12話
急いで書くと誤字出ちゃいますね・・・。
これからも気をつけて行きますが、またあった時は報告よろしくお願いします。
「おにーさんっ!」
祭はまだ少年と摸擬戦をしている騎士の後ろから声をかける。
「次、私とやってくれる?」
「ああ、いいよ」
祭は笑顔で答え、今相手をしている少年に話しかけた。
「君、もう止めた方がいいよ。剣は木だけど当たったら痛いだろ?」
「! 僕はまだ一発もいれてない!」
「いや、それは分かるけど・・・。他の子もいるしね」
そう言いながら強引に少年から剣を取り上げ、祭に手渡す。
「持てるかい?」
騎士は笑顔で祭に問いかける。
「うん!」
その様子に周囲は微笑ましそうにしている。
が、ミディアだけは「何やってんの、あの人」の様な視線を向けている。
「それじゃ、行くよ!」
「ああ」
完全に騎士は祭をなめているようだ。
「はい、終わり」
「は?」
気がつくと剣の先端が騎士の首にピタと押し当てられていた。
そのいきなりの事に観客は響めく。
「今のが真剣だったらおにーさん、死んでたよ」
「ははは・・・参ったなぁ」
完全に騎士の顔は引きつっている。
「国の騎士が聞いて呆れるね。これぐらいで国を守ろうなんて」
祭はあからさまに肩を竦めて言う。
子供相手とはいえ、騎士の額に青筋が浮き出す。
「貴様!!」
思わず騎士は叫んだ。
その声に周囲の他の騎士や宮廷魔導士が一気にこちらを向く。
「何?怒ってるの?負けて怒るのは子供のする事だよ」
「言わせておけば!」
騎士は祭に切りかかる。
祭はそれをかるくいなし、鎧と鎧の間に出来た隙間に思い切り剣を叩き入れる。
「本当に弱いね。見習いからやり直したら?」
そう言うとまたその騎士は祭に襲いかかる。
振り下ろされる剣を避け、跳躍し首筋に剣を叩き込むと騎士の意識を刈り取った。
「この程度なの?ねぇ、おにーさん起きてよ」
祭は騎士の頭を剣でツンツンと突く。
「はぁ、つまんない」
「ちょっと待ってくれないか?」
剣をポイと捨て、ミディアの元に戻ろうとした時、祭は女性の声に呼び止められた。
「ん?なに?」
振り返ると背中に大きな大剣をさし、腰ほどまである長い金髪の女性がいた。
「少し手合わせ願えないだろうか?」
「別にいいけど・・・あなたは?」
「私は副業だがこの騎士団の指南役をしている者だ。名はアリシアと言う」
「ふ~んアリシアさんか・・・。私は祭だよ」
「それではマツリさん。いきなりで悪いのだがあなたは何者だ?」
「何者と言うと?」
祭は首を傾げる。
「とぼけないでくれ。あなたのような小さい女の子がうちの騎士を倒せるはずがないだろう」
「う~ん、そうだね。私に勝てたら教えてあげるよ」
「ふふふ、それは楽しみだ」
そしてアリシアは木製の剣ではなく背中の大剣に手をかける。
「あれ、そっちでやるの?」
「ああ、何となくだが、あなたを相手するのにあれでは少し骨が折れそうだからな。周りの者も少し下がってくれ!」
その言葉と同時に周囲はズズズと下がっていく。
「そんじゃ私も今日買った武器でも試そうかな」
祭も今日スミルの店で購入した法器を取り出す。
そして鞘から抜き、魔力を込める。
「ほう、法器か・・・」
「うん、今日知り合いの店で買ったんだ」
「私も法器を使ってみたいんだが魔力は生憎、他に回しててな」
「他?他ってどこ?」
「戦ってれば分かる事だ。それじゃマツリさん、いくぞっ!」
大剣を下に構え、走り出す。
祭も少し魔力の供給量を上げ、構えて迎え撃つ。
「はぁっ!!」
祭の胴を狙い、大剣を横に振る。
それを自分の剣で止めようとするが単純な重量では負けているのですぐにはじき飛ばされる。
祭は飛ばされて尻餅をつく。
「いったいなぁ、もう・・・」
お尻を摩りながら祭は言った。
「マツリさん、もう少し力を出したらどうだ?本来の武器は剣ではないのだろう?」
「あれ?バレてた?」
「当たり前だ。さっきの模擬戦も見ていたがマツリさんの剣は真っ直ぐすぎる。まるで本でも見て学んだようだ。普通、剣を握っていれば少しくらい個人で変わってくる筈だ」
「そうだねぇ・・・。私が力使ったらここの防御魔法、壊しちゃう可能性あるし・・・」
「それなら安心してくれ。この魔法は私がかけた物だから簡単には壊れない」
「あれ?騎士なのに魔法が得意なの?」
「色々あるんだ。ほら、本来の力を見せてくれ」
「・・・分かったよ」
仕方なく祭は剣を鞘に収め、魔剣を作り出す。
いつか見たような紫一色の魔剣が出来上がった。
「死んでもしらないよ?」
祭は魔剣を振り下ろした。




