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執事が全員爺様達だった。

作者: 野良蔵人

小説は書いたことも無い。普段から小説もあまり読まない。でも、何か新しいことをやってみたいと思い、小説を書いてみることに。最初で最後かもしれないけど、自分がこんな作品あったら面白いかも?!と思って書いてみた作品です!




お嬢様起きてください・・・



何度も声をかけるがお嬢様が起きない。これはいつものことだ。

この館で、執事として10年になるが、お嬢様は時間通りに起きたことがない・・・。お嬢様、40歳後半にもなるのに・・・はぁ・・・。


それでも、起こさないと奥方様に申し訳ない。起床の時間から2時間過ぎたところで、お嬢様に起きてられた。あきらかに、不機嫌な顔だ、いまにも何か飛んできそうだ。


「・・・・ひゅっ!」


言わんこっちゃない、時計が飛んできた。

ワシは、軽く避けドヤ顔をして見せた、みるみるお嬢様の顔つきが変わっていくのが判る。やっと、お目覚めな様子だ。


「ごんた!なんで避けるの!むかつくわね!」お嬢様はご立腹だ。


お嬢様は、ワシのことをごんたと呼ぶ。「ごんた、もう隠居したらどう?」

お嬢様はワシのことがお気に召さないのだろう。ワシは、85歳の執事。


早く隠居させてください、お嬢様。ワシはお嬢様が立派に独り立ちできれば、隠居生活が待っているんです、とにやりと笑う。ワシ以外にもこの館には、数人の70歳を過ぎた執事がいる。そう、この館には、爺執事しかいないのだ。




昼食が終わり、お嬢様のご機嫌をうかがいながら、午後の予定をお伝えしていた時・・・・・・

『ガシャーーーーン!!!』

廊下から何かが割れた音がした。ワシはすぐに音がしたほうへ駆けつけると、忠太郎さんが倒れていた。


あ・・・痛た、た、た、、、腰が、、、

忠太郎さんまた腰やったのか?!ワシが尋ねると・・・


すまない、昼食時お嬢様が投げたティーカップを可憐に避けたところまでは良かったんだが、腰を捻ったようだ。せっかく、キャッチ出来たチャーカップが割れてしまった、、、。また、減給か・・・はぁ・・・。

忠太郎さんのため息、最近毎日見ている。一気に老け込んできたように見える。

忠太郎さん、御年90歳。執事歴70年の執事会の生きる伝説ともいわれてた人が、おいたわしや。


「忠太郎、何廊下で寝てるの?!あたしが大事にしてたティーカップがわれてるじゃない!」後ろから、お嬢様の声が。


はあぁぁぁぁぁ、お、お、お、お嬢様、も、も、も申し訳ありません。あ!かはっ!こ、腰がぁ!情けないところをお見せして申し訳ござ・・・・

あ、忠太郎が気絶した。お嬢様が鼻で笑いながら、「ごんた、忠太郎を医務室へ連れて行きなさい」。お嬢様は、そのままお部屋に戻られてしまった。


ワシは、忠太郎さんを新人の伴字さんと一緒に医務室へ運び、伴字さんのマッサージを受け、気持ちよさそうに休んでる。




伴字さんは、75歳。この館では新人であるが、執事会では有名な御仁である。

50年ほど、政府要人の警護をしていた。ここでは、主にお嬢様の警護を担当している。


「伴字いる?!。ちょっと、買い物行くから、馬を廻して」

お嬢様のわがままが始まった。これから、語学学習があるのにだ。

伴字は、険しい表情をしているが、怒っているわけではない。綿密に安全なルートを考えているのだ。


お嬢様、お出かけの準備が整いました。


伴字は、お嬢様の部屋の前で声をかける。


「遅い!準備に5分もかけるなんて執事失格ね」

「もう、行くわよ!」


伴字は、無言のまま馬を走らせた。


お嬢様が戻られる前に、部屋の掃除と給仕の仕込みを。

お嬢様がいない間が勝負だ。

ワシは、忠太郎さんの様子をうかがうと、すっかり腰が良くなったのか、すたすたと歩いていた。


すまんね。


忠太郎さんは一言言って、給仕場に戻っていった。

背はすっと伸び、腰痛持ちとは思えないほどだ。忠太郎さんの振る舞いはいつ見ても、可憐だ。

ワシも、負けじと掃除をしなががら、お嬢様と伴字の帰りをまつ。





夕刻を過ぎた頃、お嬢様を乗せた馬車が戻ってきた。

伴字は馬車からお嬢様を降ろした後、お嬢様のお荷物を運んでいた。

「ごんたいるの?!」

お嬢様、ここにおります。

すぐにお嬢様の横につく。

「疲れたわ。すぐに風呂の用意を」

かしこまりましたすぐに用意をします。

風呂の用意をしている時、伴字から報告を受ける。


お嬢様が、孤児院に出向き、施しをされていたと。

お嬢様は、ここでは一切そういった話はしない。

お館内のお嬢様からは、想像もできないことだが、子供たちからは人気がある。

外出しては、恵まれない子供たちに施しをしている。

その優しさが、館内でも見せてくれれば。


「ごんたっ!!まだっ?!」

お嬢様がお怒りだ。お嬢様遅くなり申し訳ございません。

お湯のほう用意が整いました。

「おそい!」

イライラしながらお風呂へ歩かれていた。






夜の警護は、伴字と長老の2人が担当している。

長老に至っては、伝説の執事である。

御年100歳、門番をしている。常に目をつぶり、五感を研ぎ澄ましている。

寝ているようにしか見えない、自然体なのが長老である。

長老が門番をして3年程経つが、まだ一度も不審者に入られたことが無い。

日中、長老を見たことが無い。夕刻になると、門番のいつもの席に座っている。

長老は休まず、警護にあたっている。そのころ伴字は、館内の見回りをしている。

ワシも伴字の手助けをしたいが、明日も朝が早い。

お嬢様のことも...。





「ごんた!いないの?!」

あぁ、お嬢様が呼んでおる。ワシは急いでお嬢様のもとへ行くと、お嬢様が肌着姿で廊下に立っておられる。お嬢様!風邪をひきます。早く着替えを!

お嬢様の表情がみるみる赤くなっていく。

「今日買ったのがあるでしょ!」「なんで、出さないの!気が利かないわね!!」

先ほどの黄色のドレスですか?!

「そうよ!あれを着て寝ようとしてたのに!」

あのドレスを着て寝るとドレスに皺が・・・と言いかけると、「着るって言ってるんだから、すぐに持ってくればいいの!!!ごんたぁぁぁぁ!」こうなったら、手が付けられない。お嬢様のわがままし放題だ。館中に声が響き渡り、警戒中の伴字さんも駆けつけてくれた。何事ですか?お嬢様。「ばんじぃぃぃ、ごんたがぁ、私をいじめる。あの服着て寝るって言ったのに、持ってこないの!私、風邪ひいちゃう!」と涙目で話し始めた。ワシがため息をつきながらドレスを取りに行こうとすると、暗闇からすっと忠太郎さんがドレスを持ってきた。お嬢様遅くなり申し訳ない。


お嬢様は、忠太郎さんからドレスを受け取り、嬉しそうに着始める。

その様子をワシ、伴字さん、忠太郎さんが見つめながら、持ち場に戻る。

忠太郎さんの夜は早い。0時前には就寝している。そして朝も早く、4時過ぎには起きて、庭の手入れを始めている。庭師の忠太郎さん。執事と庭師が出来るのは忠太郎さんだけじゃ。



そとから鳥のさえずりが聞こえる。朝が来たのかと窓を開けると、陽が上がってきたのが見える。ワシは急いで、着替え朝食の準備をする。

長老は、すでに居ない。

忠太郎さんは、玄関前を掃除をしている。

伴字さんは夜の警備を終えて、笑顔でワシの横に立つ。


伴字さんとワシは外の陽が昇るのを見ていると、忠太郎さんがおはようさーん、おふたりさん。今日も、がんばりますぞ~と手を振りながら、腰から崩れ落ちた。伴字さんが笑いながら、忠太郎さんのところへ駆け寄る。

ワシは、お嬢様を起こしに行く。

太陽がまぶしい、隠居はまだまだ先かな・・・。



書き始めてから、数か月全然話がまとまらず、頓挫していたけど、なんとか?強引に?完結させることができた。というか、もっと書こうかと思ったし、当初登場人物は5人だったのに・・・。あれ?って感じで終わりました・・・・・。

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