表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

わたしおれシリーズ短編集

元凶

作者: 祈夕

 私は、この公園という場所が好きだ。


 人が多く集まり賑やかで平和そのもの。おまけに見晴らしの良い立派な木のベンチだってある――今では私の特等席だ――こんな安らぎ空間は他にない。



 いつもの様に、お気に入りのベンチに腰かけ、辺りを見渡した。

…………しかし、最近は少し様子がおかしい。理由は分からないが、今のこの公園には以前ほどの活気は無く、訪れる人も少なくなってきている気がする……。


 だが、まばらに人はいる。例えば……ほら、あそこ。数十メートルほど先の木陰に初老の男性が立っている。


――その見知らぬ男は、私の事をジッと見ていた。気のせいじゃない、確かに“私を”見ている……まるで観察しているかのように。


……男は私を見ながら何か考え事でもしているのだろうか? 動くことなくこちらを静観するその立ち姿は、さすがに少し怖い。


 こんな事は初めてだ、目が合って逃げるように去る訳でもなく、こうしてずっと見られているというのは。


――まさか不審者、なのだろうか? だとすれば、この公園の平和によろしくない。


 私は好奇心で――気になって落ち着かなかったというのももちろんある――話かけてみようとその男のもとへと歩みを進めた。



 近付く程に確信する……やはり男は間違いなく私を見ていた。


 私はそのまま男のもとまで近寄り、気さくに話しかけてみる。


「こんにちは……少し前までここも賑やかだったんですけどねぇ、今は寂しいものですよ」


 すると男は、どこか憂いたような顔で私に微笑んだ。


「しょうがねぇよ、もうだいぶ噂になってる。みんな怖がっちまってるんだ……だから“専門”の俺の所に依頼が来たって訳さ……まぁ、安心しなよ」


……噂? 色々と何を言っているのかよく理解できない。妙なことを言い出す人だなと内心思いながらも、私はいよいよ本題を切り出す。


「ふむ……ところで私を見ていましたよね? 何かご用でも?」


 男は、少しだけ間をおいて一言。


「“徐霊依頼”だよ……お前さん、もう死んでるんだ」




様々な人の集まる公園。

老若男女、鳥や虫達……そして。


【佇む者】ってタイトルにでもしようかと悩んでたのはナイショ。


……ちょっと無駄に長すぎたかな。。

推敲がんばらねばねば。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ