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昼休み。生物室でお弁当食べた緑美里と神沢利香は図書館へ向かった。
「利香ちゃん、借りた本の冊数記録つくってるでしょ」
「まあね」
思い思いの本を借りて読む。
「利香ちゃん?」
忽然と利香が姿を消した。
通路をのぞいてみるが、見当たらない。
「おっと!『時空祝祭日』戻ってきてる。借りなくちゃ」
気が逸れた一瞬。利香が現れた。
「利香ちゃん、おたくどこ行ってたの?」
「第二図書館」
「そんなのないよ!?」
「こっちの奥に行ったら、金色の鍵が落ちてて、鍵穴があったからさして開けたの。そしたらもっとずっと奥に続いてて…」
「ないよ」
「さっきは確かにあったの!新刊とかものすごい垂涎もののラインナップだったんだから!」
「うわ!私も行きたい」
「んー」
利香が腕組みをして考え込んだ。
「そういえば、鍵!あの金色の鍵どこへ行ったかな?」
「知らないよぉ。ああん私も行きたい。行ってみたい!」
「多分、時が来たらいける。…と思う」
「そうかなぁ」
美里はとっても残念だった。