解体作業進めてさ
「ティア。代わるから何処に工具が無いか?探して来て貰える」
「……わかった」
パーツを見つめるぼくの耳に返事をするティアの声が聞こえてくる。
背後を視認しティアが離れたことを確認したら、着ているスーツに備わっているスキャン機能を起動させた。
目の前のパーツの山を下から上に掛け電子線で読み取っていく。
ぼくの読みが正しければ、このパーツの山は大きなヒントになる。
「聞こえてますか?ウォロン」
スキャンをしている最中、襟袖に備えられたスピーカーからヴィオラの音声が響く。
「聞こえてる。どうした?」
「倉庫に近づいてくる反応があります。到着まで十二秒」
「六秒で終わる。そっちは?」
「既に完了・撤収済みです」
「了解。……良し。ぼくも今終わった」
ヴィオラとの通信と同時にパーツのスキャンを終わらせたぼくは、傍に落ちてたパーツの山に掛かっていたであろう大きな布でそれらを覆い直した。
「…………」
ヴィオラの報告から十秒ほど経過したが、反応の正体が姿を見せる様子は無い。
「ヴィオラ。反応は?」
「……来たところへ戻っていってますね」
「引き戻されてるってことか?」
「はい。反応が小さかったので、恐らく先程の少年かと」
「持ち場を離れたところが見つかって、ルセットさんに引っ張られてるとか」
「そのようで」
「ほぉ、……」
突然の反応に張り詰めていた緊張が、安堵の息と共に体から抜け落ちる。
「ウォロンさん。工具持って来ましたよ。って、何かあったんですか?」
安心で肩を落とすぼくの元に、両手で工具箱を抱えたティアが駆け寄ってくる。
「ううん、なんでもないよ」
「……そうですか」
ティアに心配されつつ彼女から工具箱を受け取り、ぼくらは機兵の解体作業に取り掛かった。
「解体って何からするんですか?」
機兵解体についてティアはぼくに質問する。
「機兵の解体はそこまで難しく無い。外すパーツさえ間違えなければそれこそ素人でも出来る作業なんだ」
工具箱から取り出した機兵用スパナを片手に説明を続ける。
「機兵は基本的に内部フレームと外部装甲にパーツが分けられている。解体作業はその外部装甲を取り外す作業をメインに行う」
機兵足首の外部装甲と内部フレームの暗い隙間をライトで照らしつつ、そこへスパナを持った手を伸ばす。
「よ、っと。……ほら、こんな感じにね」
外した小さな外部装甲を手に、ティアへ見せる。
「へー、装甲ってこんな小さいんだ」
「これは一部の小さなパーツ。上の装甲やデカい装甲を外す場合は天井から降りてるアームで予め固定しておく必要がある」
ぼくとティアの視線が天井から吊るされているアームへ向けられる。
「装甲の外しはぼくがやるから、ティアはぼくが言う工具を箱から取って貰っていい」
「分かりました」
仕事を手伝えることが嬉しいのか?ぼくの言葉にティアは元気よく返す。
それから夕暮れ時まで、小休憩を取りつつぼくとティアは解体作業を進めていった。




