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高橋一馬は自己流で小型の人型ロボットを製作していた。
「あとはスイッチを入れるだけ!」
指を延ばすと、届いていないのにスイッチオンになった。
「なんだぁ?」
カタカタカタカタ…
くすくすくす。
幼い少年がどこから紛れ込んだのか、ロボットをかっさらって駆け出した。
「待てこら」
一馬は慌てて追いかけた。
物理室を飛び出して、特別棟の2階をかけてゆく。
階段を駆け上って3階へ。地学室へ飛び込んだ。
「きゃあ!何?」
「なんだ?」
美里と良平がそこにいた。
テーブルの群れの上でロボットが複数起動している。
「どれが本物だ!?」
「当ててごらん、一馬」
くすくす笑って少年が言う。
「誰だ、あの子?」
良平がいぶかしんでいるが、美里は少年が誰だかわかった。
「一馬くん!その子を捕まえて」
一馬が言われるままに少年を捕まえると、少年は元のロボットに姿を変えてしゅーん、と動かなくなった。
他に沢山あったロボットの幻は一斉に消え去った。
「なんだ?何が起こったんだ?」
「ちょっとね、学校七不思議どころじゃなくなってるみたいなのよ」
美里の言葉に、一馬は真剣な面持ちで聞き入った。
「不思議な出来事のオンパレードよ。原因不明」
「原因不明?そんなはずはないと思うよ」
一馬は優しく反論した。
「一番最初の不思議現象は何だった?」
「…」
美里と良平は顔を見合わせた。