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灰色世界に命の雫を  作者: 白馬 鏡
第一章 中央都市「エルベラ」
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解体作業進めてさ

「ティア。代わるから何処に工具が無いか?探して来て貰える」

「……わかった」

 パーツを見つめるぼくの耳に返事をするティアの声が聞こえてくる。

 背後を視認しティアが離れたことを確認したら、着ているスーツに備わっているスキャン機能を起動させた。

 目の前のパーツの山を下から上に掛け電子線で読み取っていく。

 ぼくの読みが正しければ、このパーツの山は大きなヒントになる。

「聞こえてますか?ウォロン」

 スキャンをしている最中、襟袖に備えられたスピーカーからヴィオラの音声が響く。

「聞こえてる。どうした?」

「倉庫に近づいてくる反応があります。到着まで十二秒」

「六秒で終わる。そっちは?」

「既に完了・撤収済みです」

「了解。……良し。ぼくも今終わった」

 ヴィオラとの通信と同時にパーツのスキャンを終わらせたぼくは、傍に落ちてたパーツの山に掛かっていたであろう大きな布でそれらを覆い直した。

「…………」

 ヴィオラの報告から十秒ほど経過したが、反応の正体が姿を見せる様子は無い。

「ヴィオラ。反応は?」

「……来たところへ戻っていってますね」

「引き戻されてるってことか?」

「はい。反応が小さかったので、恐らく先程の少年かと」

「持ち場を離れたところが見つかって、ルセットさんに引っ張られてるとか」

「そのようで」

「ほぉ、……」

 突然の反応に張り詰めていた緊張が、安堵の息と共に体から抜け落ちる。

「ウォロンさん。工具持って来ましたよ。って、何かあったんですか?」

 安心で肩を落とすぼくの元に、両手で工具箱を抱えたティアが駆け寄ってくる。

「ううん、なんでもないよ」

「……そうですか」

 ティアに心配されつつ彼女から工具箱を受け取り、ぼくらは機兵の解体作業に取り掛かった。

「解体って何からするんですか?」

 機兵解体についてティアはぼくに質問する。

「機兵の解体はそこまで難しく無い。外すパーツさえ間違えなければそれこそ素人でも出来る作業なんだ」

 工具箱から取り出した機兵用スパナを片手に説明を続ける。

「機兵は基本的に内部フレームと外部装甲にパーツが分けられている。解体作業はその外部装甲を取り外す作業をメインに行う」

 機兵足首の外部装甲と内部フレームの暗い隙間をライトで照らしつつ、そこへスパナを持った手を伸ばす。

「よ、っと。……ほら、こんな感じにね」

 外した小さな外部装甲を手に、ティアへ見せる。

「へー、装甲ってこんな小さいんだ」

「これは一部の小さなパーツ。上の装甲やデカい装甲を外す場合は天井から降りてるアームで予め固定しておく必要がある」

 ぼくとティアの視線が天井から吊るされているアームへ向けられる。

「装甲の外しはぼくがやるから、ティアはぼくが言う工具を箱から取って貰っていい」

「分かりました」

 仕事を手伝えることが嬉しいのか?ぼくの言葉にティアは元気よく返す。

 それから夕暮れ時まで、小休憩を取りつつぼくとティアは解体作業を進めていった。

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