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「あれ?一馬くんと良平がいない」
利香がきょろきょろ見回した。
「『カンディード』に『ゑゐり庵奇譚』!」
美里は本棚に視線が釘付けだ。
「読みたい本ばっかり!捜してたのばっかり!」
「ね?垂涎ものでしょ?」
「ほんとほんと。これって実際に借りれるのかにゃ?」
「さあ?図書委員は?」
カウンターを見ると、意外な人物がそこにいた。
「なんで?」
☆
「なんだここ!?」
「話じゃ図書館のはずじゃなかったっけ?」
良平と一馬は薄暗いダンジョンにいた。
「さしづめRPGってとこかな?」
「じゃあ、ラスボスは誰だ?」
「誰がラスボスだ!」
豪華な椅子に王様が座っていた。良平がよく知っている…上谷隆也。
「お前、転校生のはずだったよな?なんで学校に君臨してるんだ?」
良平は茶化して言った。
「実は俺は、未来人なんだ」
「みらいぢん?」
「時空の乱れを正しに来たんだ」
「…どっちにしろ、一連のごたごたはおさまるんだね?」
一馬が聞いた。
「んー。どーしよーかな」
「何がじゃ」
「このまましばらくほっといても面白そうなんだが」
良平は隆也の頭上から金の冠を奪うと自分の頭に乗せた。
「たしかに面白そうだが、もういい加減たいがいにしてくれないか?」
一馬が呆れている。
☆
「上谷くん!ここの本って借りれるの?」
「借りれるけど読めないよ」
「なんで?!」
ページが空白だった。
「詐欺だぁー」
美里は泣きかぶった。
「ここはイメージの空間だから、望むものが出てくるけれどその実、実体がないんだよ」
「イメージ。学校王国!」
利香が叫んだ。
図書委員の上谷隆也は王様に。美里と利香はドレスをまとって立っていた。
「なにこれ?」
「私のイメージ」
「じゃあ、あそこでお茶の用意している召使いたちは…」
「誰が召使いじゃ!」
「いい加減にしてくれ!」
良平と一馬だった。