第一話;授業
「と、いうのが700年前ですね。それから、色々問題があって500年経って冒険者ギルドは、国に正式に認められたのです。ここ!テスト出ますよ〜。」
「「「はーい!!!」」」
ここは国の首都圏と呼ばれる場所のある東京からかなり離れた、ど田舎の小さな村。そこで8人の6歳〜9歳の少年少女達が勉強に励んでいた。
「はい!先生!質問!」
「はい翼くん。なんでしょう?」
「問題があったから、今も騎士団とギルドは仲が悪いの?ってか問題って何?それから、え〜と、チャム!チャムのこのおでこのは魔法なの!?あと、、!」
「‥おい、落ち着けよ。翼。」
「ほんと、元気だよねぇ〜」
今年10歳になる赤髪の少年、高峰 翼は元気いっぱいだ。そして、翼の質問に同調するかの様に横に座っていたオレンジ色の毛並みの利発そうな目をした一匹の犬は声を上げた。その額には星印のマークがキラキラと輝いている。
「あ、ごめんなさい!」
「元気がいいのはいい事です!先生嬉しい!‥‥では、一つずつ答えていきましょうか!」
「まず最初に問題からね。魔法が生まれたって話はしたけど、最初から魔法っていっぱいいろ〜んな人が使えたのかって話なの!」
「使えたんじゃないの?だってこんな田舎でも魔法ばっかじゃん!俺だって広いとこなら使えるぜ!」
そう胸を張った紺色の髪に水色目をした少年八重凪 一真は、元気に言う。
「そうね、今でこそ魔法社会。魔力と近しい色って言われてる髪の毛や目の色だって人それぞれ。それだけ魔法があるってことよね。だけど、昔日本はほぼ全員が黒髪で生まれてきて、魔力なんてそもそもなかったのよ。偉い学者さんが言うにはね、パラレルワールド崩壊の時に一緒に魔素が流れてきて魔法が出来たんじゃないかって言われてる。ここまでは大丈夫かな?」
「確か魔素ってのが魔法になるんだよね!それは知ってるよ!見た事ないけど!‥でも黒髪の人って商店のじいちゃんとか?」
「そういえば、じいちゃんこの前魔法使ってんの見たぞ?‥なあ、優。あれ魔法だよな?」
「ぇ、、。う〜ん魔法だと思うけどなぁ。」
「え〜、じゃあどう言うこと?」「でも黒髪の人ははあまり使えないとか言うよね。」
「わかんない‥。」
口々に意見を述べる生徒に先生、小鳥遊 まゆみはにっこりと微笑んだ。疑問を持てることは、かわいい子供達の成長にもなるからだ。
「皆んなの言う通り!昔はね本当に使えなかったのよ。黒髪って言えば魔法が使えないって言うようにね。今ももちろん仲には使えない人や日常生活くらいにしか使えない人もいるわ。商店のお爺さんも魔道具に魔力を込めるって形で使えるわね!」
「じゃあ魔力があまりないの?」
「そうね、そう言う事になる。だけど、黒髪の人だからって訳じゃないことは皆んなに覚えてほしいの。皆んな知ってるかな?騎士団の第三騎士団の副団長。三峰 嵐副団長。彼の方も黒髪で闇魔法の凄い使い手なのよ!」
「へ〜。先生好きなの?」「そう言えばニュースで見たかも!」「テレビ見ないし見た事ないや。」
「へ!?ごほん!、、じゃあ最初の問題にうつるわね。と言うわけで今とは違って昔は魔法を使える人があまりいなかったの。そしてゲートが頻繁に開いていた私たちの国ではまず守る!だったから、大事な時にいないで出て行っちゃう組織をよく思わなかったのよね〜。ギルドは魔獣達が来るのを待ってるんじゃなくて、先に狩る!ってやり方だったからね。‥つまり、考え方が違ったってだけなんだけど、それが原因で国からは正式な組織としては認められなかったってことね。まあ、それではいけないってなって正式に認められたのが200年前ってわけ!‥これでわかったかな?」
「はい!先生!わかった!」
「うん!いい返事ね翼くん!」
「今もなんで騎士団とギルドの仲だけど、ばっちりそれが原因ね!根本的に騎士団に入る人とギルドに入る人の考え方だったり視点だったりが違うのよ。ここまでで何か質問ある人〜!」
「大丈夫でーす!」「わかりやすかった!」
まだまだ授業は続きます。現実要素も入れつつ書いてますので、混乱するかもしれませんがこれは一種のパラレルワールドだと思って、そうなんだと見てください。
閲覧してくださった方がいるかな?ありがとうございました。