6話
こんな駄文ですがこれからもよろしくお願いします!
ミディアが購入したのは弓だった。
村に居た頃、父親と狩りに行くことが多かったらしく弓の腕はいいらしい。
防具は比較的動きやすい物になっている。基本的に遠距離型なので重装備をしても意味が無い。
「私はこれね」
祭は、近くにあった剣を適当にとって会計に出す。
「・・・いらないんじゃなかったの?」
一緒に購入したベルトで弓を背中に固定しながらミディアは祭に聞く。
「あんまり簡単に倒しても面白くないじゃん。剣術だけでもその辺の魔物と渡り合えるからね」
「おっ、お嬢ちゃん強いねぇ」
祭の発言に店主がつっこむ。
「それではありがとうございました。また来ます」
「おお!待ってるよ」
3人は武器屋を後にした。
「あれ?もうお昼回っちゃったね」
時刻を見ると今は2時。どうやら武器や防具を選んでいて時間を忘れていたようだ。
「仕方ないのでその辺の屋台でお昼はすませましょう」
その後、屋台に行き、雑貨屋で小物を買った後はそのまま宿に戻り、体を休めた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
それから2週間、残金は武器や防具を買ったためかなり減ったがまだ晶貨1枚と金貨が30枚近く残っていた。
「ねぇー、もう依頼とか受けに行こうよ」
祭はベッドの上でゴロゴロしながらルスクに言う。
「もうですか?まだまだお金はありますよ?」
「いや、だってさぁ・・・暇」
「それには同感ですが、最近また突っかかってくる人間の数も増加してきてますし余り目立たない方がいいと思いますが?」
「えええぇ、だって私まだこの剣1回も使ってないよ?ミディアも練習はしてるみたいだけど実践はまだだし」
「・・・あたしも行きたい」
ルスクは少し考え込んでから諦めたように嘆息して2人に言う。
「それなら行きましょう」
「やったぁー!」
祭は万歳をして喜ぶ。
「それではワイバーン2体の討伐でよろしいですね?」
ホワイトボードに貼られていた依頼を受付に持って行った。
「はい、お願いします」
「場所は東の草原付近です。頑張ってくださいね」
「はい」
そう言ってギルドを出ようとした。が、それを誰かが呼び止めた。
「ちょっとまて」
ルスクはまた嫌そうな顔をするのでそれには祭が答えた。
「なに?おにーさん」
「お前らまた偽装するのか?」
その言葉にギルド内の空気が凍った。
「この間の事もそうだが俺達の仕事なめてるのか?」
「何言ってるの?」
「とぼけるな!お前らが偽装してんのは分かってるんだよ!」
「証拠は?」
祭がそう言うと一瞬怯んだがすぐに調子を取り戻した。
「こんなひょろひょろな女3人で倒せるはずがないだろう!」
男が怒鳴ると少し間を置き祭が聞く。
「じゃー・・・試してみる?」
その提案にギルド内は騒めく。
「お前ら俺達を相手取って勝てると思ってるのか!?」
「うん勝てる。なんなら今すぐここにいる全員、殺して見せようか?」
冷ややかなその祭の声に全員の額に冷や汗がにじみ出る。
相手は自分より体の小さい女の子だと言うのに男達は一瞬後ずさった。
「お母さん、行こ?」
興味を無くしたようで祭はルスクの服の裾を引っ張って言う。
「そうですね。行きましょう」
その3人を引き止める人物は誰もいなかった。
「・・・今更だけどマツリさんって剣使えるの?いつも魔法ばっかりだけど」
草原に降り立ち、遠目でワイバーンが見えてきた頃ミディアは祭に聞く。
「使えるよ。少なくともその辺の達人位だったら赤子の手をひねるように倒せるね」
「・・・つくづく化け物」
「これでも人間のつもりだよ。そもそも知識は頭に入ってたからね。あとは長い時間をかけて体に馴染ませてきた」
「・・・へー。じゃ、あたしはここから狙うから」
ミディアとワイバーンの距離は、まだ500m近くある。いくらいい弓でも矢をそこまで飛ばすなんて不可能だ。
「いやいやいや、流石にこの距離は無理でしょう」
祭は手を横にブンブンと振って言う。
「・・・大丈夫。風魔法で補助して飛ばすから。ちなみに今までの最高記録は700m」
「殆ど暗殺者じゃん!?」
祭は口をポカンと開けて驚愕した。
「お母様、私はどうすれば・・・?」
「ん?ルスクはそこでまってて」
「・・・・・・私って移動手段・・・」
ルスクはショボーンとしている。
戦闘が始まったがその決着はとても早く終わった。
ミディアの放った一発は脳天に直撃し一撃。
祭は隙を見て喉を貫き一撃。
その後2人は、ワイバーンの尻尾の先端を2つ切り持っていった。
「そう言えばさぁ、ミディア?」
宿に戻り、椅子で本を読んでいるミディアに祭は聞く。
「・・・なに?」
「何で私の事もルスクの事もは他人行儀な言い方してるの?家族だよ?」
「お母様、16年間一緒にいた家族があったミディアにいきなりそう呼べというのは流石にキツいかと」
「・・・うん、そう」
「ふ~ん」
少し不服そうに祭は納得する。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「おい、アイツ等どうする?」
「どうするもこうするもアイツ等完全にヤバイだろ。今日のギルドでの騒ぎ見たか?」
「あー、あれは関わらない方がいいな」
「いや、あの中で一番安全な奴がいるぞ」
暗闇の中4人の男たちは不気味に笑う。