表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/57

第三十四話「絶対領域」

 

私は、綺麗なお姉さんの足元で精神を統一する。

 

 綺麗なお姉さんは、未だに接客中だけれど人の喧騒が少なくなってきていることから、受付の仕事が終われば移動してしまうかもしれない。

 故に、私に残された時間は限られているっ。

 

 ───全力を出し尽くす……!


 私は、【スキル:死力】を発動する。

 これによって私の筋力値は、272.25まで跳ね上がる。

 今までに遭遇した中で、最高の筋力値を誇った魔族ミミズちゃんの数値を優に上回る。

 一瞬ではあるけれど、この力を発揮すれば、私の身体を飛ばすことなど容易いことだっ!


【スキル;跳躍 LV.1を獲得しました】


 なにやら聞こえたけれど、今は構っている暇はないっ!

 私は異世界式ニーソックスの上に存在する絶対領域へと跳んで行く。

 くっ、空中で姿勢を変えるのは難しい……だが、諦める訳にはいかないっ。

 

 最後の力を振り絞らんとばかりに、【スキル:死力】を再び発動して姿勢を制御し、毛根を目標目掛けて突き伸ばす!

 まるで、某仮面のヒーローのような勢いで飛んで行く私は、神聖なる絶対領域を犯し……。

 遂に、美女との合体を果たした。


 毛根が付着したのを確認し、綺麗な肌の毛穴にその毛根を捩じ込むっ。

 すると、今までにない安定感……いや、安心感を得ることができた。


【スキル:空中制御 LV.1を獲得しました】

【称号:ヘンタイを獲得しました】


 もはや聞く耳持たない私は、何事もなかったかのように【スキル:寄生】を発動する。

 綺麗なお姉さんの毛穴からエネルギーが送られてくるのを実感し、心の中で感涙する。

 その綺麗なお御足に、一本のチョロ毛を生やしてしまったことは申し訳ないけれど、どうか許して欲しい。

 

 裏腿だし、すぐ下には黒い異世界式ニーソックスが存在しているから、垂れている毛は目立たないよんっ。

 ぐへへ、お風呂の時間が楽しみですなー。

 などと、ゲスな笑みを心の中で浮かべていると、接客が終了したのかお姉さんは何処かへと歩き始めた。



 どこに行くんだろー?

 一歩進む度に感じる腿の揺れ具合に、興奮しつつも周囲の状況を窺う。

 

 この通路の壁には豪華な額縁の絵画が飾られていたり、金ピカのツボが、これまた凝った作りの飾り台に乗せられている。

 成金御用達って感じがプンプンしているねー。

 どうやら先程のお客さん方が向かった通路とは違い、専用通路のような所を通っているようで、他の人とはすれ違うこともなく、通路の突き当たりにある大きな扉の前に辿り着いた。


 扉の先からは、なにやら歓声のような音が聞こえる。

 時折、怒号のような声も聞こえてくるあたり、ただ事ではないようだ。

 お姉さんは懐からカギを取り出すと、扉を解錠し、開け放つ。


 扉の先の空間には中央に円形の広場が存在していた。

 そして、それを覆うように高く堅牢そうな柵が囲い、その周囲を観客席が一段一段と高くなるように広がっている。

 

 中央の広場で行われている、観客たちを熱狂させている催し物。

 それは、この世界で初めて見る、人と魔物の殺し合いだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ