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第三十二話「ただいま、外の世界」

 

 あれから体感時間で一日くらいだろうか?

 ひたすら穴を掘り続けていた、私の寄生する魔族ミミズちゃんゾンビは、遂にその活動を停止した。

 その瞬間、強制的に主導権掌握は解除されてしまった。

 

 私は暗闇の中、魔族ミミズちゃんゾンビの亡骸から抜けだして一度、距離を取る。

 そして、地に毛根を埋め埋めして、毛先を亡骸へと向ける。

 意識を集中し、【スキル:発火能力 LV.1】を発動。

 今までとは違い、火球ではなく火炎放射をイメージする。

 

 すると、いつもよりも時間をかけながら毛先に赤い光が灯り、それは火球を生み出す時よりも少しづつ大きくなっていく。

 そして、熱量が限界に達したと感じた時、それを感覚に従って放つ。

 赤い光は燃え盛る火炎へと変わり、勢い良く吹き出して魔族ミミズちゃんゾンビの身体を包み込んだ。


 母なる大地からエネルギーを吸収しつつ、限界がきたら休憩を挟み、火炎を放ち続けること数時間。

 魔族ミミズちゃんの肉体は、炭と化していた。

 弱肉強食の、この世界ではあるが、心の中で感謝の気持ちを伝える。


【スキルのレベルが上がりました。 発火能力:LV.2】


 さて、シリアスなのはここまでにしようかなっ。

 つい先程まで使用していた火炎放射は、洞窟の側にある黒い海に向かってスキルの実験をしていた時に、試しにイメージを変えてみたら見つけたった。

 火力は火球とは段違いなんだけれど、エネルギーを溜めるのに時間がかかる上に、私の場合は母なる大地の恩恵を受けた状態でなければ、すぐに生命力が枯渇してしまうというデメリットがあって、戦闘では使用することができなかったんよー。

 基本的にはイメージ力があれば色々応用の効きそうな、スキルっぽいんよねぇ。

 

 さて、それでは、お外の様子を伺ってみますかね!

 ってことで対地中用のスキルを発動して、地上目指して掘り進むことにしたよん。

 頑張って掘り進み続けると、ようやく外の光が闇に包まれた地下に溢れだした。

 遂に外の世界へと、私は帰ってきたっ!

 

 うん?なんだここ?

 元気良くピョンッと地上に飛び出したのはいいものの、その光景に困惑する。

 これは……街?

 

 そこには立ち並ぶ建物、そして人が存在していた。

 相変わらず空は赤く、暗雲立ち込める空模様であるのだけれど、そこに人間と思わしき人々が生活を営んでいる。

 

 お、おおおっ!

 私は今、感動しているっ。

 この世界で初めての人間に遭遇したった!

 しかも、いきなり街の中に飛び出してしまうとは予想外である。

 一体、地中をどれだけ移動してきたんだろう?

 洞窟の付近から街なんて見えなかったしなぁ。


 ひとまず、踏みつけられないように建物の壁際に移動して、人々の様子を観察する。

 まず、街は現代日本とはまるで違い、いかにもファンタジー系RPGに出てきそうな街、と言ったら良いのかな?

 元日本人として、この街の文明レベルは低く感じられる。

 でも、こういう街には憧れていたし、一度来てみたかったんだよねー。

 

 さて、お次は人間観察でありますっ。

 まず目につくのは髪の色。

 

 まさにテンプレとでも言いますか、とてもカラフルでございますっ。

 青に赤に黄と、三原色もあれば、茶に灰に緑……。

 前世では、まずお目にかかれない慣れない光景ですん。

 でも気になるの点があるとすれば、皆一様にその色はくすんでいる様に見えることかな。

 そして比較的、灰色が多いなぁという印象かな。


 そしてもう一つ、彼らには共通点が存在していた。

 それは、誰一人の例外もなく、瞳の色が赤いということ。

 そして、浮かべる表情に暖かみがないというか、冷たい印象を受ける。

 中には笑顔を浮かべる者もいるけれど、それはどことなく下卑た笑みであるように感じる。

 

 人だけど人間じゃない?なんていうか、そんな感じ。

 彼らを見て私は、ガラにもなく寒気を感じちゃったよんっ。


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