第三十七話「進化目撃」
【アンノウン・ブラックヘアーのレベルが50に上がりました】
【アンノウン・ブラックヘアーは進化条件を達しました】
【進化条件:レベル10。アンノウン・ロング・ブラックヘアーに進化可能です】
【進化条件:レベル20。アンノウン・ダブル・ブラックヘアーに進化可能です】
【進化条件:レベル30。アンノウン・ハード・ブラックヘアーに進化可能です】
【進化条件:レベル40。アンノウン・パーマ・ブラックヘアーに進化可能です】
【進化条件:レベル50。アンノウン・ドレッド・ブラックヘアーに進化可能です】
び、ビックリしたよん……、とりあえず、【No】で。
あの霧を浴びた途端、力が湧いてきたと思ったらシステム様によるレベルアップのアナウンスが聞こえてきた。
視線を例の目玉モンスターに向けてみると、相変わらず瞬きを続けている。
そして突然、ビクンッビクンッと痙攣し始めた後、なんかブルブルと小刻みに震えだした……。
お姉さんはその様子を見て、小さく笑っているけれど、趣味が理解できないよー。
そのまま様子を伺っていると、目玉のモンスターの肉の色が紫から赤黒いものへと次第に変化している。
更には瞳の色も紫から金色へと変化し、頭部と思われる部分には2本の角が生えてきた。
えっ、これってもしかして進化?
まさか自分の進化よりも先に、他のモンスターの進化を目撃することになるとは思わなかったなー。
あのレベルの上がる謎の霧を浴びての進化だから、進化条件レベルに到達したってことなんだろね。
それにしても霧吹きの中身は何なんだろう?
あんな簡単にレベルを上げられる代物が存在しているというのなら、是非とも手に入れたい。
間近で、進化なんて見せられちゃったら私も進化してみたくなっちゃうじゃん?
お姉さんは進化した目玉モンスターに、笑いながら話しかけていたけれど、何を言っているのかさっぱりわからんわ。
目玉モンスターも何を言われているのか理解してなさそうだなー。
話しかけられているのに、何故かギョロギョロとあちこち見渡しているし。
うーん、これはどうにかして異世界語おぼえないとねっ。
そういうスキルとかあれば楽なんだけどなぁ。
お姉さんは、目玉モンスターの進化に満足したのか、来た時よりも心なしか上機嫌な足取りで、上の階へと向かっている。
その途中、少し離れたところで檻に閉じ込められた英雄おじさんを先程の赤い目の男たちが、槍で突いて嘲笑していた。
英雄おじさんに反抗する、様子は見受けられない。
というか、反抗できないのかな?
だって、槍で突かれても防御の姿勢すら見せずに直立しているんだもん。
流石に不自然だと思う。
どうにも気に入らない光景だなぁ……。
まぁ、卑怯な手段で命を文字通り奪ってきた私が言うのもなんだけどねー。
でも、そんなことは関係ないかなっ。
私は私の思うがままに、行動するだけだしね。
とりあえずの所は、生身の私自身を強化するためにも。
───この闘技場、利用させてもらおうじゃないの。




