とある小舟は空腹だ
だからそんなの嘘だって言ってるでしょう。
日差しを混ぜ込んだ美しい夢の中で、
地球温暖化はずっと専門家の嘘だと思っていた。
四月の真っ赤なお話をいつまでも続けていると思っていた
化学が熱を閉じ込めるのは奇妙なことだ。
わけのわからないことを言っている。
そればかりの気持ちを二万字に拡大する。
どこにもあなたがいないことを、
悲恋にして友達をつくって描写の力でここまで来ている。
大仰な箱をこしらえて、で、結局何が言いたかったのかといえばあなたがいないことだ。
抱えきれない箱の中にあるあめ玉。
土のように続く愛情はどこにありますか。
冷えているけどそれは確かなものだ、
愛を知らない」と泣き叫んで僕は駄々っ子になる、
カメラワークを失敗した映画のように視界が揺れて、
青白い肌と黒い目が朝の記憶に残っている。
僕がいま不幸せみたいなことを政府のせいにして、
さんざん言うだけ言って眠って、
朝に不幸せのスイッチを入れて、
朝日の喜びを適当な刃に作り替えて、
知りもしない相手を呪って、
ばかみたいな不満をつぶやいて、
知ったような顔で彼を叩いたら、
また空腹のまま眠るんでしょう。
満たされないのは腹だけではない
小さな喜びが昨日僕にはあったんだ、
僕の作ったくだらない詩が、
世渡りもできない小舟の歌う歌が、
34人あまりの人間の心の一部になっているかもしれないことだ、
本当にくだらない歌なんだ、
何を言いたいのかもわからない。
だけど一人の人間が人生を使って作った言葉だ、
それが読まれることが嬉しかった。本当に本当に嬉しかった。
きっと誰かの心の一部になれているのだろうと思っていた、
でも足をすくうのはいつも自分だ。
おととい読んだ詩を覚えていない。
だから僕の詩だって結局そんなもんで、
三日後には新しい良いものに取り換えられるようなものなんだ。
それでもいいか、
それでもいいか、
そうして散っていくんでしょう、
僕の将来はどう頑張ってもきっと会社員だ、
それか思春期の夢から醒められない阿呆だ、
それもいいか、
それもいいか、
また一興」と仙人ぶって、
平凡さに吐き気がするよ。
本気で叫ぼう、
でもその本気が届いていない、
小細工じゃ戦えない、
大がかりな仕掛けをしなくちゃ。
なろうについて考察されたエッセイを読むとなんだか悲しい気分になってしまいます。
私の作品を読んでくれている人が嘘でないことを願っています。
読んでくれてありがとうございます。