表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色世界に命の雫を  作者: 白馬 鏡
第一章 中央都市「エルベラ」
16/37

無音の影

 「急になん……」

 「(シズ)かに(カニ)(ウゴ)かないで(カナイデ)

 何かあったのか?ヴィオラに聞こうとするもヴィオラは危機感のある音声でぼくの言葉を封じた。

 理解しきれぬままヴィオラの指示に従い動かないでいることにしたが、流石に暇なのでぼくは目の前で鮮明になっていく視界を眺めることにした。

 真っ暗で月明かりが差しづらい森の中。左から右に辺りを観察して見るとある事に気づいた。

 あ〜そういうことか

 真っ暗な森その奥で動く大きな影が二つ、いや三つか。ぼくの目に複数の影が確認出来た。ぼくはそいつらから僅かに視線を逸らしつつそいつらの動向を観察していく。

 目的を達成したのか?そいつらは、暫くするとこの森を後に何処かへ移動して行った。

 「……行ったか?」

 「……みたいですね(ミタイデスネ)

 この場を離れて行くやつらを横目にヴィオラに声をかける。

 「はぁー」

 「ハァー」

 居なくなったの確かに目にした後、ぼくとヴィオラは揃って喉の奥に詰まっていた息を吐き出す。

 「ヴィオラ、よく気づいたな」

 「(ヤツ)らから(ラカラ)(ハッ)せられた(セラレタ)索敵(サクテキ)信号(シンゴウ)()キャッチしたので(シタノデ)

 「やつらは気づいて無いのか?」

 「信号(シンゴウ)()キャッチしてすぐ(シテスグ)、スーツ()インビジブル()起動(キドウ)させたので(サセタノデ)大丈夫(ダイジョウブ)です(デス)

 「流石、スーパーコンピュータだな」

 「それほどでも(ソレホドデモ)

 人間の眼で認識出来ないモノをいち早く認識し、その後の出来事へ繋げないための対処を行う。「流石」と褒めるもぼくの言葉にヴィオラは、なんて事無いと淡々と発する。

 「にしてもあの機体、少し変だったな。距離があるにしても駆動音一つ聞こえて来なかった」

 「気づきましたか(キヅキマシタカ)

 顎に手を当て考え込むぼくの耳にヴィオラ音声が入る。音声から察するにヴィオラも分かっているのだろう。

 「機体の足音が無かった。恐らくだがホバータイプのモノ、加えてそのホバーによる音も無し」

 「索敵(サクテキ)()感知(カンチ)しましたが(シマシタガ)それらによって(ソレラニヨッテ)(モタラ)される(サレル)(オト)()無かったです(ナカッタデス)

 「てことは、その機体は結構な高性能機で、それを所持しているのは……」

 「(レイ)()(クニ)ですね(デスネ)

 「はぁー、ったく何考えてんだが?」

 ヴィオラと合わせていく情報の先に見える答えにぼくは思わず頭を掻く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ