表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/33

19話

※誤字修正しました。

グゥ~~~



朝、起きると同時に3人のお腹は鳴った。


「お腹すいた」「お腹すきました」「・・・お腹減った」


3人は口々にそんな事を呟く。


「どうする?森になんか木の実でもあるかな?」


「そうですね。探しに行きましょう」


朝から森に入る3人だった。





「おっ!なんか一杯なってる木があるよ!」


3人で手分けして搜索している時、祭はそう叫んだ。


すると2人はすぐに駆けつけた。


「食べれるんですか?」


「食べられるよ。甘いらしい」


祭は世界の知識を有している為、新しい物以外の知識ならば基本的にある。


そして3人は木からその実を3つ取った。


『いただきまーす』


3人は齧るとシャク、とリンゴを齧った様な音が出た。


「んっ!美味しい!」


「はい、美味しいですね」


「・・・美味しい」


黙々と3人は食べ進めた。


そして2つずつ食べたところで10個程取り、バッグにしまった。


「それじゃ行きましょうか」


ルスクは祭に聞いた。

が、祭は少し悩んだような様子で下を見ている。


「?どうしたんですか?」


「いや、ちょっとね」


「・・・どうしたの?」


そんな祭の様子に2人は首を傾げる。


「なんか、昨日変な声が聞こえたんだよ・・・」


そう言うとミディアは何を想像したのか「ひっ!」と声を上げる。


「・・・そっ、そそそそそれって・・・ゆっ幽霊?」


「違う違う。なんか動物の声だよ。やけに聞き覚えのある、ね?」


そう言いながら祭はルスク方を見た。


「まさか・・・・・・あの子ですか?」


「多分」


「なら探すんですか?ミディアに会わせてみます?」


「そうだね。そうしよう」


「?・・・なに言ってるの?」


ミディアの疑問に祭はミディアの方を向き言う。


「多分だけどね。声の正体は家の四男だよ」








その後、2人はルスクの背に乗り、森が一望出来る位の高さまで上昇した。


見つけたとしても、下からより上からの方が向かいやすいからだ。


「お母様、これぐらいでいいでしょうか?」


そこそこの高さになったので、ルスクは祭に聞いた。


「いいよ。これだけあれば十分」


そして祭は、魔力を『気体』にして放った。


しばらくして祭は、物凄く嫌そうな顔をした。


「・・・どうしたの?」


そんな祭にミディアは聞いた。


「いや・・・ちょっとね」


「どうしたんですか、お母様?」


ルスクも心配そうに聞いた。


「ごめん。四男じゃなかった・・・」


「じゃー誰ですか?」


そして祭は顔を引きつらせながら言った。



「次男」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


その祭の言葉にルスクは、言葉を失ってしまった。


「?・・・次男じゃダメなの?」


そう不思議そうな顔をしながらミディアは、首を傾げる。


「ダメじゃないんだけど・・・。色々面倒くさい、って言うか我が家のバカと言うか・・・」


「・・・我が家のバカ?」


「そうですね。バカと言うか天然ですかね?良く言えば抜けている?」


祭とルスクの言葉にまたミディアは首を傾げる。


「どうするミディア、会いたい?」


「・・・会いたい」


「分かった、それなら行こうか。ルスク、あの谷の近くに居るからちょっと行ってくれる?」


「わかりました」


ルスクは、祭の指示を受けながらその場所に向かった。








「居た」


ルスクから下りて少し歩くと、祭は発見したらしくそう言った。


「・・・あの人?死んでるんじゃないの?」


ミディアの目の前には、倒れた男性が居た。


顔は、向こうを向いているからわからないが、髪は祭と同じ黒で短め。そして肌も黒い。耳は、エルフの様にピンと尖った長い耳を持っている。


服装は、肌とは対照的な白のタンクトップの様な物に、作業着のような長いズボン。


さっきから全く動かない。


「大丈夫、大丈夫」


そう言いながらカバンにしまった木の実を1つ取り出し、顔を向こうに向けている男性の口に近づける。



シャリ



そんな音と共に、いきなり上半身を起き上がらせたと思ったら、今度は祭の手から木の実を奪い取りガツガツと食べ始める。


「もっと落ち着いて食べないと喉に詰まるよ?」


そう祭が忠告するが全く勢いは止まらず、芯まで食べて最後にゲップをした。


そしてやっと立ち上がり、祭の方を向いて言った。


「また昔と同じ感じで助けられたな。お袋」


気さくな笑みを浮かべながらその男性は祭に言った。





ついに次男登場です。


今回の話で分かるように祭の子供は息子4人、娘4人で構成されています。

最初は、息子3人、娘5人にする予定だったんですがバランスが悪いのでやめました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ