第3章 勇者と5人の穢れなき乙女の初顔合わせ
俺の名は、ハリス・アブド・イクバール。
大国ヒタイトの侵略からエレミア王国を守りその功績で貴族に取り立てられて『勇者』の称号を国王より授けられた与えられた幸運な男だ。
『勇者』の権力と権限は国王、王族に次ぐ権限がある。
大国ヒタイトの15年戦争を勝利に導き西方の砂漠の遊牧民の襲撃から民を守り北内海の海賊の略奪から沿岸の都市を守り抜いた俺の事を人々は救国の勇者と呼んでいる。
そして、無類の女好きの勇者とも・・・・・
本章では、女神より授けられたスキル『偽りの愛』と最初の犠牲者達に書き綴る事する。
その前にエレミア王国の衣服について簡単な述べておこう。
砂漠の王国エレミアは、亜熱帯地帯に属してる国だ。
王侯貴族から庶民までろ老若男女問わず一年中、ほぼ半裸で過ごしている。
街中では小さな子供達が、丸裸で遊びに興じている姿を見掛ける事も珍しくない。
男性は、シェンティと呼ばれる三角の腰薪を纏う以外は上半身は裸だ。
女性はシース―呼ばれるワンピースを身に纏うか腰布を身に纏っている。
シェンティとシース―の材質は染色されていない亜麻や木綿等が使用されていた。
王侯貴族も庶民と身に纏う衣服は、変わらないが、襟飾り、腕輪等の特別な宝飾品を身に纏う事で庶民と差別化を図っていた。
救国の湯勇である俺の服装もシェンティを身に纏い、上半身には国王より下賜された襟飾りを身に纏う以外は、上半身裸で過ごした。
尚、王侯貴族や裕福な庶民は、シェンティとシース―の上に、カラシリスと呼ばれる半透明の上着を身に纏う事もある。
カリストの材質も亜麻や木綿が、使用されていたが、王侯貴族や上級神官等、身分の高い貴人のカラシリアは絹が使用されていた。
※ ※ ※
国策として、身分を問わず俺の花嫁として、エレミアの各地から、集められた5人の美女・美少女と底面していた。
王女アインと貴族令嬢マシカは、俺との婚姻を、意に沿うぐながらも受け入れている様である。
王侯貴族の婚姻は、家同士の結びつき強化する為に、行われる。
王族の姫君、貴族令嬢にとっては、結婚して家同士の結びつきを強める事は義務であり、我儘は許されない。
王女アインと貴族令嬢マシカは、婚約破棄にして俺の下に嫁いでくるが、婚約者と相思相愛で熱愛中のマシカは不憫だ。
彼女も貴族の娘。
高貴な身分に生まれたなら、身分に相応しい権利と義務が発生する。
最愛の人から引離され、俺との婚姻は意にそぐわないかも知れないが、貴族令嬢の義務として受けいるしかない。
聖巫女レイラは、女神の神託て勇者の花嫁に、選ばれた事を受け入れてい様だ。
女神に使える聖巫女としては、女神の神託を疑う余地はないのだろう。
庶民の2人、町娘ラビアと村娘ナイラは、戸惑いを隠せない様だ。
無理もない。
一介の町娘や村娘すぎない庶民が、救国の勇者に選ばれとは夢想もしていない、女神の神託により花嫁に選ばれるなど
青天の霹靂の出来事なのだから。
町娘ラビアは、幼馴染との結婚が、半年後に控えたいたが、女神の神託に花嫁に選ばれた為、お笹馴染みとの婚約は破棄され俺の下へ嫁いでくる事になった。
最愛の恋人と結ばれなくて不憫だと俺も思う。
女神の神託で選ばれた娘が、俺の下へ嫁ぐ事は国策で決定されている事であり、最高権力者、国王でも覆す事は出来ない。
ラビアも運命を意にそぐわぬ婚姻を受け入れるしか道は残されていない。
高貴な身分の生まれとして、己が運命を受け入れる娘達。
身分違いの、己が選ばれて戸惑う娘達。
女神の神託を運命と受け入れる聖巫女。
俺の花嫁に選ばれた5人の娘達は、16歳~20歳と若い。
全員が足首までの鞘型ドレスを身に纏っている。
染色されていない白いシース―の為、花嫁衣裳を連想させる
「俺がハリス・アブド・イクバールだ。貴女達の自己紹介を頼む」
「エレミア王国第3王女アインですわ。18歳です」
「マシカです。17歳」
「女神聖教、聖巫女のレイラです。20歳です。勇者様、此れから宜しくお願い致します」
「ラビアです。17歳。お願いです、家族の下へ帰してください」
「村長の娘ナイラ。16歳です。あたしもイナール村へ
家族の下へ帰してください」
「ラビアとナイラの気持ちは俺も理解しているが、貴女達を故郷へ帰す事は出来ないんだ」
「何故ですか? 父に次ぐ権限を持つ勇者様なら可能な筈では」
「わたくしアイン殿下と同意見ですわ。わたくしも勇者様の花嫁候補から解放してエクスに家族の下へ帰してください」
「意に沿うぐぬこ婚姻だとは俺も理解しているが、貴女達を故郷へ家族の下へ帰す事は出来ない」
「マシカ様、ラビンさん、ナイラさん。女神様の神託は何者にも覆す事は出来ません。勇者様の花嫁に選ばれた私達は運命を受け入れるしか術はないのです」
「挙式は一月後だ」
補佐役のサクラが、悪魔の提案する。
「『偽りの愛』を発動させなさい」
魅了スキル『偽りの愛』術者の俺にも解く事が出来ない禁断のスキル。
例え俺が死んだとしても解ける事の無い最強の魅了スキル。
禁断のスキルを使用する躊躇したが悪魔の誘惑に負け『偽りの愛』を発動させる。
恋人や婚約者の居た2人の乙女、貴族令嬢マシカ、町娘ラビンを最悪の運命から救う為に・・・・・
女神の神託に逆らった愚か者の末路は悲惨な事に想像に難くない。
5人の婚約者達は俺に対しては、一欠けらの好意も持ってはいない。
禁断のスキル『偽りの愛』に魅入られた、5人の婚約者、第3女王アイン、貴族令嬢マシカ、聖巫女レイラ、町娘ラビン、村娘ナイラの心は徐々に変化していく。
好意が微かな恋心に、微かな恋心が秘めたる愛へ。
秘めたる愛が熱烈な愛情へ。
魅了系、最強、最悪のスキル『偽りの愛』魅入られ捕らわれた彼女達の心が二度と元に戻る事は無い。
相思相愛の婚約者がいたマシカ。
幼馴染と将来を約束したラビア。
村に駐屯する兵士に思いを寄せていたナイラ。
彼女達が、恋人や婚約者いだいていた恋心や愛情も『偽りの愛』に上書きされ、消えていく。
砂漠の蜃気楼の様に。
最強の魅了スキルの効果は絶大だが、発動条件は限定されている。
創造と愛の女神の神託で俺の花嫁に選ばれた乙女しか効力を発揮しない魅了スキルだ。
意に反し魅了スキル『偽りの愛』を彼女達に使用した事に罪悪感を覚えて、ため息を付くが運命だと諦める。
俺が日本よりエレミア王国に転生したのは、エレミアの女達の間に多くの子をなす為だ。
エレミアの穢れなき乙女、第3王女アイン、聖巫女レイラ、貴族令嬢マシカ、町娘ラビア、村娘ナイラが俺の花嫁に選ばれたのは俺との間に子をなす為。
正気で意に添わぬ婚姻を強要され、子供を生むよりは、例え偽りの愛でも愛する人と結ばれ子供を生む事が幸せでは。
繰返すが、『偽りの愛』効力が解除される事は決してない。
女神の神託で選ばれた乙女達は俺の恋人として、婚姻後は妻として、子供が生まれた後は母として過ごす事にな。
魅了『偽りの愛』の効果が続く限り、彼女達は俺の事を愛し続ける。
他の男に心を奪われる事もない。
他の男に肌を許す事も決してない。
魅了『偽りの愛』に寝食され変貌した、乙女の心は二度と元に戻る事は無い。
サクラの声が頭に響く。
「『偽りの愛』の効果は既に発動し始めたようね。10日程で彼女達は貴方へ熱烈に愛情を抱く事でしょうね」
「偽りの愛か・・・・・虚しい」
「私の神託で選ばれた乙女達は始まりに過ぎないのよ。貴女には頑張ってエレミアの女達の間に多くの子をなして貰わないと」
「今迄、幾度も問いただして居るが何故、俺がエレミアの女達と間に多くの子をなす必要があるか、理解出来ないのだが・・・・・」
「女神の分霊体にの私が、神々の『大いなる意思』真意や意図が分かる訳がないでしょ」
女神に膨大な魔力と特殊スキルを与えられ砂漠の王国に転移した俺だが、女神の駒の一つにすぎない。
女神の神託で、俺の花嫁に選ばれた穢れなき5人の乙女達、第3王女アイン、聖巫女レイラ、貴族令嬢マシカ、町娘ラビア、村娘ナイラも俺との間に子をなす為に選ばれた女神の駒にすぎない。
今後、女神の神託で選ばれる乙女達も女神の駒の一つにすぎない。
女神の神託に従い名誉な事だと、喜んで娘を俺の花嫁として俺に差し出した、親達も女神の駒にすぎないのだ。
王侯貴族でも運命に逆らう事は出来ない。
そして、俺を21世紀の日本から砂漠の王国エレミアに転生させた創造と愛を司る女神さえ、神々の上位存在『大いなる意思』の駒の一つにすぎない。
全ては『大いなる意思』意図と思惑通りに事は進んでいる。
勇者ハリス・アブド・イクバールと女神に神託で選ばれた穢れなき5人の乙女、第3王女アイン、聖巫女レイラ、貴族令嬢マシカ、町娘ラビア、村娘ナイラの初めての顔合わせは終わった。
穢れなき乙女達の心を二度と元に戻せぬ変貌をさせて。
禁断のスキル魅了『偽りの愛』を使用した苦々しい思い胸に、二度と戻れぬ道に一歩を踏み出しのだ。
一夫多妻婚への道へと。
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