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こちらでの初投稿です。


色々試しながらボチボチやって行きますm(_ _)m

切り立った崖に吹き上げる風が頬を嬲る。

空には遠く猛禽の滑空が霞んで見える。


要壁の乾いた石畳を靴音を響かせて行くと、その女性は呼び掛けるまでもなく振り向いた。

要壁の向こうを眺めて居た視線がゆっくりと此方を捉える。

──ああ、何て美しい人だろう。

ひたと鉢合わせた視線を外せずに某然と見詰め返してしまう。

背は自分と同じ位だろうか、濃紺のビロードに金の刺繍を施したドレスを纏い背筋の伸びたその佇まいは育ちの良さを現していた。

殆ど色味のない白金の様な麗髪。

汚れのない白い頬に珊瑚のように淡い紅色の唇。

瞳は灰色掛った冴えた蒼。

──正真正銘の姫君だ。居るんだな、こんな絵に描いたような皇族の姫君…。

「あなたが私の護衛?」

不躾なまでに見詰めて居たら、思わぬ具合に不機嫌そうな、少しハスキーな声が響いた。

我に帰って慌てて跪く。

「大変失礼致しました。私が姫君の護衛に当たります赤北軍指揮官付き部隊長ジル・ウィケッドと申します。以後よろしくお願い申し上げます。」

「要らないわ。軍の護衛なんて。腕の立つ侍従を連れて居るし、何よりもあなたは正規軍ではないでしょう?選りによってどうして傭兵なんかを護衛につけるのよ。」

挨拶もそこそこに、麗しの唇から拒絶の言葉が紡ぎ出される。

けれどそんな事は慣れていた。

正規軍でない傭兵の身分では身につける衣装がまるで違うのだ。

この要塞ではこの歳にして古株の自分だが、正規軍になれないのには理由がある。

これまでに何度もその事で辱めを受けてきたのだ、今更驚きはしない。

──相手が生粋の皇族なら尚更だろう。

我知らず口元に笑みが浮かぶ。

だからと言って荒んでいる訳ではない。

傭兵の身分のままにして部隊長を務める自分の経歴に自負もあるのだ。

「申し訳ございません。私もこれが任務にてお言葉に従う事はできません。何卒ご容赦くださいませ。」

それだけ言うと反論の間を与えずに姫君の背後へ回り込んで控える。

視線で追われている事は重々承知の上だ。

「私は殿方が嫌いなのよ。それにあなたみたいな若輩の護衛なんて役に立たないわ。身近に居ると思うだけで寒気がするの。」

追い討ちをかけるように言葉が追ってきたが、笑顔のまま首を振る。

「その事でしたらご心配には及びません。私の事は居ないものと思って下さって構いませんし、そうであれば尚更、私以上に姫君の護衛に適した者は他に居りません。また皇族の方に護衛を付けぬような事はこの要塞ではあり得ませんので、どうかご辛抱を。」

最後の言葉が一番効いたのだろう、姫君はむすっと口を引き結ぶと黙り込んだ。

そんな仕草も絵になるなどと感心していたら、其処へ甲高い声が響いた。

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