表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロスステッチの魔女と中古ドールのお話  作者: 雨海月子
24章 クロスステッチの魔女のへんてこな冬

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

527/1069

第527話 クロスステッチの魔女、のんびりお茶をする

 私は家に帰って、しばらくゆっくりすることにした。自分の家で試験からの解放感に浸りながら、おいしい紅茶を飲み、好きな魔法を好きなように作って過ごす。


「マスター、試験結果とかは気にならないんですか?」


「気にしたって仕方ないから、忘れるようにしたの。ルイス、おかわり」


「はい、マスター」


 ルイスに紅茶を淹れてもらう。いつもと違う茶葉だったけど、これも悪くない。


「知らない味の茶葉ね」


「いつもの茶葉にしようかと思ったんですが、マスターが色々買っておられたので試してみようかなと」


 そういえば、色々と買うだけ買ってそのままにしていた気がする。試してみるのはよかったかもしれない。


「これおいしーい!」


「いつもより甘くていい香りがしますわね」


 うんうん、とみんなが頷くのを見て、ルイスはにっこり笑っていた。しばらくは色々試してみようかしら、という私に、ルイスが「わかりました。お茶の時間を楽しみにしててくださいね」と張り切っていた。


「そのうち、また、材料採取に出かけたいわねえ」


「楽しみです」


 みんなで出かけて、雪や氷や冬に咲く花を採取して、次の魔法のための準備をしてもいい。そんなことを考えながら、甘いチェリーのジャムを塗ったスコーンをかじった。


「よし、明日出かけることにしよっか。あてもなくウロウロしてみて、お昼には……敷物を敷いて、外でお茶をしてもいいかも!」


「素敵ですね!」


「楽しそー!」


 そうと決まったら準備しくっちゃ、と立ち上がる。《防水》の魔法を刺繍した敷物に、《冷気を防ぐ》魔法を刺繍した布を重ねることにしよう。それから熱い紅茶を外で飲むための準備に、カバンの中の整理、それから採取のための手袋類の用意。ルイスには革の靴があるけれど、キャロルにはないから作ってあげたいな、とも思った。そうなると、狩りがしたくなる。新鮮なお肉も食べたいし。


「明日はお出かけだから、三人ともカバンの中を空けておいてね。色々、入れてもらうかもしれないし」


「「「はーい」」」


 元気な返事を聞きながら、自分のカバンの中も整理する。いらないものを出して、しっかり分別してしまうのは今度にして、魔法で拡張されているとはいえ空きを作っておく。狩りおよび身を護るための石と投石紐も用意して、腰にくくりつける用意をした。魔法のないただの石も、投げるのに使うから明日拾っておこうと思う。


「草花、魔綿、石ー……雪、氷、なんでも採取しておいて損はないわよね」


 倉庫の中を見る。試験前に試行錯誤している間に、結構減っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ