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時計の針と廻る世界
時間。それは不可逆にして何人にも平等に与えられ、そして失われていくもの。
時計。流れる時を読み、戻ることのない時間を想い、次の約束の為につかわれるもの。
ここはまだ、魔法が生き、魔獣が闊歩し、人は空を箒にまたがり駆けていく世界「ドランクラノス」。この世界において魔法を使えることは誇りであり、それは呪いでもあった。
この世界全てを統べる王はその異端の力である魔法使いたちを集め、自らの軍の戦力の一部とすることにより、その圧倒的な力により、反乱を徹底的に潰し、反抗勢力を消していった。
そんな世界で誰もが近づかないような、森の奥に時計屋があった。
これはその時計屋の生涯の記録である。