第六話;魔法の先生!?
「みなさんおはようございまーす!」
「「おはようございます!」」
「うんうん。元気があるのはいいことです!早速ですが、本日は特別講師をお迎えしております!」
「「えー!!」」
生徒達の驚きと歓喜の声にまゆみは満足げに頷く。こんな辺鄙な村だ、教育委員会に講師の申請しても、すぐには処理されないだろう。
だから冒険者ギルドへ依頼を出したのだ。
生徒達の為ではあるが、個人でしている事である為、もちろん自腹である。早めに来てもらう為に結構な額を出した事もあってとてつも無く懐が寂しい。
「どうぞ!お入りください。」
そうして、依頼を受けた冒険者は、ドアの外からでも聞こえた子供達の声に苦笑いをしつつも、ワクワクとした表情の生徒達の前に堂々と立った。
「はい。冒険者ギルドから参りました。宵月アリアです。普段は国家都市付近の魔物発生区域にて活動しております。ランクはBランク。音の魔法士です。本日から二日間よろしくお願いいたします!」
「すげー!本物の冒険者だ!」「Bランクだってよ!」「やったー!」
紹介を終えた宵月は、興奮している生徒達を見ながらある一点を意識した。
星魔獣は姿を見れただけで、一生分の価値があると言われている。意識するなって言う方が無理だ。
「(本当にシリウスじゃないの。初めて見たわ。‥なんか凄い警戒されてる気がする。)」
「はい!みんな、二日間だけになっちゃうけど、しっかりお勉強しましょうね!宵月さん、早速教えていただきたいのですが、宜しいですか?」
「はい。でしたら外でしましょうか。」
宵月アリアは冒険者ギルドの中でも最近頭角を現し始めている冒険者だ。その冒険者が何故この地にやってきたのかはただ一つ。ギルド長直々に頼まれたからである。
恐らくは最近各地で起きている、異常なまでのゲート発生。それを心配したギルド長が首都圏から離れた場所の任務を、積極的に腕の立つ冒険者に振っている為である。
このギルド長の采配こそが、後程彼らの運命を握る事となる。
【宵月 アリア(28)
魔法;音 属性;無 魔力;150/999 所属;冒険者ギルド パーティ;アルカナ】
そして、初めての魔法の実践授業が幕を開けた。
閲覧ありがとうございました。ちょっと短いです。本日から第一章までは毎日投稿する予定です。
少しでも良いと思ってくれたり、コメント評価してもいいかなって方はしてくださればとても嬉しいです。
では明日も18時に。