~プロローグ~
プロローグです。
「ねぇ…やっぱりこんな得体の知れない魔術印を発動するなんて止めようよぉ-」
「何言ってんのよあんた、もしこれが最近発掘された古代の魔道書と同じ物なら私たち凄い発見したのよ?試すっきゃ無いでしょ♪」
長いストレートの黒髪の少女の手には一枚の古ぼけた紙が握られている。「でもこうゆうのは大人に見せて安全を…」
すると少年の方に少女が向き直り少年の鼻頭を人差し指でピンと弾いた。「馬鹿ねー!あんたは!そんな事したら大人に横取りされちゃうに決まってんじゃない!!、だから私たちが先にやるの!」「でも危ないよぉ~」
泣きそうな声で少女に呼びかけるが聞く耳を持っていない…彼女は。
「よし!できた!!」
少女の手には一つの青いガラス玉のような物が握られていて中には紙に書かれていた物と同じ魔術印が絵書かれていた。
「もうやだ…帰りたい」「駄目よ。」
帰ろうとした少年の手をガッシリと掴んで放さない。
「私だけの魔力じゃたんないんだから、あんたも手伝え」
「否定権は?」
「もちろんない!!」
少年は力無く地面に崩れ落ちた。
そんな少年を後目にも止めず水晶に魔力を注ぎ始めた。
「ほら、早くしなさい、あんたの魔力が無いとどうにもならないんだから」
「………んん、もうどうにでもなれ…」
力無く立ち上がり少女の手を握り魔力を注ぎ始めた。
そして水晶が青白く輝き始めた。
「よし!成功!!ほら、何も無かったじゃない。」そう言い少女が振り向いた時だった。
彼女の持っていた水晶が赤黒く光り出し辺に嫌な気で満たされていく…
「!!………なに…これ!」
「早くそれを捨てて!」
「でも離れない…!」
その間も光は黒さを増していく。
「うあぁぁぁ!!」
叫び声と同時に背中に強い衝撃が走った。体が中に浮かぶ、そして手から水晶が離れた。
「うあ!!」
地面に頭から叩きつけられた、目の前がくらくらする…。
そして自分を突き飛ばした少年は水晶のすぐ横に倒れていた、
黒さを増していく水晶の横に…
「早く逃げて!!」
そう言ったつもりだった、だが声にならない。
そして…
『ビシィ!』
中から何かが出た様な音がし、水晶が砕けた。
一緒に居た少年が水晶から溢れる闇に飲み込まれていく…。
何もできない自分がそこに居る…。
無力感と絶望が少女を包み込んだ。
私の記憶はそこで途絶えた………。
次から本編入ります。