空っぽの
カタカタ、カタカタカタ、
キー板に指を走らせる。
走る指の速さと同じ速度で、コックピットモニターに数字の羅列が乗る。
打ち終えた数字の羅列をエンターキーで確定すると、全体像と共に機体データがモニターに表示される。
機兵名「ルイン」 対戦用量産兵
解体寸前の機兵データを前にエンターやスクロールを繰り返すが、
「それと言ったデータは特に無し……か」
出てくるのは機兵の基礎データのみで、過去の搭乗者や戦闘データなどは、とっくのとうに抜き取られたもしくは削除されている。
「まぁ、当然か」
機兵データのみの空っぽデータを前にぼくは再びキーに指を走らせ、エンターをクリックする。
「じゃ、後よろしく。ヴィオラ」
「了解」
ぼくがそう言うと、モニターに映っていたヴィオラが消える。
普通とは違うAI「ヴィオラ」。
ヴィオラが持つ特別なコードを入力する事で、ヴィオラはそのデータに潜り込む事が出来、また痕跡を残さずそのデータ上から消えることが出来る。
ぼくは、そんな特性を持つヴィオラに機兵にあるデータを回収するよう指示した。
一体目の機兵をヴィオラに任せたぼくは機兵から降り、隣に置かれている二体目に搭乗する。
電源を入れ機兵データを調べたが、一体目同様に目立ったデータは無かった。
「はぁ……」
ため息を落としつつ機兵から降りたぼくは、その足で三体目の元へ。
「ウォロンさん!」
三体目に向かって最中、機兵の足元でぼくを呼ぶティアの声が聞こえてきた。
「どうしたの?」
「なんか、変?なモノがあって……」
変なモノ?
それが何なのか気になったぼくは、機兵側に架けられている鉄骨から飛び降りティアの元へ、
「これなんですけど……」
ぼくが来た事を確認したティアは、自身の後ろを指刺す。
ティアの指が刺すほうに目を向けると、まだ綺麗な状態の機兵パーツが山のように積まれていた。
何処が変なのだろうか?山の麓から頂上にかけて目を運ぶも、ぼくにはそれが分からない。
「ティア、何処が変なの?」
「それが……パーツの山にこれが貼ってあって」
そう言うぼくにティアは握っていた紙切れを渡してきた。
[廃棄]
紙切れにはその蓋文字が書かれていた。
…… …… まさか⁉︎
廃棄の文字とパーツの山。それらを前にぼくはある事に気づいた。




