私の頭の中に誰かいる!
日常にあるものの悲哀です。
私の頭の中に誰かがいる。
「おいおい、大丈夫か!」と、昔は良く言われた。
今ではそうでも無いと、思うが!
朝、目が覚めるといつもの時間!
目覚ましは6時30分にセットしている、鳴るとアラームが鳴る。
それを止めると私の1日が始まる。
コーヒーを沸かし卵とベーコンをフライパンで炒めると、ワンルームの室内にその匂いが立ち込める。
「早く食べろ!」と素早い。
その事に気づいたのは最近で、当たり前と思っていた。
頭の中から誰かが話しかけてくる!
それを話すと、首を傾け「大丈夫か…あまり無理をするな?」と言われる。
これって言わない方が良いのだと悟ってからは、無理に言わないようにしている。
「仕事に行け!」
いつも端的に、指示され幾何学的である。
マンションから車で、仕事場に着くと……
「構わず仕事をしろ!」と言ってしまう。
着くなり、いつもこんな感じだ。
当然である!
成績は良かった。
良かったと言うより、頭の中の誰かが全部教えてくれる。
実際の私は優秀でもなんでも無い!
まあ、これは便利である。
オフィスに入ると私だけ個室を与えられており、いつもそこで過ごす事が多かった!
頭の中の誰かが全てをこなすが、その時は大御所に任せる。
ある朝、目覚ましが鳴りいつもの時間に目を覚ました。
しかし、頭の中に誰もいない!
そう空っぽなのだ。
そして、なにか暗い空間にいる。
やっと理解した。
私はスマホである。
最近のスマホは遠隔操作も出来、コーヒーを沸かし、IHも操作できる。
頭の中の誰かはネットである。 なんでも検索でき、何でも教えてくれる。
しかし、ショートし電源が入らなくなった私は、データは取り出されただの箱だけになっていた。
その暗い空間はリサイクル廃棄の場所である。
……やがて私の役目は終えた!
次の日、新機種が発売されまた同じことが繰り返えされる、人間の欲望は尽きることはない!
ありがとうございます。