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第四十七話「対ゴブリン戦」

 

 私が立ち上がり、ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべると観客が少し静かになった。

 それはそうだろう、先程までガクガクと子鹿のように足を震わせた後、腰を抜かした少女が笑い出したのだから。


 それと、ほぼ同時に私の向かい側にある地下への階段の柵が開き、その中からゴブリンが五匹ほどギャアギャアと喚き散らしながら出てきた。

 ふふっ、毒は間違いなく効いているようだねん。

 ギャアギャアうるさいけれど檻の中で暴れていた時よりも、元気が無いように見える。


 そういえば私も、モンスターらしいモンスターとは初めての対峙になるのかな?

 でも、髪の毛状態では私自身が小さいため、Gちゃんですら巨大な化物みたいに感じていた。

 魔族ミミズちゃんなんて人間の視点で例えるなら、地球で言うところの東洋系のヒョロ長い龍みたいな大きさに感じた。


 それらに比べれば、今のゴブリンたちの体躯はオレンジちゃんよりも小さいし、巡回した際に確認したステータス画面によれば、オレンジちゃんと同化した私の方が能力値は高いはず。

 問題は数が多いというだけだ。

 

 まぁ、それだけじゃないかもしれないけれどね……。

 髪の毛になってからというものの、危機感や緊張感を感じにくくなっている気がする。


 私は、英雄おじさんの戦い方を参考にして、ゴブリン達が襲いかかって来るのを確認すると、やつらが中央まで迫ってきたのと同時に駆け出す。


 目標は向かい側の柵に用意されている武器置き場だ。

 こちらもゴブリン達に向かい、真正面から突撃する。

 そして彼等が手に持つ、ボロボロの武器の間合いに入る直前に【スキル:跳躍 LV.3】を発動する。


 元々オレンジちゃんのお腹に届くかどうか程度の身長しかないゴブリン達の真上を跳躍するのは、スキルを用いれば、それほど難しいことではない。

 私は悠々と彼等の上空を舞い、その背後へと着地すると一目散に武器置き場へと疾走する。


 武器置き場に辿り着いた私は、片手剣を手に取るとそれをゴブリン達に向けて全力で放り投げる。

 本来のオレンジちゃんの筋力値では、剣の投擲は難しかっただろうけれど、私自身の筋力値を加算した数値を誇る今ならば容易いことだ。


 投擲された片手剣は中をクルクルと回転しながらゴブリン達の元へと向かい、その中の一匹の胸へと突き刺さった。

 

 ストライク!なんてねっ。

 スキルもないし特段投げることに自信があるわけでもないけれど、私の跳躍スキルに5匹共集まりながら驚愕に固まっていたから当たるかなー?なんて思いながら投げたけれど、本当に当たるどころか突き刺さって私もビックリしたよん。

 

 これも【スキル:天運】の恩恵だったりするのかねー?


 なんて思いながら、武器置き場にある他の片手剣やら両手剣、斧に盾といった物までとにかく投げまくる。

 最初の投擲でコブリンたちは少し散ったけれど、数撃ちゃ当たるとはよく言ったもので、突き刺さりはしなかったものの、もう一匹のゴブリン顔面へと盾が直撃し昏倒させた。


【スキル:投擲 LV.1を獲得しました】


 やっほー、ありがとさんっ。

 

 心の中でシステム様に感謝の言葉を捧げながらも私の手は止まらない。

 短剣2本を腰のボロボロのベルトに差し込むと、武器置き場に残る槍を手に構え、柄の先を両手で持って残る三匹の中で一番離れている個体に向けて突貫する。


 ターゲットのゴブリンは私が向かってくるのに気が付くと、ギャアギャア喚きながら私に向かって襲いかかってきた。


「お馬鹿さん、み~っけ」


 私はこっそりと呟きながら、駆けるスピードを落とさずにゴブリンの胸へと、手に持つ槍の穂先を突き刺した。


【スキル:槍術 LV.1を獲得しました】


 どうやらゴブリンには間合いを測る知能すらないらしい。

 柄を手繰り寄せ、突き刺さっているゴブリンの死体を蹴り飛ばして外すと、即座に他のゴブリンへと目を向ける。


 二匹のうち一匹は私に怯えるように後退っており、もう一匹は私が攻撃している間に、間近へと迫ってきていた。


「ちっ、接近を許してしまったかッ!」


 私は即座に後退しながらも、ゴブリンの剣撃を槍の柄で受け流すと、すぐに槍から両手を離し、腰のベルトに差していた短剣を手に取る。

 そして剣撃を受け流され、体勢を崩しているゴブリンの背後へとクルりと回り込み、その首を逆手に持った短剣で切り裂く。


 ふむん?

 このような動きを自然としてしまったけれど、オレンジちゃんの短剣術スキルの効果なのかな?

 などと、無意識の動きに感心しながらも最後の一匹へと目を向ける。

 

 最後の一匹は、完全に怯えた様子でこちらへと喚き続けているだけだ。


「すまないね」


 私は短剣を腰のベルトに戻すと最後の一匹へと駆け出し、途中で先程の投擲によってゴブリンの胸に突き刺さっていた片手剣を右手で抜き取りながら接近する。

 最後のゴブリンは、迫る私を確認すると背後を晒しながら逃げ出した。


 しかし、ゴブリンの敏捷値は同化している私には遠く及ばず……。

 直ぐ様追いついた私はゴブリンの背中を、右手に持った片手剣で左脇腹から右肩にかけて斬り上げた。


【スキル:剣術 LV.1を獲得しました】


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