12 弓の実技試験を始めます 1
「じゃあ、まず大口を叩いたあなたたちから、矢を射て見せてちょうだい」
ケリーは、先ほど自分のことを揶揄した男たちに向けて、そう言い放つ。
的は、彼らから百歩ほど離れた場所に三つ設置されていた。
「ああ、任せておけ」
「やってやろうじゃないか」
「おうっ!」
先ほど、ケリーのことを女だからとバカにした男たち三人は勢いよく立ち上がると、次々に弓を構える。
最初の男が放った矢は、的の中央から指二本分ほど離れた場所に当たった。
二番目の男の矢は、的をはずさないギリギリのところをなんとか捉えた。
三番目の男の矢は、的から大きくそれたかと思うと、的の近くに立つリンゴの木の幹に突き刺さってしまった。
「ふうん、たいしたことないわね」
ケリーは、そう呟くと自分の背丈近くある長弓を構える。
矢を番えると、弦を強く引き絞った。
その細い腕のどこから、そのような力が発揮されているのだろうかと思うほど、弦が大きく引き絞られる。
ケリーがピュッと弦を切って弓を放つと、弓は山なりの美しい放物線を描きながら、ヒュンと音を立てて宙を切り、的へと飛んで行った。
一本目の矢は、最初の男と同じく中央から指二本分ほど離れた場所を射貫く。
「なんだ、おまえこそたいしたことないじゃないか」
男たちの野次に、ケリーは意味深な笑みを浮かべる。
長弓を置くと、今度は背負っていたショート・ボウに持ち替え、二本目の矢を番えた。
弓を構えたまま、その場で飛び上がると、空中でひらりと一回転する。
回転しながら放たれた二本目の矢は、二番目の男の矢とまったく同じ位置、的の端へと突き刺さった。
「おいおい、なんだってんだ。曲芸を見せたいだけか?」
野次を飛ばす男たちに一瞥をくれると、ケリーは再び、矢を番えたまま空中へと跳ぶ。
一瞬、空中で止まったかと見えるほど、優雅な跳躍を見せたケリーは、ジャンプしたまま宙から矢を放った。
三本目の矢は、三番目の男の矢と同じく、的から大きくはずれリンゴの木の幹に突き刺さった。
「なんだよ、自信があるようなことを言いながら、結局、俺らと同じじゃねえか。最後は、大きく的をはずしてやがる」
「ふん。同じに決まっているじゃないか。だって、あんたたちが放った矢を的にして、私は矢を射たんだからね。確認してくるがいいわ。寸分違わずあんたたちの矢と同じ場所に、私の矢が刺さっているはずよ」
不敵な笑みを浮かべるケリーに、男たちは青ざめる。
「な、なんだと?」
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