った。




「・・・ごめんなさい」


やっと落ち着いたミディアはベッドに座って、2人に向かって謝る。


「いいっていいって、家族だし大切にするのは当たり前だよ。それに今回の事は、私も気を配ってなかったのが悪かったしね。ミディアに責任は無いよ」



そう言いながらよしよしとミディアの頭を撫でる。


「・・・でも、あの騒ぎのせいでもうここには居られない」


この誘拐騒ぎで祭が行なった報復活動はその内街中に広まるだろう。そうすれば、心底居心地が悪くなるのは、目に見えていた。


「お金は一杯あるし、それに王都にでも行けばいいしね。大丈夫、ミディアは悪くない。そもそも報復なんてした私が悪いんだよ」


「・・・でも」


「でもじゃない。ミディアはもうちょっと強くなればいいよ。何でも教えてあげるから」


「・・・ありがとう」


「これでも母だからね」


祭はミディアに微笑みかける。


「・・・うん、マツリさ―――」


一拍あけてミディアは涙を堪える。

そして今まで見たことのない最高の笑顔でミディアは言った。


「―――お母さん」


その日、やっとミディアは家族になったのかもしれない。






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