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4話

なんかお気に入りが86件になってました!

ありがとうございます!



ミディアに聞いたところ村から北に行った所に大きな街があるらしいのでルスクはその近くまで飛んでた。

 


門番の人に盗賊に襲われたと言うと、何人もの騎士を連れて行ってしまい3人は街に入ることが出来た。


街に着いてから宿に泊まるお金がない事が分かり、3人はギルドで稼ぐことにした。



「おねーさん!」


祭は、元気良くギルドの受付に座る女性に話しかけた。

それに受付の女性もニコニコしながら返す。


「どうしたの?」


「ギルドの登録したいんだけど、どうしたらいいの?」


「えっと、お父さんかお母さんは?」


「ここにいます」


その言葉にすっとルスクが入る。


「いちお両親どちらかの許可があれば年齢制限なくギルドには登録出来ますが、登録しますか?」


「はい、3人分お願いします」


「分かりました」


受付の女性はペンと用紙を取り出した。


「こちらに必要事項を記入してください」


「はい」


ルスクは用紙を祭とミディアに渡した。


そして書き終わった物を受付に出す。


「この内容で登録なさいますか?」


「はい」


そう言うとその用紙を持ってどこかに行ってしまい、1分もしないうちに戻ってきた。


「初めての方は無料ですが、紛失した場合銀貨1枚を支払っていただきますので失くさないようにしてくださいね」


「はい、気をつけてくださいね2人とも」


「はーい」「・・・はい」


「それでは、ギルドの説明をいたしましょうか?」


「お願いします」


「ギルドにはあらゆる依頼が集まってきます。討伐、護衛、探索。他にも色々ありますが注意して欲しいのは、ギルドは依頼での生死は一切責任を負いません。その為討伐等、危険な依頼は十分注意してください」


「はい、では早速依頼を発注できますか?」


「出来ますよ」


「では、一番報酬が高い依頼で」


「は?」


受付の女性の表情が固まった。

まるで何を言っているのか分からないと言っているかのようだ。


「だから一番高い報酬の依頼をお願いします」


「さっきも言いましたが怪我をしても死んでしまってもこちらは一切の責任を負いませんよ?」


「分かっています。早く教えてください」


「・・・・・・分かりました。えーっと・・・西の山にいるグレンデルの討伐ですね。報酬は晶貨2枚です」


「それでお願いします」


「・・・本当に気をつけてくださいね。もし討伐できたらグレンデルの体の一部を持ってきてください」


「はい」


3人は、ギルドを出た。





「そう言えばさぁ。晶貨って何?」


祭はルスクの背に乗りながら2人に聞く。


「さぁ・・・私は知りませんが」


「・・・銅貨100枚で銀貨、銀貨100枚で金貨、金貨100枚で晶貨だよ。だから一番高いお金」


「へぇ、それは凄いね」


「・・・それより倒せるの?」


ミディアが心配そうに祭に聞いた。

が、それに答えたのはルスクだった。


「お母様なら心配いらないでしょう。むしろ死体が残るかどうかの方が心配です」


「大丈夫大丈夫。アレ使うから」


「アレですか・・・可哀想に・・・」


「・・・アレ?アレって何?」


「ふふふ、行ってからのお楽しみ」


「・・・気になる」


ミディアが腕を組んで考え込む。


「あっ、お母様あれでは?」


ルスクが飛んでいる場所の下には巨大な沼地が広がっていた。

そこに下半身だけ浸かった醜い巨人がいた。


「多分そうだね。じゃ、おろしてルスク」


「はい」


ルスクは少しずつ下におりて行く。




沼地に降り立つと、祭はグレンデルに近づいていった。


ルスクとミディアは近くの森の中でその様子を見守る。


「・・・何で襲ってこないの?」


ミディアは隣にいるルスクに聞く。

その問いにルスクは祭を見たまま答えた。


「あれはお母様が魔力を練り上げて細い糸を作り、それで拘束しているんです」


「・・・拘束?それじゃどうやって倒すの?」


「・・・・・・見ない事をおすすめしますよ」


ルスクは深刻な顔をしてミディアに言った。

ミディアはその言葉の意味が分からず首を傾げる。


「始まったみたいです」


ルスクがそう言うのでミディアは祭の方を見た。


祭はどう言う原理か宙に浮いた状態でグレンデルの額に触れている。


「本当に見ないほうがいいですよ。トラウマになりますから」


「・・・いい。大丈夫」


「そうですか」


そう言った瞬間、グレンデルは耳を塞ぐほど大きな断末魔を叫びながら苦しみだす。


「・・・どっどうしたの!?」


「あれは、お母様が魔力を『液体』にして体内に無理やり流し込んでいるんです。流し込んだ魔力は体中で暴れまわります」


「・・・酷い」


そう言っている間にもグレンデルの様子はどんどん変化していく。


皮膚の中を何かが這いずり回るように動き出し、眼球は飛び出してきた。


すると、いきなり体中から真っ赤な血液を噴射し、大人しくなった。


「・・・うっ」


ミディアは手で口を被って後ろを向く。


「だから忠告したと言うのに・・・」


後ろで気持ち悪そうにしているミディアを半眼で睨みながら言う。


「終わったよー」


祭は服を真っ赤に血で染めながらグレンデルの大きな指を持ってきた。


「ルスク、帰ろ」


「はい、ミディア行きますよ」


「・・・うっうん」


ルスクに浄化魔法を使ってもらって清潔な服になった祭と気持ち悪そうなミディアは、龍の姿のルスクの上に乗る。





「ほっ本当に倒してしまうとは・・・。しかもこんな短時間で・・・」


受付に持っていくと女性は目を見開いた。

周りにいるギルドのメンバーもまじまじとその様子を見ている。


「早く報酬を下さい。日が暮れてきましたから早めに宿を取りたいんです」


「はっはい!!」


受付の女性はグレンデルの指を抱えてどこかに行ってしまい、帰ってくるとその手には報酬の入った巾着袋が握られていた。


ルスクはそれを受け取ると中身を確認し、晶貨の1枚を金貨100枚に変えてもらう。


「それでは、また来ます」


そう言って3人はギルドを後にする。







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