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灰色世界に命の雫を  作者: 白馬 鏡
プロローグ ep1~ep13
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荒療治な一歩へ

 ヴィオラ:洗脳はダメなんじゃ無いんですか。ついさっきと言ってることが違いますよ

 ウォロン:ああ、だから正確には、兄のようにあの子に接するんだ

 ヴィオラに提示した言葉足らずの提案に細くを加えて説明する。

 ヴィオラ:で、どうするんですか?兄のように接したからって記憶が戻るかは分からないんですよ!……まさか

 ヴィオラの言う通りだ。兄のように接したからって、あの子の記憶が戻るわけじゃない。しかしぼくが提案したこれは、これから先への前準備なのだ。

 ウォロン:この子をぼくの旅に連れていく

 ぼくは襲撃受ける前から考えていたことをヴィオラに告白した。

 そもそもこの町が襲撃されることをぼくは、ヴィオラの予測演算から事前に知っていた。

 一年ほど前、この町が属するここから遠く離れた中央都市の代表が変わった。それに合わせてあらゆる政策が変わっていった。貧富の差は可視化し、やがて代表はぼくらが暮らすような貧しい町を潰すようになった。けれどこの事実はぼくとヴィオラしか知らない。

 中央都市の新聞やニュースには、数日後にこの世界で生きている怪物によって、また小さな町が壊滅したと報道される。が実際は、町を潰して工場や軍事施設を建設が行われる。

 なんでもそこで生産した兵器で他国を侵略するんだとか、人ってのは、なんで持ってる物以上に何かを欲しがるのか。

 なんであれそれを知ったぼくは、密かに中央都市へ向かい件の代表を目にしようと旅の準備を進めていた。その旅に少女を同行させようと考えた。

 ヴィオラ:正気ですか?

 ウォロン:恐らくこの子は襲撃してきた何かしらを目にしているはず、

 ヴィオラ:それを見れば記憶が思い出す。と……

 ウォロン:少々、荒療治だがな

 ヴィオラ:機械のわたしが言うのもなんですが、荒療治過ぎるでしょ

 自分でも荒療治過ぎると思う方法にチャットの文面から呆れた様子を見せるヴィオラ。

 ウォロン:とりあえずぼくは、この子と交流して見るからヴィオラは機体の調整を頼むよ

 ヴィオラ:了解しました

 そうしてヴィオラとのチャットを終わらせたぼくは、ジーっと端末と睨めっこをしていたぼくを眺めていた少女の傍へ。

 少女と目線を合わせるようぼくはその場で膝を曲げ、少女の顔を見上げた。

 数時間前のはっきりとしない顔を合わせ以来、初めてぼくと少女の視線がピッタリと合う。

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