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オールドくろっく  作者: ぴぽっと
2/2

序章、森の中に。

「はぁ、はぁ、はぁ、」

荒い息とバタバタという足音がうす暗い洞窟の中に響いていく。それの後に続いてくる音はドスドスというべきであろう、重い音であった。

「絶対に逃がさぁぁぁぁん!!」

重い音の持ち主である盗賊は、自らの財宝に手を出した愚かな少女から、宝物を取り返さんと必死に追いかける。

「うわ!やば!追い付かれちゃう!」

少女はこの鬼ごっこから逃れるべく、更に速度をあげるための言葉を口にする。

「ダテイン!」

一言それを発すると彼女の体が緑色の光に包まれ、その瞬間風のように洞窟をかけていき、眩しい光に目を細めた。

「まさか!あいつアマテとかいう魔女か!?」

盗賊の驚愕の声が聴こえてきたのは、もう遠くからであった。

「ふぅ、これでよし!」

「これであいつのお宝は私のものに…!」

喜びもつかの間少女は今、自分の立っている場所に気づき青ざめる。

「ここ魔の森じゃん…」

「魔の森」それはこの周辺においては、誰も立ち入らない鬱蒼としていて危険な森である。

急いで逃げようとするも、先程、術を使った反動から意識が遠退き、世界がぼやけていって…

「こんな所に若いお嬢さんがくるとは珍しい。ん?良く見ると傷だらけじゃないか。仕方ない。一旦連れて帰るか…」

男はそう呟きながら、森の中にある一軒の時計屋に連れていった。


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