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メロデー・リョウコ その2

「マヴィスとニビルではその転生の話は常識なの。地球人は異世界のことを把握していないから知らないけどね。ちなみにそれと付随して地球人が多く死ぬと次に生まれ変わるマヴィスの人口が増えるという説が一時期流行ったのよ。間違いなんだけどね」


「そうなんですね」


「で、その説を妄信するマヴィス人が一時期地球人を殺しに行ったのよね」


「え?」


 地球人からしたらマヴィスの人々は化け物のように感じただろう。

襲われたらひとたまりもない。


「その頃はマヴィスとニビルは戦争中でね。転生者って有能な者が多いから、転生者を増やすために地球人を殺せって言う過激な発言をする人もいたのよ。それでそれを勝手にやった人たちがいたの。地球の悪魔って結構その時に地球人を殺しに来たマヴィス人がモデルになっているようなのよ」


 そう言えばメディーサは京子たちの祖先らしいのだが、その時に地球に来た一人なのかもしれない。

という事はマヴィスに行くと悪魔のように見える人がいっぱいいるのだろうか。


「それでね。マヴィスに転生者が増えたら困ると思って、それを阻止しようとしたニビル人もいたわけ。マヴィス人は地球人を殺しに、ニビル人はそれを邪魔しに来た。ニビル人は地球人を助けようとしたわけじゃなくマヴィス人の妨害をしようとしただけなのだけど、結果的に地球人を助けることになったの」


「そうなんですね」


「だから天使のモデルはニビル人が元になっているのが多そうなのよね」


 天使のイメージと言えば背中に羽が生えて、白い服を着ている感じだが、果たしてどうなのだろう。

ニビル人にも会ってみたいなと輪太郎は思った。


「地球で天国とか地獄とか言っているけど、天使の住処(すみか)が天国ならニビルが天国になるし、それと同じ理屈でマヴィスが地獄という事になるの。なかなか面白いでしょう」


 そう言ってリョウコはにっこりと笑った。

背負われているマーリもにっこにこしている。


 何となく歩いていると海に着いた。

せっかくなので浜辺を歩くことにする。


「ほら地球の海だよ」とリョウコがマーリに話しかけている。


「そう言えば旦那さんは何をされているんですか?」


 ユイがリョウコの旦那がクズだと言っていたのを思い出したので、興味がわいたのである。


「んー、何してるだろうね?」と逆に聞かれてしまう。


「今の旦那さんのどこが気に入って結婚したんですか」


「気に入ったというか、私の知る中で一番容姿が良い人と結婚したの」


 要するにイケメンだから結婚したという事なのだろう。

ユイと考え方が違うなと輪太郎は思った。


「メディー族は代々一番容姿の良い人と結婚しなさいって掟があるの。容姿が良ければ、相手は顔を見るでしょう。そうしたらメディー族の能力で固めることが出来るからね。今はそこまで厳格ではないんだけど、長女として私くらいはその掟を守っておこうかなと思って。だから内面を全く知らずに結婚したの。そしたらちょっと困った感じの人だったってだけなのよね。まあ、メディー族の男はそう言う人が多いから期待はしてなかったんだけどね。なかなかすべてが揃った良い男とは出会えないね」


 そう言ってリョウコさんは少し寂しそうな顔をした。

メディー族の飛びぬけた美貌は代々の努力の結晶のようだ。

しかしリョウコさんの旦那さんはどんな人なのだろう? 一度会ってみたいな、と輪太郎は思った。


そしてその思いはすぐにかなう事になる。


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