内と外
「他の大陸を知らないって……どうして?」
「都市で生活の全てが完結するからだ」
ぼくの言葉にランベルは簡潔に答える。
「完結するって言っても海へ仕事に出るヤツもいるだろ」
夕方、宿を探す際都市を見て周ったが焼き魚や海藻のサラダを提供している店を見かけた。海でしか取れないモノが都市内で出回っている以上、船でそれらを取りに行ってる人たちがいるはずだ。
「残念だがそれは無い。都市外における仕事は全てこの都市の中枢部の奴らが行っている」
「全て……」
「ああ、そして都市のヤツらは店に入るそれらになんら違和感を覚えない」
「都市の人たち全員が、そんなわけ一人や二人疑問に思う人もいないのか?」
「当然、疑問に感じるヤツもいた」
「なら……」
言葉を続けようとした時、ランベルはそれを遮った。
「いた。けど今はいない。……それらを危険分子と判断した王族がヤツらを始末したからな」
次に聞こえてきたその単語にぼくは自身の耳を疑う。
「始末って、……冗談ですよね?」
ランベルにそれについて聞き返す。この時、ぼくの頭の中は混乱しかけていた。ここに来た目的が王族に会う前に挫折しそうだったからだ。
「冗談でこんなことが言えるかよ」
その言葉を口にするランベルの表情は先ほどよりも暗かった。
「それじゃあ外から来た人たちはどうなるんですか?ぼくらのような……」
疑問を持ったから王族に殺された。だったらそもそも外の世界を知っている人にはどうしているのか?
「外から来たヤツの下には翌日に使いが来ることになっている」
「使い……?」
使いの存在を知らないぼくはそれを復唱する。
「使いは二・三回とその人の下へ行き、外の世界の話をしないよう忠告をするんです」
ランベルの説明にフィーンさんが続く。
「基本的には忠告を守る人が多いです。しかし何かに気づいた人たちは試しに外の話をするんです。その結果はさきほど話した通り……」
「王族によって始末される」
「ええ、話した人は当然のことにその話を聞いた人も同罪で始末されます」
「聞いた人もですか!?」
「元から都市に住んでいた人であろうと例外なく」
「だから彼らとの話し合いは無駄だと……」
説明するフィーンにヴィオラはぼくの目的の問う。
「そうよ。ヴィオラ」
ヴィオラの音声にフィーンは僕見て、そう答える。




