世界設計
■ 世界設計
中心国家:大調律合議国〈グランド・ハーモニア〉
□ 基本情報
・性質:国家というより「巨大連邦+企業体制」。調律庁〈ハーモニクス・コンサル〉を中枢に持つ。
・首都:調律塔〈ハーモニクス・スパイア〉を擁する巨大都市。空中列車・飛空艇・機械兵器が都市に溢れる機械文明。
・理念(表向き):「星と人類を調和させることで永遠の繁栄を」
・実態:星のエネルギー〈エーテル〉を管理し、人類文明の繁栄のために搾取する体制。
□ 政治体制
・合議制:複数の都市国家・企業連合・貴族派閥が「合議評議会」を形成。
・実権:エーテルを独占管理する「調律庁」と、軍事・研究・宗教・娯楽などを担当する各部門幹部に集中。
・社会構造:
上層都市(豊かで豪華、エネルギーに満ちる)
下層都市(スラム街・廃棄工場・暴力組織)
辺境地帯(植民地的にエネルギー施設が設置され荒廃)
□ 技術文明
・機械文明の粋を誇る。
‐ 飛空艇、機械兵器、人工知能的制御システム
‐ 位相封庫〈フェーズ・ヴォルト〉の再生利用
‐ 人造生命研究(※主人公もこの系譜の外側に連なる)
→だがその裏で「自然循環の断絶」「モンスター利用実験」「星の悲鳴」が存在する。
■ 世界主要国家・都市一覧(首都・副都設定)
① 大調律合議国〈グランド・ハーモニア〉
・首都:調律塔都市〈ハーモニア=スパイア〉
‐ 合議国の象徴。巨大な結晶回路を組み込んだ〈調律塔〉を中心に広がる階層都市。
‐ 上層は飛空艇発着場や富裕層居住区、下層はスラム・工場・実験場。
‐ エネルギー供給と行政の中心地。
・副都:工業都市〈バストリア〉
‐ 兵器工廠・研究所が集中する工業都市。位相封庫〈フェーズ・ヴォルト〉の実験施設や生体兵器研究が行われる。
‐ 労働者とスラムが混在し、反調律組織が潜伏。
・背景と構造
‐ 合議制国家だが実質は調律庁の官僚と企業連合の寡頭支配。
‐ 階層都市構造により「表の繁栄」と「裏の荒廃」が同居。
‐ 世界最先端の技術水準を誇り、外交でも圧倒的優位。
② 氷冠連合〈フロストホルム〉
・首都:氷冠都市〈グレイシャル〉
‐ 氷壁を切り拓いて築かれた白銀の都。氷結晶を利用した冷却技術と、氷河鉄道による鉱石輸送が盛ん。
‐ 防衛都市でもあり、氷の砦を兼ねる。
・副都:鉱山都市〈ドワイン〉
‐ 地下坑道に広がる鉱山都市。エーテル鉱脈が豊富だが、合議国に半ば植民地的に搾取されている。
‐ 鉱夫たちは連合軍に兵士を兼ねる。
・背景と構造
‐ 寒冷地に適応した「鉱業と軍事」の国家。
‐ 表向きは合議国と同盟だが、内部では独立志向が強い。
‐ 極寒環境ゆえに機械文明は「耐寒装甲・氷結動力機関」など独自進化。
③ 翠樹王国〈エルドヴァルド〉
・首都:聖樹都市〈リュミナリエ〉
‐ 巨大な魔樹を中心に築かれた半有機的都市。根に宿る「共鳴結晶」が自然エネルギーを供給。
‐ 都市は樹上・地上・地下の三層構造。
・副都:森都〈エルドヴァルド〉
‐ 国家と同名の古都であり、王族の居城がある。古代信仰の中心で、調律儀式が行われる。
・背景と構造
‐ 自然循環を重視し、合議国の搾取を批判。
‐ 「木造建築+生体機械」の独自文明。
‐ 外交では孤立気味だが「星を守る」というイデオロギーで強い影響力を持つ。
④ 砂漠都市国家群〈ドーム諸国〉
・盟主都市:交易都市〈サフラン=カラヴァン〉
‐ 砂漠の中央オアシスに築かれた交易都市。巨大なドームで覆われ、内部は常春の楽園。
‐ 各地のキャラバンが集まり、莫大な富が動く。
・副都:古代遺跡都市〈イフラムの塔〉
‐ 砂に埋もれた古代文明の遺跡を都市化した場所。塔の内部に機械仕掛けが残されており、独自の技術体系を維持。
・背景と構造
‐ 国家連合というより諸都市の緩やかな連帯。
‐ 合議国のエーテル施設が乱立し、各地に反乱が頻発。
‐ 砂漠を渡るキャラバンが「情報と物流の命脈」。
⑤ 海都連邦〈ルミナ=マリス〉
・首都:海都〈マリス港〉
‐ 巨大浮遊ドックを持つ海洋都市。飛空艇と船の接続拠点であり、合議国の外港としても機能。
・副都:自由都市〈ルミナ島〉
‐ 学者・商人・冒険者の集う自由都市。研究所・図書館が集中し、異国の文化を受け入れるハブ。
・背景と構造
‐ 海洋交易によって栄えた都市国家連合。
‐ 合議国に依存する一方で「海の知識」を独占。
‐ 航海術と蒸気機関を融合した「海洋機械文明」が発展。
⑥ 草原連邦〈ヴェルクランド〉
・首都:移動都市〈ヴェルク=モビレウム〉
‐ 巨大な車輪とエンジンで草原を移動する「機械都市」。定住せず牧畜・採掘と共に移動する。
・副都:砦都市〈ハルカ平原砦〉
‐ 草原の要衝を抑える要塞都市。商人キャラバンの関所でもある。
・背景と構造
‐ 遊牧民文化と機械文明が融合。
‐ 合議国の支配下にありながら、独立を保つ。
‐ 移動都市という特性で「捕捉できない国」として他国から恐れられる。
⑦ 辺境自治都市〈アシュグレイヴ〉
・都市:灰燼都市〈アシュグレイヴ〉
‐ かつての大規模位相封庫実験で壊滅した都市が再建され、独立自治を宣言。
‐ 廃墟と新市街が共存する退廃的都市。
・背景と構造
‐ 国家ではなく都市国家。
‐ 住民は傭兵・研究者・犯罪者が多く、合議国からも他国からも距離を置く。
‐ 禁じられた技術や「異端の調律術」が闇で研究される。
⑧ 宗教国家〈タリスマ=サンクト〉
・首都:聖都〈サンクトゥス〉
‐ 巨大な白亜の聖堂を中心に築かれた宗教都市。エーテルを「神の奇跡」として解釈。
・副都:巡礼都市〈タリスマ〉
‐ 信者が集まる巡礼の地。聖遺物が祀られ、奇跡の発生地とされる。
・背景と構造
‐ 「星の声」を宗教的に解釈し、独自の調律体系を持つ。
‐ 合議国に対抗できる唯一の思想勢力。
‐ 表向きは平和国家だが、聖堂騎士団を擁し軍事力も保持。
▼ 各国の概要と特徴
・合議国=文明の頂点、搾取する覇権国家
・氷冠連合=同盟国だが不満を抱く鉱山の民
・翠樹王国=自然循環を守る信念の国家
・砂漠諸国=交易と反乱の舞台
・海都連邦=航海と知識の中継点
・草原連邦=移動都市の独自文明
・辺境都市=禁じられた技術の実験場
・宗教国家=思想で覇権に挑む存在
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■ 大調律合議国〈グランド・ハーモニア〉
(Grand Harmonia:調律の名を冠した帝国的連合体)
□ 国家の基本構造
・体制:官民複合・軍産複合国家
→ 形式上は「国家」だが、実態は巨大エネルギー企業体が中枢。
→ 調律庁はその中核官僚組織であり、国家そのものと同義に扱われている。
・理念
「星の力を秩序に変換し、人類に永遠の繁栄を」
→ 表向きは「人類と星の調和」だが、実際は「星の力を搾取し続ける支配構造」。
・国民生活
‐ 都市は〈エーテル〉エネルギー供給で高度に発展(夜も輝く空中都市・浮遊機構など)。
‐ 一般市民は安価で豊かな暮らしを享受するが、農村・周縁地はエネルギー吸い上げで荒廃。
‐ 「モンスター闘技場」や「位相封庫実験」は大衆娯楽として提供されている。
□ 支配構造(階層)
1. 評議会
・エネルギー企業の最高幹部+国家元首が兼任。
・実質的な国家運営はこの企業評議会で決まる。
2. 調律庁
・資源管理と治安維持を統合した官僚機関。
・〈位相封庫〉の再生管理、モンスター利用政策、エーテル配給を統べる。
3. 軍事部門(共鳴軍)
・エネルギー施設の警備+国外制圧。
・市民を監視し、反乱を防ぐ。
・一部は「ファシース兵器化計画」など生体兵器研究に従事。
4. 研究部門(エーテル開発局)
・封庫技術や結晶回路の解析。
・人造人間/強化兵士計画を推進。
5. 大衆部門(娯楽・宗教・メディア)
・「モンスター闘技場」「調律儀式」「星の加護を祈る祭典」などを通じて国民を統制。
・国民に「エーテルの消費は星のため」というプロパガンダを植え付けている。
□ 国家の象徴・イメージ
・首都都市:
‐ 星の中心近くに建造された「調律塔〈ハーモニクス・スパイア〉」が象徴。
‐ 巨大な結晶回路を内蔵し、星の振動を人類社会に変換する制御中枢。
‐ 都市は階層構造を持ち、上層は光と豊かさ、下層は暗闇とスラム街。
・国旗/シンボル:
‐ 「結晶を抱く両手」=星の力を人の掌で制御する象徴。
‐ 市民には「調律の調和」を意味すると説明されている。