依頼は完了して……ここまで
デリア・ミュールがぼくらのもとを訪れてから二日が経過した。
「手伝って頂きありがとうございます。これは約束の報酬です」
「ありがとうございます」
依頼されていた機兵三機の解体を完了したぼくらは、依頼主であるルセットさんにその報告をする。
「いや〜、ウォロンさんは仕事が早くてすごく助かりましたよ」
「そう言って頂けて嬉しいです。また何かありましたらその際はぜひに」
ルセットさんからの褒め言葉にぼくも感謝の言葉とともに次に繋げる言葉を残す。そうして数日掛かった倉庫での依頼を完了したぼくとティアは今、中央都市一の賑わいを見せる城下中心街へ来た。
流行を勧める服やに、娯楽施設、二階席から街を見渡せるレストラン。それらの近くには個人で展開している販売店が並ぶ広場が。
「色々なお店があるねウォロンさん!」
隣に立つティアは辺りの店にキラキラとした視線を移している。
報酬が入ったばかりだけど少し豪遊しようか、と尋ねたところ「良いんですか!」とティアは僅かに遠慮な姿勢を見せながらもその目はキラキラと期待の眼差しだった。
提案した時、ティアのその反応に少し驚きつつもぼくはティアとお互いに了承を得てここに来た。
「ティア、何処か気になった所はある?」
ぼくの問にティアは辺りへ向けていた体をこちらへ返す。
「え、!?……え〜とじゃあ、」
急な言葉に戸惑いながらもティアは悩む仕草をすると……
グゥ〜〜
ティアの言葉より先にどこからか空腹を知らせる音が届いてきた。
どこからか?と言っても音の出所はわかっている。
何かを言い掛けていたティアはその口をギュッと閉じており、恥ずかしさからその顔を徐々に紅く染め上げていた。
そんなティアの表情を前にぼくは思わず笑い声を溢してしまう。
「わ、笑わないでよ!」
笑い声を溢すぼくにティアは背伸びをしては、今さっきの恥ずかしさを濁そうとする。
「ごめんごめん。今のティア可愛かったからさ」
笑い声とともに溢れる自分の涙を指先で拭いつつティアが見せる仕草の感想を告白する。
「かわ、可愛かっ……た」
告白を耳にしたティア。今度は更にその顔を紅くしては大人しそうに立ち尽くすのだった。
「笑ってごめんね。大丈夫、ティア?」
「……うん。大丈夫」
「少し早いけどお昼にしよっか。何食べたい?」
「……お、オムライス」
「オムライスね。そしたら……、あのテラス席があるお店に行こっか」
「……うん」
恥ずかしさが限界に達したのか?ぼくの言葉に空返事のティア。
そんなティアの手をぼくは優しく握る。
手を握られたことに驚くティアは、その顔を見上げてぼくを見る。
「たくさん人がいるんだ。逸れないよう手を繋ごう」
ぼくを見上げるティアはその言葉に笑顔を浮かべると元気よく頷く。
そうしてレストランまでの道をぼくはティアと仲良く手を繋いで歩いた。
……そして思い返す。この日は一日中ティアの手を繋いでいれば、と。
どんなことがあっても離しちゃいけなかった。のだと




