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ライカ組の襲撃 その8

「てめえ、やっと出てきやがったな」


 ぼろぼろにされながらも、サイガはボスを見ると叫んでいた。


「組長には話をつけたはずだがお前は聞いていないのか?」


「うるせえ。縄張りを荒らされて話もくそもねえだろ」


「もう一度聞く。ここに来たのはお前の判断か、組長の判断か」


 大きな声ではなかったが、ボスの言葉には凄みがあった。

表情を変えまいとサイガは気合を入れたが、質問にちゃんと答えないとやばい事になると思った。


「俺の、判断だよ」


「ふむ。なるほど。若気の至りか。それでこれだけの人数を地球まで連れて来られるとは人望もあるようだ」


 ボスはサイガをまじまじと見ている。

サイガは体力の回復を待って、ボスに襲い掛かる気でいた。


「よし、では望み通り相手をしてやろう。お前の力を知りたいからこの首飾りも貸してやる」


 そう言うとボスはいとも簡単にサイガの首に黒い宝石の首飾りをつけていた。

サイガは気が付いたらボスが手の届く距離に来ていて、呆気に取られてしまう。


「ここの空気はマヴィスの半分くらいの薄さだ。その首飾りの周りも同じ。要するにこの庭でその首飾りを付けるとマヴィスと同じ空気になる」


 すっとボスはサイガから離れて説明をした。

サイガは空気を吸い込むと力が湧いてくるのを感じる。

確かにいい空気だ。


「てめえは首飾りを付けなくていいのかよ」


「ああ、気にしなくていい。私はどこでも同じだ」


「後悔するなよ」


 そう言うとサイガの体に変化が現れた。

顔に蛇が巻き付いているような黒い痣が出てきたのである。


「ほう」とボスは感心する。


「すごい、狂身(きょうしん)した」と隠れて見ている京子が言う。


「狂身って何?」と輪太郎。


「戦闘体勢なの。出来る人は限られていて狂身出来ると何倍も強くなるの。人によっては何か能力も発現するそうよ」


「能力って?」


「例えばメディー族の人を固められるような能力ね。私たちは普通の状態で使えるけど」


「そうなんだ。京子さんは狂身出来るの?」


「出来ないよ。才能のある人が努力して、それでも大半の人が出来ないのが狂身なの」


「そうなんだ」


 そう言いながらマヴィス人はどこまで強くなるのだろう? と輪太郎は疑問に思った。

もう想像がつかなくなってくる。


「てめえは狂身しねえのか?」


 サイガの放つ雰囲気が重くなっている。ボスに対しても臆する様子がまるでない。


「気にしなくていい。いつでも来なさい」


「ふっ、狂身出来ねえか」


 そう言うとサイガは見違えるような速さでボスに向かっていった。

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