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復讐の道



 次の日。いつものように学校に行き、理子や咲良と別れたあと教室へ入ると、何やら少し空気が変だった。


「(なんか、やたらと視線を感じるな)」


 そのまま、表面上は気にせず席へと座る。隣を見ると東雲はまだ来ていないようだった。そこへ、いつものように高崎がやって来る・・が、その表情はどうも険しかった。


「なあ神崎、ちょっといいか」


 いつものふざけた感じではなく真剣な表情に俺は少し驚いたものの、高崎とともに教室を出る。出る時まで、皆の視線が気になった。

 そしてそのまま屋上へと出る。朝なので、まだほとんど生徒はいなかった。


「はぁ~!!やっぱ屋上は落ち着くなぁ」


 そうして背伸びをする高崎。すると突然こういった。


「なあ神崎、あの話は本当なのか?」

「あの話?」


 咲良といい高崎といい抽象的なことばかり言わないで欲しい。

 俺はなんのことかわからず首をかしげる。


「ああ。天王寺に大怪我を負わせたって話だよ」

「・・・・はぁ?」


 天王寺が大怪我?まさか。


「どういう事なんだ?」

「さあな。俺も詳しくは知らないが、今病院で手当を受けているらしい。多分入院することになるんだってさ。で、それだけでもまあ、結構深刻なんだけど・・・・」


 言いづらそうにする高崎を俺は促すと、高崎は決心したかのようにこういった。


「神崎にやられたって言っていたらしい。昨日の夕方頃突然襲われたんだと。 勿論俺はさ、神崎がそんなことする奴じゃないってのはわかってるんだ。それでなんだけど、昨日の夕方神崎はどこにいた?」

「夕方・・・。確かに天王寺とは1回会ったな」

「え、そうなのか?」

「ああ、だが少し話しただけで別に俺は何もしていない」


 俺から言質をとれたことで安堵する高崎。


「それならいいんだ。だけどさ、昨日転校してきた瞬間から天王寺はもう女子を虜にしてただろ?だから天王寺がそいつらに言いふらしまくったせいで一瞬で校内でお前が天王寺を病院送りにしたって情報が流れてるんだ。それに・・・」


 高崎は少しためらったのち、続ける。


「神崎が、前の学校ではかなり荒れていて、不良だったっていう噂も尾ひれがついて回ってる。天王寺が全言いふらしやがったんだ。ったく、顔はいいかもしれないけど性格は本当にいい根性してるよな。

 まあお陰で教室は朝からかなりピリピリしてるんだ。まだ教師には伝わってないけど、入院となると教師に伝わるのも時間の問題だろうな」


 ・・・・なるほど。天王寺が言っていた俺の心をえぐるとはこういうことだったのか。

恐らく大怪我して入院・・なんていうのも嘘なのだろう。俺を貶めるためにそうしたに違いない。その上、嘘の中に本当のことも混ぜたのは厄介だ。


「それであんなにジロジロ見られていたのか」

「ああ、神崎は見た目は本当に悪系のイケメンで通用するからなぁ・・・。今まで仲良かった奴が手のひら返し


て神崎に陰口言っていたのは俺もかなり腹が立った。でもま、嘘なら全然いいんだ。あーこれで胸のつっかえが取れたぜ」


 残念ながら全部嘘ではないんだよな・・・。だけどそのうち高崎には話してもいいかもしれない。今は混乱させるだけなので黙っておくが。

 そこで、予鈴が鳴ったので俺たちは再び教室へと戻った___。







 教室へ入るとみんなからの視線が再び突き刺さるが、誰も俺に対して直接言う者はいなかった。席へと戻るとさっきまでいなかった東雲がそこにいた。何か言ってくるかと思ったが、東雲はずっと考え込んでいる様子で俺に気づいていないようだった。まもなく、担任がやって来る。


「えー・・と非常に残念なお知らせがある。知っている人もいるかもしれないが、天王寺くんが大怪我をして入院することになった。原因についてはまだわかっていない。先生たちもさっき聞かされたばかりだからな。

 そういうわけで、あまり大っぴろげに言いふらさないように」


 そう言って担任は去っていった。まもなく、教室内が騒がしくなる。時折俺のことをちらちらと見てきているのがはっきりとわかった。そこへ、東雲が耳打ちをしてくる。


「大体事情は把握している。天王寺とは私とも因縁があったからな。まあ心配せずとも時期に嘘だとわかるだろう」

「そうだといいんだが」


 正直、俺が非難されるのは別に構わないのだが、それで咲良や理子達にまでとばっちりがいくのを俺は恐れていた。なんともないといいんだが・・。
















◆◇◆◇



「え!?それは本当なのか玄さん!?」


 いつもの集合場所にて正斗が玄三から告げられたことは衝撃的なことだった。


「ああ、頭が見つかった」


 その声に、今まで反応を示さなかった理奈がぴくりと動いた。


「本当に・・・?」


 恐る恐る尋ねる理奈に、玄三は再度頷いた。


「まさか、咲良さんと会えるとは思ってもいなかったがお陰で頭の居場所がわかった。ただ、頭は今大怪我をしていて、片腕が包帯ぐるぐる巻きで使えないらしい」


 真っ先に反応したのは理奈だった。


「え・・・!?裕人が大怪我・・・?」

「あの兄貴が大怪我!?一体何が原因だったんだ?」

「それが、・・・」


 玄三は咲良から聞いたことを正斗と理奈に伝える。


「それで、裕人を傷つけたそいつはどこにいるの・・・?ちょっと殺し__じゃなかった痛めつけてくるから」

「皆本、本音が漏れてるぞ。まあ、俺としても痛めつけたやりたいところだが、残念ながら今そいつは刑務所の中だと思うぞ」

「まあほぼ殺人未遂だからなぁ・・。でも兄貴が生きていてほんとに良かった。

 でも玄さん?まだ話の続きがあるんだろう?」

「ああ。実は___」



◇◆◇◆





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