6話 疑念、晴れたよね?
「えーと、何から話していいやら、神様によると俺は元居た世界で死んで、神様の手違いでこっちの世界に来ちゃったみたいなんです。」
「…嘘はない、か。ふむ、どうやら本当のようだの。それについては良かろう。ではなぜ君から悪魔の気配がするのかの?」
…あっそれについて聞いてなかった!やっべえどうしよ。魔法に意識持ってかれすぎて聞き忘れてた…
それにしてもなんで神様はそれについて触れてくれなかったんだろうか。…あの神様もしかしてポンコツか?
「…本当に申し訳ないんですがそれについて聞き忘れてました。なのでそれについてはさっぱりわかりません。」
「…それも嘘じゃないのう。本来なら何の悪魔か聞き出そうとするんじゃがのう…」
「なにかその神様ともう一度お話しすることはできないのかい?」
「えーと男爵様?教会でならあえるとおっしゃってました。」
「じゃあ領内の教会にいこうか!」
なんでこの人楽しそうなの?まあ疑いが晴れるならいいけど、
「神様とお話しするにはどうしたらいいんだい?」
「さ、さあ?祈る、とかですかね?」
「そ、それも聞かされてなかったんだね、なんだろう、今は神様を身近に感じられてる気がするよ…」
「まあ、さっそく祈ってみてくれるかの?」
「了解しました。」
《本当に申し訳ないです。すっかり忘れてました。》
「いや、まあいいですけど… それよりなんで俺悪魔って呼ばれてるんですか?」
《ええ。この世界には魔法があるという話はしたと思いますが、それに伴って魔道具と呼ばれるものもあるのです。この世界に生まれたものには反応しないが冥界で生まれた悪魔に反応する魔道具がありまして、大吉さんの場合、この世界で生まれたわけではないのでそれに反応してしまったため悪魔と呼ばれているのでしょう。》
「それってどうにかなりますかね?」
《反応しないように魂の形を整形するか、我々神に近いような雰囲気を魂に乗せることもできます。》
なるほど。多分神様っぽくなるのはやばいな。なんか祭り上げられて大変なことになる気がする。となると整形かぁ。まさか魂を整形することになるとは。人生ってどうなるかわからんもんだなぁ。
「じゃあ整形のほうをお願いします。」
《承りました。ではまた何かありましたら教会で話がしたいとお祈りください。》
「ふぅ。あ、司祭様、男爵様、なんか誤作動だったみたいですよ。」
説明すんのめんどくさいからそういうことにしておこう。
「む、たしかに今はもう反応しておらん…どうやら本当に誤作動のようじゃな…」
「確かに反応してないけど、本当に誤作動?」
…鋭いな男爵様。はぁー。じゃあちゃんと説明するかぁ。