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クロスステッチの魔女と中古ドールのお話  作者: 雨海月子
32章 クロスステッチの魔女とサプライズ

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第721話 クロスステッチの魔女、みんなの採取を眺める

 私がルイスに「自分の好きなように集めてもよい」という許可を出した後、話を聞いた他の子達も興味を持ったようなので、皆に同じことを許すことになった。


「あっ、ただし、ひとつだけ条件があるわ! 集めるのは好きにしていいけれど、ちゃんと何を手に取ったのか、調べておくこと。もちろん、私が持っている本なら好きにしていいから。ね?」


「もちろんです、マスター」


「キラキラしてるの見つけるのー」


「小さいのがひとつあったら、楽しそうですわ」


「キーラさま、早く行ってみたいです!」


 かなり楽しそうな四人が早速採取にいきたいというので、まずは近所の森から行ってみることにした。四人分の手袋と採取袋を持たせ、私も自分のを用意して出かける。四人があれこれ話しながら採っている様子を眺めながら、私自身も何か素敵なものを集めてみようと思ってのことだった。


「それじゃあ、私はこの辺りにいるからね。みんな、あまり遠くまで行きすぎないように」


 四人が頷いて走ったり、飛んだりする様子は中々にかわいらしかった。いつも草や石を拾ってもらっているけれど、彼らにも彼らが綺麗だと思う感覚はある。そして、それを自分のものにしたいと思うことがあっても、何もおかしくはない。私も私で、キラキラした石や、何かになりそうな草の種や、どこかから鳥が運んできたらしい、この辺りでは珍しい花を摘んでいく。最後の花は、庭に植えたいから根っこや土も持ち出した。


「あっちは楽しそうねえ」


 少し距離があるから、四人が何を見て、何を綺麗だと話しながら拾い集めているのかは、まったくわからなかった。ただ、楽しそうにしている顔と、その気配だけは伝わってくる。私はそんな光景を見ているだけで、くすくすと笑みが溢れてしまうのだった。


「何を拾って、どう保管するのかしら」


 そんな様子を見ている時、視界に入った白い石を拾う。魔力はほとんど、あってないようなものだけれど。白くて結晶の塊で、綺麗な石だった。


「マスター! これ、すごく楽しいですー!」


 私の視線に気づいたのだろう、ルイスがこちらを見て手を振っている。私も振り返す。他の三人も、楽しそうにしていた。


「いいのあったー?」


「あるよー!」


 アワユキは私に見せようと何かを掲げてぶんぶん振っているようだけど、勢いが強すぎて、何かはまったくわからなかった。まあ、楽しんでいるのは声からも様子からも伝わってくる。キャロルとラトウィッジも、ニコニコと笑っていた。

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