証拠隠滅
敵機のパイロットがどんなヤツなのか?そんな疑問を持ちつついざコクピットハッチを開けるも中はもぬけの空だった。
「無人機だったのか。……とりあえず調べるか」
「ストップ!何するんですか?」
コクピットに入ろうと手を伸ばすぼくに、ヴィオラは身体を引っ張り上げるかの様な音声を響かせる。
「何って、この機兵を調べるんだよ」
「調べるのは分かります。だからって当たり前のように機兵に触れますか。下手に触れて罠でもあったらどうするんですか」
「じゃあ、どうやって調べるんだ」
「そのまま待機していて、こっからなら無線で調べられます」
ぼくにそう言うとヴィオラは、敵機のデータを調べにいった。
ヴィオラの作業が終わるまで周辺を警戒しつつ待つこと数分……
「お待たせしました」
「おかえり。何かわかった」
「説明はあとです。急いでこの機兵から離れましょう」
機兵のコンピュータから戻ってきたヴィオラから急かすよう言われたので、ぼくはすぐに機兵から離れディルバトスのコクピットへと戻った。
コクピットモニター越しに暗闇の中で赤く光出す機兵たちが目に映る。そして次の瞬間、
ドゴーン‼︎ ドゴーン‼︎
辺りで激しい爆発音が轟く。爆発の影響で発生した水飛沫がディルバトスの視界を埋め尽くす。
「なんだよこれ!」
急な爆発音と衝撃を前にどうにか状況を探ろうと、コクピットの操縦桿を握る。
ぼく操縦の元、ディルバトスが上空へ飛翔する。それにより視界を覆っていた水飛沫が晴れ、海岸の状況が下に広がっていた。
さっきまで特に何も無かった海岸やその付近の雑木林に幾つかのクレーターが出来ていた。
「これは……」
「自爆ですね。敵は我々諸共証拠隠滅するつもりだったんでしょう」
モニター越しの光景にヴィオラはそれを淡々と説明した。
「ウォロン。これからどうしますか?」
「とりあえずティアのところへ戻ろう」
機兵形態に変形させたディルバトスを戦闘機へと戻し、ぼくとヴィオラは雲に紛れながらその場を後にした。




