第四十三話「ゴックン」
地下牢のエリアを探索してみると、ここに囚われている魔物たちは強さによって大体ではあるけれど、区分けされているように見えるのよね。
いかにも弱そうな、ティッシュボックスほどの大きさのバッタのような姿をした魔物、バッタちゃんと同じくらいの大きさのネズミの魔物、などなど。
魔族ミミズちゃんと比較しても、小さく弱そうな魔物が多く見られるんだよねー。
ちなみに、お姉さんの魔物であるギョロギョロしていた一つ目の魔物は、大きさは小さい方ではあるものの、THE・鬼といった風貌の魔物や真っ赤な目をした黒い虎の魔物たちがいるエリアに囚われていた。
昨日来た時とは違う場所になっていたことから、あの霧吹きをかけられて進化したことによって、魔物としての格のようなものが上がったのかな?と予想。
弱そうな魔物たちの中には、ろくに世話をされていないのか弱っている者、果てには死んでアンデッド化している者まで存在していた。
つ、強そうなモンスターは後回しにしよう……べ、別に怖いわけじゃないよーっ!
美味しいものは最後までとっておく派なのですわ、ワタクシ!
てな訳で、放っておいても死んでしまいそうな魔物から収奪することにしたよんっ。
たぶん一日では、全てを収奪しきれないだろうし、元気いっぱいだった魔物が複数匹も死んでいたら流石に怪しまれるだろう。
まずは、ファンタジー世界定番のモンスター!
スライムちゃんから収奪させて頂こうかねー。
コイツの檻は、逃げられないように特別製で、鉄格子というよりも細かい目の網で囲われている。
まぁ、髪の毛である私には何の関係もないのだがなっ!
網目を掻い潜り、檻の中に侵入してみるもスライムちゃんからは何の反応もない。
目がどこにあるのかも分からない、私が言うのもなんだけど、どうやって周りを知覚しているんだろう?
不思議な生き物だなー、なんて思いながら、いつも通りに毛根を付着させる。
そして、私はスライムに取り込まれた。
ちょ待てよ、待ってくださいー!
懇願も空しく、緑色半透明の粘液に飲み込まれる私。
ひんやりしているのかと思いきや、人肌のように生温かく、生きてるんだねっ!という実感が生々しくて気持ち悪い……。
それに、全身がヒリヒリしてきたっ!たぶん私のことを溶かしにかかってきてる!
慌てながらも私は【スキル:ウルシオール】を発動。
皆さん、お忘れかもしれないですが、ウルシウィードちゃんから収奪した今まで活躍することのなかったスキルでございます!
破れかぶれで発動してみたら、意外に効果があったようで、スライムちゃんは嫌がるかのように私を吐きだそうとしている。
このまま、やられ役では終わらないよんっ。
毛先から外に出ていき、うまい具合にスライムちゃんから生えているような形になったところで、お得意の【スキル:寄生 LV.7】を発動。
すぐさま、収奪を開始してスライムちゃんの生命力を奪う。
スキルの発動後は、ビックリするほど呆気なかったよ。
やっぱり、スライムちゃんは弱っていたのかな?
吸収を意識したら粘液ごとグングン吸っちゃうから私も自分でビックリした。
だって、終いにはスライムちゃんを丸ごと飲み干しちゃったからね。
私のお腹?というか毛が膨れたりもしてないし、吸ったスライムちゃんはどこに行っちゃったんだろう?
【スキルのレベルが上がりました。寄生 LV.8】
【スキル:溶解 LV.1を獲得しました】
【スキル:変化 LV.1を獲得しました】




