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15話

「何組ですか?」


「えっと確か・・・1-4だよ」


玄関で外履きから内履きに履き替え、1年教室のある4階を目指しながら祭は言った。


この学校は1階に職員室等、2階に3年教室、3階に2年教室、4階に1年教室となっている。

特別教室(理科室、音楽室)等は、1階に集中している。


魔法・武術等は、午後から始まり、午前は通常の学問を学ぶ。




「おはよー!」


例のごとく祭は、教室の扉を開けると同時に大きく挨拶をする。


登校するのが遅かったのか、大半の生徒はもう教室いた。


「おはようございます」


「・・・おはよう」


それにつられ2人も挨拶をしながら教室に入った。


周囲の生徒は集まって何やらざわついている。

「あれが学年主席か?」「てかどれだ?」「昨日居なかったよね」「あのちっちゃいの本当に15歳か?」「それよりあの青髪の人の体型完全に15歳超えてるでしょう・・・?」「それより俺、あのちっさい奴建国記念日の日に見たぞ」

などなど、耳を澄ますと聞こえてくた。


「お母様、なにやら怪しまれていますよ」


席は自由だったのか、3つ並んで一番後ろの空いていたので3人はそこに座った。


そしてそんな言葉を聞いてゴソゴソと小声でルスクは隣に座る祭に聞く。


ちなみに席は祭を真ん中に置き両端に2人が座っている。


「大丈夫大丈夫。そっちの方が面白いよ」


「・・・面白い前に友達が出来るか不安」


「う~んそれもそうだね・・・」


そう言って祭は勢いよく立ち上がりさっきの生徒の集団まで走っていった。


「おはよー、みんな!」


満面の笑みで挨拶をした。


『(かっ・・・・・・)』


その幼さに、儚さに、可愛さに、生徒の心は一つとなった。


『(かわえぇえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!)』


そして生徒の中の1人の女子生徒が祭に近づいてきた。


「あれ?なんでそんな手を不気味に動かしながら近づいてくるの・・・?えっと・・・ランジェさん」


制服に名札が付いていた為、それを見て祭は額に嫌な汗を滲ませながら言った。


「ラッ、ランジェでいいです!マツリさん、いやマツリちゃん!ちょっと頬ずりさせてください!」


ランジェは祭を抱き上げ、全力で抱きしめる。


「ちょっ、きついきつい!放してー!」


「嫌です!このままお家にお持ち帰りします!」


「いーやーだー!」


そう抵抗するも、なすすべもなく拘束され、HRを迎えた。





「はーい、席につけぇ」


どこかで見たような長い金髪。服装は教師らしくスーツの女性が入ってきた。


それを見て、祭は勢いよく立ち上がった。椅子が倒れたが気にしない。


「アリシアさん!?」


「あー、また会ったなマツリさん。昨日はあなたが来なかったから代理立てるの大変だったんだからな!」


「ごめんごめん、だって誰でも新入生代表の挨拶なんて面倒でしょ?」


「面倒だから入学式に出ないなんて・・・。大物だな、悪い意味で」


アリシアは、嘆息してからHRを再開する。


「今日から本格的に授業が始まるが午後からの授業は主に選択だ。魔法、剣、槍、弓、法器。その他各種多くの授業があるからしっかりと一週間見学して選ぶように。以上だ」


そしてアリシアはまた教室を出て行こうとした時、アリシアは祭に話しかけた。


「そうだマツリさん、校長が呼んでいたぞ」


「えー、めんどいなぁ」


そう言いながら、祭は重たい腰を上げる。






「ここが校長室だ。仮に怒られたとしてイラついたからと言って殺さないでくれよ?」


「私ってそんなに物騒な人に見えるの!?」


「教師陣の頭いじる様な人だからな、何をするか分からない」


「あれ?バレてたの?」


「校長が気づいたんだ。それを言われるまで私も気づかなかった」


「ふ~ん・・・、そんじゃ行ってくるね」


「いや、私も一緒に呼ばれているんだ」


そう言いながら2人は校長室に入った。





「失礼しまーす」


そう言いながら祭は部屋に入る。


部屋は1人の部屋にしてはやけに広く部屋の中心に置かれた机がやけに目立った。

校長と思われる人物は、やけに大きな椅子に座り部屋のドアに背を向け、顔が見えない。


「やー、よく来たね」


その時、祭はその聞き覚えのある声に耳を疑った。


そして校長は椅子をクルリと回し、こちらを向いた。

灰色の少し長めの髪に赤い瞳、顔は整っており色白だ。

その優男は祭を見つめて言った。



「母さん」



「なっ!?なんでシルヴァがここにいるの!?」


祭は思わず叫んだ。


「ふふふ、僕も立派になったものでしょう?今やここの校長だよ?」


シルヴァは足を組み、笑っている。


アリシアは完全に取り残されていた。


「あっあの、校長?この人は・・・?」


「ん?僕の母さんだよ」


「母さん!?」


アリシアはカクンと膝を折った。


「それよりシルヴァ、300年前に出てったと思ったらこんな場所で校長してたんだね」


「うん、なんか学校って建てたら面白そうだと思ったからね」


「で、なんの用?私は学生生活を楽しみたいんだよ」


「へへへ、ちょっと重大発表があってね」


そしてシルヴァは立ち上がり、復活したアリシアの肩を抱く。


「僕たち、結婚しました!」






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