不可思議女と覚醒メガネ
昔から何故かメガネが好きになれない私は、眼があまり良くないにも関わらず裸眼を貫いた。故に
「先生!私眼が悪いので一番前の席がいいんですけど」
入学式の日に即席替え申請は当然!
今日は授業ないんだが。まぁ学業に積極的なのはいいことだと笑いながら許可をくれた先生に感謝しつつ、その他の眼が悪い勢と共に立ち上がる。
「え!?」
何故か上がった驚きの声に後ろを振り返ると、真後ろの席の子が目を真ん丸に見開いて私を見ている。
なんだろう。私が眼が悪いのが意外だったのかな。にしてもそんなに驚くことないと思うんだけど。不思議に思いつつも席替えを済ませ、無事に入学式を終えた。
そして登校日。この日から私は件の真ん丸女子に付きまとわれることとなる。
「おはよう。花咲さん。今日もメガネかけてないの?」
また来たよ。席も遠いのに毎回よく来るね。だから私はメガネが好きじゃないの。
「ねぇねぇ芽生ちゃん。山吹先輩って、お菓子は何が好きかな?」
芽生ちゃん!?鳥肌たった!!昨日までの花咲さん呼びはどこへいったの!というか山吹先輩て誰だ。知らんよ!本人に聞け!
「部活どこに入ろうかなぁ~。やっぱり葉山先輩のいるテニス部かな。う~。けどここは順当に生徒会かなぁ~」
生徒会ってそんな部活感覚で入れるところだったっけ?それと春野さん。あんだけ言ってた山吹先輩はどうしたのよ。
「山吹先輩って森園会長と仲が悪いみたいなんだけど、どうしたらいいかな?」
山吹復活!も束の間。また新しい人出てきたよ。仲悪いってそれは当人達の問題でしょ。何故私に相談する。
「え!芽生ちゃん新聞部入ってないの!?なんで!!」
逆に聞きたい。なんで私が新聞部に入ってると思ったんだ。
「ねぇねぇ芽生ちゃん。今日も仏頂面だね」
違う。これはクールビューティ!そういう春野さんこそ今日も頭にお花が咲いてるね。私より花咲がぴったり。
「そんな芽生ちゃんには、じゃ~ん!プレゼント。芽生ちゃんに似合うと思って買っちゃったんだ!」
メガネじゃん。だからメガネは好きじゃないの。
「きっと似合うから!ほら掛けてみて!ねっ!」
なんでこんな必死なの!?ちょっ、やめて!
「うぎっ!」
メガネが顔に掛かった瞬間、軽い頭痛と共に記憶の奥底から暗い感情と知識が這い上がってくるのを感じた。私のではない恨みの念。世界の根本を覆す知識。そしてじわじわと来る羞恥心。うぎっ!って言っちゃったよ!女子が出してはいけない叫び声だよ!
「ご、ごめん!そんなに嫌だとは・・・。で、でも似合ってたよ!これから毎日かけたらいいんじゃないかな。メガネ!」
春野許すまじ。
まぁ、なにはともあれ私覚醒しました。




