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灰色世界に命の雫を  作者: 白馬 鏡
第二章 エルベラの闇
28/37

無視

 暗闇に佇む機兵ディルバトス。そのコクピットではウォロンが相手の出方を伺っている。

 ビー!ビー!

 突如、耳を刺す様な音がコクピット内に響く。

攻撃(コウゲキ)()来ます(キマス)!ウォロン、防御(ボウギョ)()

 サブモニターで動くヴィオラの顔文字を眼にするウォロンは、操縦桿を操作し防御を行う。

 衝撃が走るコクピット内、視界を映すメインモニターは向かってくる無数の弾丸で溢れている。

(ヒダリ)モニタースクロール二番(ニバン)、シールド展開(テンカイ)

 ヴィオラの音声にウォロンは左モニターを操作する。

 弾丸の雨を機兵はその両腕で防ぐ中、ウォロンの操作によって両腕の前腕から細い刃が現れた。

 刃はゆっくりと回転を始め徐々にその速度を上げていく。やがて向かってくる無数の弾丸の全てを刃は弾いていく。

 ウォロンの操作する機兵の動きに五機の機兵は攻撃の手を止める。止む攻撃に同じく刃の回転が止まる。

「ウォロン!」

「ああ、攻撃の手が止まった。一気に決める!」

 その言葉と共にウォロンは操縦桿を前に倒す。

 機兵背部のブースターから炎が噴出する。ブースターの勢いにディルバトスは機兵群へと突貫。

 前腕の刃で機兵を切り裂いていく。

 ものの数秒で二機を撃墜するウォロン。彼の操縦するディルバトスの強さに恐怖を感じた一機の機兵がその場を後にしようと離脱を試みる。が、ウォロンはその一機の動きを逃さなず、ディルバトスの速さを活かし瞬く間に切り伏せた。

初陣(ウイジン)()この(コノ)腕前(ウデマエ)流石(サスガ)ですね(デスネ)。ウォロン」

「ヴィオラ、残り機兵と通信を繋ぐことは出来るか?」

出来なく(デキナク)()無いですが(ナイデスガ)……」

「やって見てくれ」

了解(リョウカイ)

 ヴィオラに通信をお願いするウォロン。

 通信が出来るか確認するまでウォロンは攻撃をせず、回避行動を取るようにした。

「ウォロン!」

 暫くしてサブモニターにヴィオラの顔文字が映った。

「どうだ?」

通信(ツウシン)してはいるんですが(シテハイルンデスガ)返答(ヘントウ)がなく(ガナク)……」

「そうか。ぼくから呼びかけることは出来るのか?」

可能(カノウ)です(デス)

「わかった。そこの機兵部隊につぐ、お前たちの目的はなんだ」

 …… ……

「聞こえていないのか!目的を言え!」

 …… ……

「……無視かよ」

 ウォロンの呼びかけに機兵部隊は返答を見せなかった。それに呼びかけてる時でさえ、敵機は迎撃行動の続けていた。

 敵機の行動に通信は無理と感じたウォロンは、諦め撃墜することを決める。

 モニターをスクロールし別の項目をタップ。それによりディルバトスの両肩から射出された弾丸が敵機を襲う。

 弾丸は敵機のものよりも威力があり、腕部を含む様々な箇所を破損させた。

 武装を持つことが出来ず抵抗出来なくなった敵機をディルバトスが撃墜する。

 そうして全ての敵機が海岸の至る所に伏せた。

 敵機の撃墜したウォロンたち。彼は今、数ある敵機の内の一機の上に立っていた。

解除完了(カイジョカンリョウ)開けます(アケマス)

 ヴィオラの音声がウォロンの耳に流れた後、敵機のコクピットが音を立てて開く。

「これって……」

 コクピット内部を目にしたウォロン。その光景に彼の中にあった疑問は納得へと変わった。

空っぽ(カラッポ)ですね(デスネ)

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