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灰色世界に命の雫を  作者: 白馬 鏡
第一章 中央都市「エルベラ」
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ようこそ!【ギルド・エルベラ】

「いらっしゃいませ、【ギルド・エルベラ】へようこそ!」

 来店してきたぼくらに対し、受付のお姉さんが元気良く挨拶する。

 中央都市の中心部にある十字路の一角に立つ煉瓦造りの大きな建物。それが【ギルド・エルベラ】

 簡単に説明するとギルドは、仕事の依頼を受けることが出来る場だ。

 依頼の種類は様々で、ちょっとした人助けから強大な魔物の討伐まで何でもある。基本的には他所から持ち込まれる依頼が多いが、稀にギルド直々の依頼が来ることもあるらしい。まぁ、無名のぼくらにはまだ関係の無いことだ。

「すいません。ギルド登録したいのですが?」

「新規の方ですね、畏まりました!それでは身分証の提示をお願いします」

 呼びかけに笑顔で応えてくれる受付嬢。ぼくは内ポケットに仕舞っておいた身分証二枚をお姉さんに渡した。

「ありがとうございます。それでは少々お待ちください」

 受付嬢はそう言うと手元にある機械を操作し出した。

 お姉さんが準備をしている間、ぼくは空いた視線を辺りに向けた。

 お昼前にも関わらずギルド内は活気づいていた。掲示板をジッと見る者、仲間と装備や依頼について確認しているであろう人たち、席でビールを流し込んでいる集団。様々な人たちがこのギルドにいる。

「はい、ご確認出来ました。こちらお返し致します」

 聞こえて来たその声に周りを見ていたぼくは、ふと視線を受付嬢のほうへ落とす。

 お姉さんから差し出される身分証を無くさないよう、再び内ポケットへしまう。

「ギルドカードの職業欄は“破壊屋”で宜しかったらでしょうか」

「はい、大丈夫です」

 ぼくらに確認を終えるとお姉さんは、手元に用意した二枚のカードを側にあった何かの機械にかざした。

 機械によってカードに文字が刻まれる。

「お待たせ致しました。こちらが御二方のギルドカードになります。」

 そう言ってお姉さんは機械からカードを回収し、その二枚を手渡してくる。

「ギルドカードはこの都市や受けた依頼の証明にも必要になりますので、肌身離さずお持ち下さい。他にご不明な点がございましたらお声がけください」

 一連の説明を終えた受付嬢が丁寧にお辞儀する。

「ありがとうございます」

 ギルドカード片手に受付嬢に一言お礼を口にする。

 側にいるティアを連れぼくらは、天井から“こちら依頼掲示板”とご丁寧に吊るされている看板近くの掲示板へ向かった。

 目の前に立つデカデカとした掲示板。中央から角にいたるまで依頼の書かれた様々な紙が貼られていた。

 パッと目に入るモノでも“薬草採取”や“魔獣討伐”などの依頼が十数件ほどある。と言っても、破壊屋を営むぼくが受けられるのは解体依頼に限られる。

 ぼくは目を凝らし、掲示板に貼られている数十件の依頼の中から破壊屋に適した依頼を探し出す。

 目を凝らすこと数秒、ふとある一件の依頼がぼくの目に止まった。

 “機兵解体の依頼”

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